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ep30「棚から牡丹栗屋」

第3章『水の大精霊 オンディーヌ』

ep30「棚から牡丹栗屋」

【3年前 ウォーロラ城】

ユーゲル

『新しくアンダインの都長になりましたユーゲルです。

 不束者(ふつつかもの)ですが一生懸命頑張ります。

 みなさんよろしくお願いします。』


アンダイン都民から拍手が湧き起こる。


老人A

『やっぱりわしはユーゲルさんが都長になると思っとったよ。』

女性A

『なに言ってるのよ。あなたマンショ派だったくせに。』

男性A

『マンショの野郎のあの横柄な態度、前から気に食わなかったんだよな。』

女性B

『わたしも。結局この前の任期でたいした政策もうちだしてないしね。

 当然の結果よ。』

男性B

『その点ユーゲルさんは人柄もいいし、ちゃんと都民の声を聞き入れてくれてる。』

女性C

『そうね。あの方が都長ならこの街も安泰(あんたい)よ。』




【都議会】

議員A

『さ、差別撤廃の法律を作るですって!?』

議員B

『そんな法律が許されるわけがない!

 やつらはこの街のきれいな外観を損なう存在なんですぞ!

 むしろ、とっとと全員追い出す政策をうちだすべきだ!』

議員C

『そんなことしたら都議会支持率に大きな影響を及ぼしますよ!』

ユーゲル

『そんなものはどうでもいい。

 わたしが都長である限り、この街に住むヴィングトン大陸人を(しいた)げることは絶対に許さない!』

議員全員

『・・・』




【水都アンダイン】

アンダインの人たち

『ヒソヒソヒソ』


女性A

『ねえ、聞いた?』

女性B

『聞いた聞いた。ヴィングトン大陸人の差別撤廃の法律が作られるんでしょ?

 最悪よね。』

老人A

『だからわしはあの若造が都長になるのは反対だったのじゃ!』

女性A

『よく言うわよ。あなたウォーロラ城の都長就任挨拶のときにあんなに喜んでいたくせに。』

男性A

『だれがあんなやつを都長にしたんだ!』

男性B

『お前のせいだろ!選挙に行かなかったらしいな!』

男性A

『うっ!、、仕方ないだろ!

 AXしてて忙しかったんだから!』

女性C

『それってゲームじゃない!このクズ!』

男性D

『都長の任期って何年だっけ?』

女性D

『5年よ。』

女性A

『うげっ!あんなのがあと5年も都長を務めるの!?』

男性B

『大丈夫かなこの街。。。』




【水都アンダイン南側 水上集落】

アンダインの南側は、水上集落となっていた。

アンダインの石造りの建物とは異なり、水上集落は木造の建物となっていた。


ユーゲル

『ごめんねモルガンちゃん。ぼくの力が足りないばかりに、こんなところにしか住むところを与えられなくて。。。』

モルガン

『いえ、大丈夫です。

 雨風を凌げる家があるだけでもとても助かります。ここなら寝込みを襲われる心配もなさそうですし。』

ユーゲル

『必ずこの街を差別がない街にしてみせるから。』

モルガン

『ありがとうございます。お気持ちだけでも受け取っておきます。』

ユーゲル

『・・・』




【水都アンダイン 中心部】

アンダインの人たち

『ヒソヒソヒソ』


子どもA

『おい、見ろよあれ。モルガンだ。』

子どもB

『ほんとだ。去年、学校が壊れたのってあいつのせいなんだろ?』

子どもC

『それだけじゃないらしいよ。自分の両親までも殺したっていう噂よ。』

子どもD

『マジかよ!なんておそろしいやつだ。

 園長が退学にしてくれてなかったら、おれたち今頃あいつに殺されてたかもな。』

子どもE

『ちょっと。怖いこと言わないでよ。』

子どもA

『知ってるか?今、学校で流行ってる遊び。』

子どもB

『知ってる!「はないちもんめモルガンバージョン」でしょ?』

子どもC

『なにそれ?』

子どもD

『知らないの?だれがほしいか決めるときあるだろ?

 あのときに「モルガンはいらない♪」「こっちもいらない♪」って歌うんだ!』

子どもE

『ははっ!なにそれ。全然遊びのルールが成立していないじゃない!』

子どもA

『だからおもしろいんだよ。』

モルガン

『・・・』




【ギルド集会所2階】

受付嬢

『クエストを受けたいですって?』

モルガン

『はい。』

受付嬢

『どこかギルドには所属しているの?』

モルガン

『いいえ。だめでしょうか?』

受付嬢

『まずはギルドに加入しないとクエストを受けることはできないわ。

 加入していないんだったら自分でギルドを作るっていう手もあるけど。

 でもその前に、、、』


受付嬢はモルガンの全身を見渡す。


受付嬢

『お嬢さん今いくつ?』

モルガン

『9歳。』

受付嬢

『ごめんね。ギルドに加入できるのは10歳からなの。

 だから来年になったらまた来てくれる?』

モルガン

『・・・』




【水上集落】

モルガン

『あのすみません。』

ヴィングトン大陸人男性

『ん?』


男性はご飯を食べていた。


モルガン

『できればご飯をわけてもらえないでしょうか?一昨日からなにも食べてなくて。』

ヴィングトン大陸人男性

『ごめん。悪いけど他の人に与えるほど余裕はないんだ。』

モルガン

『・・・』

ヴィングトン大陸人男性

『ぼくだって今日を生きるのでいっぱいいっぱいなんだ。

 君にだってわかるだろ?』

モルガン

『・・・ごめんなさい。』




【ウォーク商店街】


ウォーク商店街を歩くモルガン。


【モルガン】

どうしよう。

ユーゲルさんのおかげで住むところには困らなくなったけど、あと1年、お金をどうやって稼ぐか。

このままじゃ飢え死にしてしまう。


そこへ()()()()が目に止まる。


「お金お貸しします!お気軽にご相談ください!」


モルガン

『「棚から牡丹栗屋(ぼたくりや)」?』


モルガンは棚から牡丹栗屋へ入る。


店主

『いらっしゃい!あらかわいいお客さんだね!パパかママはいないのかい?』

モルガン

『・・・いません。あの、』

店主

『ん?』

モルガン

『お金を貸してほしいのですけど、わたしでも借りられますか?』

店主

『・・・お嬢ちゃんひょっとして、噂になっているヴィングトン大陸人じゃないかい?』

モルガン

『・・・』

店主

『やっぱりそうかい。。。

 でも貸せるよ!』

モルガン

『えっ!?ほんとですか!?』

店主

『もちろん!ただ()()()()利息は多くなっちゃうけどね。』

モルガン

『お願いします!貸してください!』

店主

『オッケー!じゃあこの契約書にサインしてくれるかい?』


モルガンは嬉しさのあまり、契約書の内容を確認せずにサインする。


店主

『ふっふっふっ。これで契約成立ですね。』


店主は不敵な笑みをうかべた。

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