麗しきカーディナルフェルの家の事情3
──── 父親なら娘が可愛くて、可愛くて仕方がない。
どこの父親もそう思うはず。たとえ何人もの娘がいたとしても可愛いことには変わりがないと。
世の父親は言うだろう。
かくゆうカルロ公も、娘が可愛くて仕方がない。
カルロ公には四人の娘がいる。
下の娘であるキラとサラばかりがその美しさを賞賛されているから、ことさらに二人が可愛いわけではない。
カルロ公の長女のマールと次女のリーナだって大切な大切な子供なのだ。
なのだが、ここが本当に重要なのだが、上のマールとリーナは、生物学上は間違いなく確実に男と分類される。
従って言葉が間違っていなければ、正真正銘のカルロ公の息子にあたり、長男、次男となる。
家庭の事情でマールとリーナを男として育てることが出来ず、カルロ公は何度もあの二人に申し訳ないと何度も心で詫びた。
表面上は女であっても自宅に帰れば息子である。
可愛いことは可愛いが、やはりの娘にはかなわない。
そういう意味でも本当にキラが可愛くて、可愛くて仕方ない。
なんといっても、キラは四人いる子供の中で、生物学上間違いなく確実に女であると分類される、正真正銘の娘なのだ。
そりゃカルロ公にとってみれば可愛い。
末っ子のサラも、あれほどキラの生き写しであるにも拘わらず生物学上は男なのだから神様は意地悪としか言いようがない。
あれほど容姿に恵まれ性格も穏やかで、日頃から読書を好み、清楚で清純なサラが何故に男として生まれ、艶やかで逞しく、性格に至っては稟と生命力に満ちあふれた行動派のキラが、なぜに女として生まれたのか。
キラが男ならば、ディナル公国の未来になんの憂いもない。
マールやリーナが力不足なわけではないのだが、カルロ公の目から見ても違うのだキラが持つあの強さは。
そういう意味でも神様は本当に意地悪としか言いようがない。
宗教市国ディナルの公主としては言ってはいけない事だが、この件に関してだけは、主アンタレスのデコを叩いてやりたいと、日々カルロ公は嘆いている。
それでもキラのあの凛とした強さと底抜けの逞しさが、本当の笑顔の優しさも全てが愛しいのだ。
(キラとサラを「地球の宝珠」などと、
あたかも神の祝福を当然のごとく受けた宗教国家の公主などと報道する他国の連中に言ってやりたい。
この苦労がわかるか!)




