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ep16「オヤジ狩り」

第2章『3人目』

ep16「オヤジ狩り」

【ギルド集会所1階】

エステル

『うわあ。いつの間にか人でいっぱいだね。』

アイン

『お昼時(ひるどき)ですもの。

 早く席をとっちゃいましょ!』


席につく3人。


アイン

『これだけ人がいれば、いい情報の1つや2つ手に入るかもね。

 情報収集のコツは知ってる?』

ギンガ

『いいや、全然知らない。』

アイン

『それじゃあわたしが「アイン流心理学」を伝授してあげる!』

ギンガ・エステル

『アイン流心理学?』

アイン

『いい?大事な情報を聞き出すときはいきなり「こういう情報を教えてくれませんか」とは言わないの。

 人間も動物。動物は基本的に警戒心(けいかいしん)が高い生き物よ。

 いきなり知らない人から情報くれって言われても相手は警戒して教えてくれないことが多いわ。

 だからまずは警戒心を解いて、その人と仲良くなるところから始めるの。

 仲良くなって「この人になら話してもいいかな」って相手に思わせることができればこちらの勝ちよ。』

ギンガ

『具体的にはどうやってやるの?』

アイン

『「心の移動」を意識するのよ。』

エステル

『心の移動?』

アイン

『そう。例えばケンカをしたときに相手に「バカ」って言うでしょ?

 これは相手の心を下げるパターンね。

 相手の心が上がってるか下がってるか、それとも変わってないかは相手の反応を見てればわかるわ。

 次は、自分の心を上げてから、相手の心を下げるパターン。

 例えば「俺はこんなことができるすごいやつだ」って一度自分の心を上げてから

 「お前はこんなこともできないバカだ」と相手の心を下げる。

 これは相手を(あお)るときに特に有効よ。

 キーポイントは優越感(ゆうえつかん)劣等感(れっとうかん)自尊心(じそんしん)とかの感情を意識するところかしら。

 情報収集をするときはこの逆。

 自分の心を下げてから、相手の心を上げればいいの。

 例えば「わたしこんなことも知らないんですー涙」って自分の心を下げといて

 「えー♡こんなことも知ってるんですかー♡すごーい♡」って相手の心を上げればいい。

 人間は所詮(しょせん)、自分のことが大好きだからね。

 自分が褒めれられて嫌な気持ちになる人なんていないわ。

 相手が気持ちいい気分になれば、あとはこっちがいろいろと聞かなくても勝手に欲しい情報を喋ってくれるわ。

 ちなみに相手を呼ぶときは名前を呼んであげた方がいいっていうのはこの心理からきてるわね。』


アインは続ける。


アイン

『あと、この場合自分の心を下げてるから相手は自分のことを下にみてくる。

 自分よりも下と感じる人間に愛嬌(あいきょう)を感じる人はけっこう多いわ。

 「バカなやつほどかわいい」って言うでしょ?

 「こいつは自分がいなきゃだめなんだな」って相手に愛着心なり執着心をもってもらうことも大事。』

ギンガ

『なんか難しそうだな。。。』

アイン

『まずはお手本を見せてあげるからしっかり見てなさい。』


アインは席を立ち、近くにいた3人組の男たちに話しかける。

3人組はアインを見るなり逃走していった。


アイン

『まああんな感じで失敗することも多々(たた)あるわ。』

ギンガ

『いや始まってすらいなかったじゃん!』


ツッコむギンガ


アイン

『さあギンガちゃん!アウトプットよ!』

ギンガ

『大丈夫かなあ。。。』


ギンガが実践するも辿々(たどたど)しく、酔っ払いのおじさんたちに門前払(もんぜんばら)いされてしまった。


ギンガ

『難しいぞアイン流心理学。。。』

アイン

『後で特訓が必要ね!さて残るは、、、』


2人はエステルを見つめる。


エステル

『え?わたし?』



エステル

『あ、あのおじさま。。』

酔っ払いのおじさんたち

『ああん?』


恐い形相(ぎょうそう)をしていたおじさんたちがエステルを見るなり笑顔になる。


エステル

『あ、あの。えっと、、、実は、、、』


もじもじするエステル。


酔っ払い

『どうしたんだいかわいこちゃん!おじさんたちがなんでも話を聞いてあげるよ!』

エステル

『ほんとですか!?』


数分後。


エステル

『おじさまたちからいろいろ教えてもらえたわ!』


喜びながら戻ってくるエステル。

どうやら恥ずかしながら話すエステルがおじさんたちの性癖(せいへき)に刺さったようだ。


アイン

『よくやったわエステルちゃん!わたしの指示どおりよ!』

ギンガ

『いや心理学関係なかったじゃん!』

アイン

『エステルちゃんに「オヤジ狩り」の称号を与えるわ。

 称号を全部取得するとトロフィーがもらえるから頑張りなさい。』

ギンガ

『何の話?』

アイン

『楽しみ方にもいろいろあるっていう話よ。』


ギンガは首を(かし)げる。


エステル

『おじさまたちから聞いた情報だと小さい女の子が1人で村から東の方に出て行くのを見かけたって。』

ギンガ

『何だって!?』

エステル

『もしかしたらドウランちゃんかも!』

ギンガ

『よくやったエステル!』


こうしてエステルは「オヤジ狩り」の称号を手に入れた。

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