ep35「利益」
第3章『水の大精霊 オンディーヌ』
ep35「利益」
【ダメイキ橋 橋の上】
防護柵に両ひじをかけ、川を見つめるギンガ。
ギンガ
『・・・』
アイン
『あらギンガちゃん。こんなところにいたのね。』
ギンガ
『アインちゃん。。。』
ギンガは思い悩んでいる様子であった。
アンダインの人たち
『ヒソヒソヒソ』
男性A
『なあ、あいつらだろ。この前ウォーク商店街でモルガンと一緒にいたやつらってのは。』
女性A
『そうみたいよ。見慣れない人たちと一緒にいるって言ってたもの。』
男性B
『じゃあ、あいつらもヴィングトン大陸人なのか?』
女性B
『知らない。でも普通の人たちじゃないのは確かね。』
男性C
『確かにな。常識的に考えればヴィングトン大陸人と一緒にいる時点で十分変人だよな。』
アイン
『どうするギンガちゃん?あの人たち懲らしめてこようか?』
ギンガ
『・・・おれがばかにされる分は別にいい。』
アイン
『そう。』
ギンガ
『でも大切な友だちがばかにされるのは絶対に許せない!』
アイン
『わたしもよ。』
ギンガ
『・・・おれ、知らなかったよ。
世の中にはあんなひどいことを平気で言える人たちがいるんだってこと。』
アイン
『・・・
みんな自分を守ることで必死なのよ。』
ギンガ
『え?』
アイン
『前に教えた「アイン流心理学」覚えてる?
あの人もあの人たちで自分の自尊心や居場所を守るために一生懸命なの。
そのためには相手の心を下げることが手っ取り早くて楽な方法だから、ああやってわたしたちの心を下げるような言動をして自分を守ろうとしているのよ。』
ギンガ
『・・・』
ギンガは黙り込む。
ギンガ
『おれにできることはなにかないのかな?
あれがおれの大事な友だちにベクトルがいかない方法。
おれがもっと強くなれば、みんなおれの言うことに少しは耳を傾けるようになってくれるのかな?』
アイン
『・・・』
アインは黙り込む。
アイン
『手ならあるわよ。』
ギンガ
『え?』
アイン
『長期的に考えるのであればこの手は悪手よ。禁じ手と言ってもいい。
でも、、、
ギンガ
『でも?』
アイン
『・・・』
【アイン】
???
『いいかい?アイン。
そんなもので人を動かそうとしてはいけないよ。』
アイン(幼少期)
『どうして?』
???
『人なら「ーーー」だけで十分動いてくれるからさ。』
アイン
『・・・
でも、短期的であれば絶大な効果を及ぼすわ。』
ギンガ
『頼む!それを教えてくれ!』
アイン
『この方法を使うと今度はギンガちゃんが標的になるかもしれないのよ?』
ギンガ
『ああ!全然いいよ!』
アイン
『そう、、、じゃあ教えてあげる。
「人の心を動かす要因」を。
ギンガ
『人の心を動かす要因?』
アイン
『そう、大きく2つあるわ。
1つ目は、』
複数の子どもが通りかかる。
アイン
『ちょうどいいわね。
ねえそこの坊やたち。』
子どもたち
『わっ!なんだこの生き物!?』
アイン
『そこのアイスクリーム屋さんでアイスを2つ買ってきてくれないかしら?』
子どもA
『え?やだよ。
すぐ目の前にあるんだから自分で買ってこいよな。』
アイン
『はい、1000pv。』
子どもA
『だから嫌だって言ってるだろ!』
アイン
『お釣りはあなたたちにあげるわ。
それで自分たちの分のアイスも買っていいわよ。』
子どもA
『本当に!?』
アイン
『ええ。』
子どもA
『やったー!みんな行こうぜ!』
子どもたちはすぐ近くにあったアイスクリーム屋へ行く。
子どもA
『はい!アイス2つ!』
アイン
『ありがとう。』
子どもA
『こちらこそ!また買ってほしいときは声かけてね!』
子どもは立ち去っていく。
アイン
『1つ目がこれよ。』
ギンガ
『え?』
アインはギンガにアイスを手渡す。
アイン
『1つ目は「利益」。
自分に利益があるとわかると、さっきの子どもみたいにこっちの要求に応じてくれる。
ギンガちゃんにだって身に覚えがあるんじゃない?』
ギンガ
『あ、ああ。
おつかい頼まれたとき、小遣いとかなにか褒美がもらえるときだけ行ってたからな。
おかげで毎回妹が行くことになってよくケンカしてたけど。』
アイン
『そうでしょ?
「損得感情」が人に与える影響は大きいの。
誰だって自分に損があると思ったら動きたくないし、逆に自分に得があると思ったら動こうと思う。
もちろんこの方法でもダメなときはある。
でももう1つのやり方であれば、、、』
ギンガ
『もう1つは?』
アイン
『・・・
もう1つは
「ーー」よ。』
ギンガ
『え?』
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