9/52
絶望
ギンガ
『いいから早く行け!!』
エステル
『わ、わかった。』
【エトス村 南側】
エステル
『うっ、うっ、パパ、おじさま、おばさま』
夜道で何度も転びながらも丘の方へと向かう。
しばらく進み、エステルは立ち止まる。
『そ、そんな。。。』
目の前にはラステルの遺体。
そしてその背後にはエステルの母、多くの村人の変わり果てた姿があった。
『ラステル兄さん!!ママ!!。。。みんな。。。』
『なんで、、、なんで、、、
ああああああああああああああああ!!』
その場で泣き崩れる。
しばらくすると、背後から轟音が鳴り響いた。
『うっ、うっ』
後ろを振り向くと、先ほどまでギンガといた場所から火柱が上がっていた。
『ギンガ、、、ギンガ、、、』
エステルにはもう何がなんだかわからない状態であった。
完全に思考は停止し、頭の中は真っ白になり無意識で来た道を戻っていく。
『ギンガ、、、ギンガーーー!!』
目の前には倒れているギンガの姿があった。
『なんで、、、どうして、、、わたしもうどうしたらいいか、、、』
絶望に打ちひしがれる。
ギンガを抱え、泣くことしかできなかった。