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ep47「健康診断」

第3章『水の大精霊 オンディーヌ』

ep47「健康診断」


『 』・・・キャラクターのセリフ

【 】・・・場所・状況またはそのキャラクターの心の声


(つか)・・・刀剣や弓の手で握るところ。握りや(つば)などがある部分の総称。

剣身・・・刀剣のなかみ。実際に何かを斬る部分。

【サンセットビーチ】

アイン

『もうすっかり暗くなっちゃったわね。』

エステル

『そうね。

 ギンガ、モルガンちゃんを家まで送っていってあげて?』

ギンガ

『えっ?

 なんでおれが?』

エステル

『モルガンちゃんは女の子なのよ。

 途中で変な男どもに襲われたら誰が助けてあげるの。』

モルガン

『このロリコンに襲われる確率の方が高そうだけどね。』

ギンガ

『ロリコンじゃねえし!』

エステル

『はいはい。

 とりあえず頼んだわよ。』

アイン

『モルガンちゃん、明日ギルド集会所に来てくれる?

 そこで報酬を山分けしましょ。』

モルガン

『わかった。』

ギンガ

『まさか幽霊の正体がオンディーヌだったとはな。』

モルガン

『だから言ったでしょ。

 幽霊なんてそんな非科学的なものが存在するわけないって』


オンディーヌがひとりでに召喚される


オンディーヌ

『わたしではありませんよ。』

ギンガ

『うお!びっくりした!

 

 え?幽霊ってオンディーヌのことじゃなかったのか?』

エステル

『じょ、冗談ですよね、、、オンディーヌさん』

オンディーヌ

『おそらく皆さんと初めてお会いしたときからずっと、皆さんの後ろにいた方のことかと』

ギンガ

『え?それって、、、』

エステル

『う、うそでしょ、、、』

モルガン

『・・・・・』


エステルとモルガンがギンガの腕にしがみつく。

全員がそーっと後ろを振り向く。

しかしそこには誰もいなかった。


オンディーヌ

『冗談です』

全員

『・・・・・』

ギンガ

『モルガン、お前やっぱり、、、』

モルガン

『な、なに!?

 虫がでたからびっくりしただけよ!』

アイン

『モルガンちゃん!

 わたしの胸に飛び込んでおいで!』

モルガン

『うっさい!』

オンディーヌ

『ふふっ!』


【ギンガの体内』

イフリート

『オンディーヌ、、、』


イフリートはため息をつく。




【水上集落 出入口】

ユーゲル

『おや、モルガンちゃん。』

モルガン

『ユーゲルさん。

 こんばんは。』

ユーゲル

『こんばんは。

 おや、君はこの前ウォーク商店街であった』

ギンガ

『ギンガといいます。

 よろしくお願いします。』

ユーゲル

『よろしくね、ギンガくん。

 この街はどうだい?

 気に入ってもらえたかな?』

ギンガ

『はい!

 建物はどれもきれいで、乗り物も珍しいのがたくさんあるしとても楽しいです!

 ただ人はちょっと冷たくてよろしくないかなと思います』

モルガン

『バカ!

 社交辞令(しゃこうじれい)って言葉知らないの!?』

ユーゲル

『はっはっはっ!

 正直でよろしい!

 わたしもそこには頭を悩ませていてね。。。

 今も試行錯誤(しこうさくご)を重ねていて、

 どうすれば()()()()この街でよりよく暮らしていけるかどうか模索(もさく)しているんだ』

ギンガ

『モルガンから話は聞きました。

 ヴィングトン大陸人の人たちもこの街で暮らしていけるようにしてくれているって。

 頑張ってくださいユーゲルさん!

 おれ応援してますから!』

ユーゲル

『ありがとう。

 ところでこんな遅くまでどこに行っていたんだい?』

ギンガ

『ちょっと野暮用で、、、

 そういうユーゲルさんは?』

ユーゲル

『ぼくもちょっと野暮用でね。。。

 そういえばモルガンちゃん、明後日は健康診断の日だから忘れずに参加するんだよ。』

モルガン

『そうだった!』

ギンガ

『健康診断?』

モルガン

『そう。

 ユーゲルさんが「体は資本」だからって3ヶ月に一度、この街の人たち全員がウォーロラ城で健康診断を受けるよう施作してくれたの。

 費用も全額都議会もちだから、みんなして大助かり。』

ユーゲル

『この街の人たちみんなが健康で元気にいてもらいたいからね。。。


 おっともうこんな時間か。

 それじゃあまだ残務もあるからこのへんで。』

モルガン

『はい。』

ギンガ

『さようなら!』


ユーゲルは立ち去っていく。


ギンガ

『すっげーいい人だな!

 ユーゲルさんって!』

モルガン

『そうね。

 本当にあの人のおかげで何度助けられたか。』




【水上集落】

ギンガ

『なあモルガン。』

モルガン

『なに?』

ギンガ

『気のせいかもしれないけど、前来たときよりもこの集落の人数減ってないか?』

モルガン

『気のせいじゃないわ。

 あそことあそこに住んでいた人がいなくなっているもの。』


モルガンが指差した先は空き家となっていた。


モルガン

『きっともうこの街に住むのが限界になって、この街から出て行ったんじゃないかしら。』

ギンガ

『きっと?』

モルガン

『みんな自分が生きていくのに精一杯だから、

 基本的に他の人と交流したりしないの。

 だから急に誰がいなくなっても、なんでいなくなったのかいちいち気にする人はいないわ。』

ギンガ

『そうなのか。。。』

モルガン

『着いた。

 ここがわたしの家』


そこには木造平屋建ての一軒家があった。


ギンガ

『おじゃまします。』


ギンガはモルガン宅に入る。


モルガン

『ちょ、ちょっと!!』

ギンガ

『え?』


家の中にはきれいに畳まれている布団一式だけが置かれていた。


ギンガ

『なにもないな』

モルガン

『ちょっと!

 あんた女の子の部屋になに勝手に入ってるのよ!

 デリカシーってものがないのかしら!?』

ギンガ

『え?

 おれいつもエステルの家にも無断で入ってるけど怒られたことないぞ。』

モルガン

『田舎の基準と一緒にしないでよ!

 まったくもう、、、』

ギンガ

『なんでこんなに物がないんだ?』

モルガン

『なんでって必要ないもの。

 基本的にここは寝るとき以外使ってないし。』

ギンガ

『そういうもんなのか。

 ん?本?』


布団脇に置かれていた本を持ち上げる。


ギンガ

『「人は教え方が9割

  〜誰かに何かを教えるときのコツをこの1冊にまとめてみた〜」


 なんだこれ?』

モルガン

『べ、別に興味があったから読んでただけよ。

 ほら!もう帰った帰った!』

ギンガ

『わかったよ。

 また明日なモルガン。

 ゆっくり休めよ。』

モルガン

『はいはい!

 おやすみ!』

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