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ep31「モルモル」

第3章『水の大精霊 オンディーヌ』

ep31「モルモル」

【2年前 ギルド集会所2階】

モルガン(10歳)

『ギルドの加入申請お願いします。』

受付嬢

『はい。

 あら?あなた、去年来たお嬢さんじゃない?』

モルガン

『はい、そうです。

 10歳になったら大丈夫なんですよね?』

受付嬢

『大丈夫だとは言ったけど、、、

 あなた1人でクエストに行くの?

 どこかのギルドに加入するか、他のギルドとパーティーを組んだ方がいいと思うのだけど、、、』

モルガン

『いえ、1人で大丈夫です。』

受付嬢

『そう。。。

 あら、かわいいギルド名ね。「モルモル」って名前にしたの。』

モルガン

『はい。』

受付嬢

『ギルド名モルモル。確かに申請を受け付けました。

 この後審査して受理されるのに少し時間かかるから、1階の食堂でお昼でも食べて時間をつぶしててくれる?』

モルガン

『いえ、お金ないのでここで待ってます。』

受付嬢

『そう。。。

 じゃあそこに座って待っててくれる?』

モルガン

『わかりました。』

受付嬢

『あとこれあげる。

 わたしうっかりしてダイエット中なのに今日のお弁当作り過ぎちゃったの。

 食べるの手伝ってもらえるかな?』


モルガンはサンドイッチをもらう。


モルガン

『あ、ありがとうございます。』

受付嬢

『ふふっ!』




【べコン街道】

モルガン

『精霊よ 我が魔力を(かて)とし 火の力を与え賜え スターファイア!!』


星型の火弾が対象の魔物を追尾し消滅させる。


【モルガン】

よし。

火術(かじゅつ)であれば中級術も出せるようになってきた。

でも魔力コントロールがまだ甘いわね。

まだ無駄な魔力まで消費されている。

もっとトレーニングしないと。




【ギルド集会所2階】

受付嬢

『はい!モルガンちゃん。報酬の10万pv!』

モルガン

『ありがとうございます。』

受付嬢

『最近ちょっと働き過ぎじゃない?ちゃんと休んでる?』

モルガン

『いえ、早く借金の返済を済ませたいので。

 次はこのクエストをお願いします。』

受付嬢

『そう。。。無理は禁物よ。休むことだって大事なことなんだから。

 ・・・え?このクエストって中型級の魔物討伐依頼じゃない!?

 ダメよ!さすがに中型級は今のモルガンちゃんには早過ぎるわよ!』

モルガン

『大丈夫です。もっとお金が必要なんです。お願いします。』

受付嬢

『・・・・・』



【べコン街道】

モルガン

『あれね。』


遠くの方に中型級のコカトリスがいた。

コカトリスはモルガンに気付き、突進してくる。

モルガンは左手に魔力をこめ魔本を出す。


モルガン

『精霊よ 我が魔力を(かて)とし 火の力を与え賜え バーンブレイド!!』


剣の形をした炎がコカトリスに攻撃を仕掛ける。

しかし、全て避けられてしまう。


モルガン

『そんな!動きが早い!

 きゃあああああああ!!』


モルガンはコカトリスの突進を受けてしまう。


モルガン

『はあ、、はあ、、くそっ!

 だったらこの攻撃なら。

 『精霊よ 我が魔力を(かて)とし 火の力を与え賜え スターファイア!!』


星型の火弾がコカトリスに攻撃を仕掛ける。

コカトリスは攻撃を避けるも追尾され攻撃を受ける。 


コカトリス

『ピギャーーーーーーーー!!』

モルガン

『やった!これなら、、、。』


しかし、コカトリスは立ち上がり突進してくる。


モルガン

『そ、そんな。。。この攻撃でも消滅しないなんて。。。

 きゃあああああああ!!』


モルガンは再び突進をくらい、吹き飛ばされる。


モルガン

『はあ、、、はあ、、、はあ、、、

 わたしは、、、わたしは、、、

 たった1人でも生き延びてみせる!』


モルガンはボロボロになりながらも必死で立ち上がる。




【20分後】

コカトリス

『ピギャーーーーーーーー!!』

コカトリスが消滅する。

モルガンはその場で仰向けに倒れこむ。


モルガン

『はあ、、、はあ、、、はあ、、、やった!

 倒せた!!

 わたしが、、、わたしがたった1人で倒した!!』




【水都アンダイン】

アンダインの人たち

『ヒソヒソヒソ』


男性A

『おい。聞いたか、モルガンの話』

女性A

『聞いた聞いた。中型級の魔物をたった1人で倒したっていう話でしょ?』

男性B

『中型級って()()()()大人だけのパーティーでやっと倒せるっていうレベルなんだろ?

 それをあんな子どもが1人で倒したっていうのか?』

女性B

『あの子は()()()()()()()()

 わたしたちとは違う。()()()()の化け物よ!』

女性C

『しっ!来たわよ!』


モルガンは周囲から冷たい視線を向けられる。


モルガン

『・・・』




【ウォーク商店街 棚から牡丹栗屋(ぼたくりや)

モルガン

『はい。150万pv。』

店主

『はい。確かに受け取りました。』

モルガン

『これで元金の返済は終わりよね?』

店主

『はい、おっしゃるとおりです。

 引き続き利息の方の返済もお願いしますよモルガンさん。』

モルガン

『わかってる。ちゃんと借りたものは返すわ。

 で、利息はいくらになるのかしら?』

店主

『1500万pvです。』

モルガン

『は?』

店主

『ですから1500万pvですよモルガンさん。』

モルガン

『な、なに言ってるのよその金額!!

 利息が元金よりも高いってどういうことなの!?

 しかも元金の10倍もあるじゃない!?』

店主

『おやおや、何をおっしゃいます。

 ちゃんと契約書には書いておりますよ?

 「(ただ)しヴィングトン大陸人に限り、利息は元金の10倍いただきます」ってね!』

モルガン

『そ、そんな。。。

 そんなのただのぼったくりじゃない!!』

店主

『ちゃんと契約書を読まずにサインしたそちらが悪いんですよモルガンさん。

 それに、、、

 ヴィングトン大陸人がお金を借りられるってだけでもうちの店には感謝してほしいもんですけどね。』

モルガン

『・・・』




【ウォーク商店街】

【モルガン】

どうしよう。1500万pvだなんて。

今でもギリギリの状態なのに。。。

・・・

こうなったら、もっともっと高い報酬額のクエストをこなしていかないと。




【ギルド集会所2階】

モルガン

『クエストを受け付けられない?』

受付嬢

『・・・』


受付嬢は泣いている。


モルガン

『ど、どうしてですか?

 わたしには難易度が高いクエストだからですか?』

受付嬢

『いいえ違うのモルガンちゃん。

 ギルドマスターからの指示なのよ。』

モルガン

『ギルドマスターが?どうしてギルドマスターがそんな指示を?』

受付嬢

『・・・

 ごめんなさいモルガンちゃん。言えないの。

 言ったらわたしが、、、』


受付嬢は泣き崩れる。


モルガン

『そ、そんな。。。』




【水上集落】

ユーゲル

『ごめんモルガンちゃん。

 ぼくの想像以上にこの街は闇深かった。

 どうやらギルド集会所に都議会がスパイを送り込んでいたようなんだ。

 そのスパイっていうのが今のここのギルドマスターにまで上り詰めて、ぼくの知らないところで都議員と密会してモルガンちゃんを立入禁止にするよう指示を出していたようなんだ。』

モルガン

『・・・

 大丈夫です。自分でなんとかしてみせます。』

ユーゲル

『本当に申し訳ない。』




【水都アンダイン東側 都立アンダイン図書館】


地図を見るモルガン。


【モルガン】

ここから一番近いギルド集会所はどこかしら?

、、、ここね。エアンコ村。




【エアンコ村】

モルガン

『ここがエアンコ村。。。

 のどかないいところね。』




【ギルド集会所2階】

クエストボードを見るモルガン


「上級クエスト 大型ゴブリン討伐依頼 報酬10万pv」


【モルガン】

うそでしょ!

一番高い報酬額が10万pvですって!?

なにかの間違いじゃない!?


モルガン

『すみません。』

受付嬢

『はい?』

モルガン

『あの、報酬の金額間違えていませんか?

 その、、、ちょっと安すぎるというか。』

受付嬢

『お嬢さん初めて見る顔ね。どちらから来たの?』

モルガン

『アンダインです。』

受付嬢

『それじゃあそう感じてしまうのも仕方ないわ。

 アンダインとエアンコ村じゃ物価が全然違うもの。』

モルガン

『・・・』




【エアンコ村】

老人

『あら、そこのかわいいお嬢ちゃん。おにぎりでも食べていかないかい?

 1個30円だよ。』

モルガン

『さ、30円!?

 アンダインの三分の一の値段。

 い、いえ。お金がないので大丈夫です。』

老人

『そうかい。じゃあただであげるよ。』

モルガン

『え?』

老人

『子どもはちゃんとお腹いっぱい食べなきゃダメだよ。

 でないと大きくなれないよ。』

モルガン

『ほ、ほんとにいいんですか?』

老人

『子どもが遠慮なんかするもんじゃないよ。ほらお食べ。

 この味噌汁も飲みな、あったまるから。』

モルガン

『あ、ありがとうございます。』




【マッサジー平野(へいや)

おにぎりを食べるモルガン。


【モルガン】

いい村。

ここならだれもわたしがヴィングトン大陸人だとは知らないし、ここに移住してしまおうかしら。

・・・

ユーゲル

『必ずこの街を差別のない街にしてみせるから。』

・・・

いいえ。それだとユーゲルさんに礼を欠いてしまう。

ユーゲルさんには命を救ってもらった恩があるもの。

それにまだ借金の返済も終えていないし。

わたしはやっぱりあの街で生きていくしかないんだ。

大丈夫。今までも生きてこれた。これからだってなんとかなるはず。




【2年後 マッサジー平野(へいや)

モルガン

『精霊よ 我が魔力を糧とし 今ここに大いなる力 火の力を与え賜え エンシェントファイア!!!』


上空から火の大玉が出現し、大型ゴブリンを一瞬で焼き尽くした。


【モルガン】

よし。

上級術もだいぶ上手に扱えるようになってきた。

ここの魔物はアンダイン付近に出現する魔物と比べてそこまで強くないから、大型級でも倒せるわね。




【アンダイン大橋 アンダイン出入口】

門番

『通行証を。』

モルガン

『はいはい。

 あれ?通行証がない!

 えっ!どこに落としてしまったのかしら!?』

門番

『通行証がなければここを通すわけにはいかない。』

モルガン

『そ、そんな。

 わたしのこと知ってるでしょ!?

 何度もここを出入りしてるじゃない!?』

門番

『いかなる理由があれ通行証がないものを通すわけにはいかない。

 これは決まりなのだ。』

モルガン

『そ、そんな。。。』




【アンダイン大橋 入口】

【モルガン】

どうしよう。。。

だれかと一緒に入れればいいんだけど。。。

でもわたしにそんな知り合いなんていないし。。。

『ぐー』

お腹空いた。。。

朝からなにも食べてない。


するとそこへ3人組が現れた。


モルガン

『なに?』

ギンガ

『なにしてんだ?そんなところで?』

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