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引っ越したら根暗なハウスコボルトが暖炉の中にいました。②

 ソファーで2人して大手動画配信サイト、モトフリの恋愛リアリティーショーを観ている。

 そう、ソファーの上でまで体操座りをしているこの猫背の緑男と。

 ちゃっかりアタシのカフェラテ飲んでるし。なんなのコイツ…。

「……この、顔見た途端に泣くの、男性側かわいそすぎない……?」

 リアリティーショーの感想言ってくるし。いや、確かに今まで良い感じに話してたのに初対面で顔見た途端泣くとか、同情するし、その意見には賛同だけども。

 いや、そもそもコイツのせいで集中して見れないわ!

「だー!アンタ一体なんなのよ!!ここに引っ越してからずーっといるし!害がないからと無視していれば今日は話しかけてくるし!」


 出会った時にはあった黒いハットを被っていない緑男はチラッと私を見てからテレビを見たまま話し出した。

「…ボクは、このあたりの家に500年くらい住んでるハウスコボルト。前住んでた家に住民がいなくなっちゃったから人が住むこの家に移り住んできた」

「はぁ?!なんで人が住むとこに来んのよ?!ハウスコボルト?!聞いたことないわ!コボルトって、まぁゴブリンみたいな見た目してる、◯リー・◯ッターの◯ビーみたいなやつのことよね。ヤーパン《日本》のアニメやゲームだと犬っぽいのを意味するみたいだけど。でも家にいるなんて、聞いたことないんだけど?!ってか今までどの家でも見た事なかったのにどうしてアタシ見えるの?!」

 アタシの声がうるさかったのか緑男はそのデカい耳を塞いでる。ちゃんと聞きなさいよ!

「……ハウスコボルトはいるよ…昔から。基本人には見えないけど、家でおこる不思議なことは大抵ハウスコボルトの仕業さ。最近家でスマホ無くなったりしてない?それ、コボルトの仕業。ボク達はイタズラせずにはいられないんだー…」

「地味に嫌なことしてくるわね…アンタいて良いことないじゃない」 

「そんな事はない。ボク達は家の人が僕たちを受け入れて、パンなりミルクなりビールなりくれるんなら、家畜の世話や家事の手伝いをもするよ…」

 ふーん、家を守る精霊って感じなのね。

「ここ最近は特に文明の発展がすごくて、家事もすごく楽になったね…洗濯も食器洗いもボタン一つで終わるんだもの…」

 昔の主婦みたいなこと言ってるわ。コボルトもちゃんと文明の利器使ってんのね…。

「…というわけだから、パンとミルク、偶のビールは定期的に頼むよ…そうだね…ちゃんとしてくれたらあのワンチャン、いつでもあらってあげる…」

 部屋の隅で寝ているゴールデンレトリーバーのジョン。大きいからそりゃ助かるけども。

「…じゃ、頼むよ…」

いやいやそもそもアタシはアンタを認めてないわよ!

 横を見るともういない。

 なんっなのよあいつー!!!

 アタシは自分の金髪の頭を思わずわしゃわしゃ掻いてしまった。むしゃくしゃする!釈然としないわ!

 次出たら出てってもらうんだから!!


Hauskobolt。家を守る、日本でいう座敷童的な存在として古くから伝承に残る存在のようです。見た目はゴブリンみたいですね。イタズラ好きで、物を隠したりする反面、ちゃんとお供えとかしたら家の手伝いもしてくれたりと良い奴だったりするみたいです。家の他に鉱山や船にもいるらしい…。

 この作品はこんな感じでゆるーくすすみます。

あまり定期更新できないかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。

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