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おっぱいが大きいことに悩んでる委員長の相談に乗り続けてたらなぜか俺の前でだけツンを消してデレ甘な天使になりました  作者: せせら木


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18話 おっぱい学習と事件の前触れ

 それからの一週間。


 欅宮さんの家にお邪魔する土曜日を見据えて、俺は研究という研究を重ねた。


 いったい何の研究を重ねたんだ、と問われると、それは彼女のおっぱいについてだ、と答える以外にない。


 直近であった『単行本ラノベを制服の内側に隠してそれを胸の支えにしよう作戦』で、俺は自分の作った策が甘かったと大いに痛感させられた。


 だから、今度こそはと徹底的に準備し、試行錯誤も重ねたうえで、最高な作戦を作り上げたいと思い、このような行動に出たわけだ。


 具体的には、まず欅宮さんが普段してる胸を強調してしまう癖。これらを一つ一つノートに書き出し、胸に関するネットの情報、書籍、有識者の発言、お気に入りのおっぱいラノベ『ちっぱいでも愛してくれますか?』から参考にできる部分を抜粋し、対策方法に活かしていった。


 その結果、俺はこの一週間で巨乳に対する知識を大いに付けさせてもらったわけなのだが、もう一つだけ肝心なことについていえば、まるで進展が見られていなかった。


 そう。恋人であることを周囲に堂々と見せることだ。


 これはずっと考えていたことだったし、いつか欅宮さんにもツッコまれるんだろうな、とは思ってた。


 でも、俺としては本当にそんなところを誰彼に見せてしまっていいのか、と考えてるわけだ。


 周囲にも彼氏や彼女がいて、高校生活を謳歌してる様を存分に見せびらかしてる奴らがいるわけだけど、連中ときたら男も女もイケイケタイプで顔がカッコよかったり、頭がよかったり、性格がよくて人気者で、友達の多いってタイプがほとんどなのだ。いや、ほとんどじゃないな。全員か。


 そんな中で、委員長であり、美人であり、おっぱいの大きい欅宮さんが俺とイチャコラしてる姿を周囲が見て、いったいどのように思われるかなんて容易に想像できる。


 俺はいくら悪く言われてもいいけれど、欅宮さんにまで飛び火してしまえば、それこそ目も当てられない。


 彼女が傷付くことなんて絶対にあっちゃダメなんだ。


 ダメだけど……、欅宮さんの意向も尊重してあげたい気持ちはある。


 いったいどうすればいいんだろう。


 このことで、一週間ずっと考えたり、悩んだりだった。


 もちろん、だからってそれを表に出したりはしていない。


 欅宮さんとはいつも通りにしてたけど、彼女も彼女でなんとなくソワソワしてて、俺が家に行く土曜日のことを考えて落ち着かないってのが一緒にいてもよくわかった。


『お掃除、しっかりしておくね!』


『そうだ! お掃除してたら昔のアルバムとかも見つけたの! それも今度宇井くんに見せてあげたいな~』


『土曜日、楽しみだね。あ、でもなんか私一人で盛り上がり過ぎかも。色々話したいこともあるし、あれとか、これとか……ふふ! それで――』


――みたいなことをずっと言っては、会話の随所で時折自分の世界に入ったりしてるしね。案外妄想家な一面もあるようだった。


 で、こんな風にして俺たちは何もなく土曜日を迎えられるものだとずっと思ってた。


 今度こそは前みたいな失敗をしないように、と俺も意気込んでたんだ。


 けど、そんな折に事件が起きた。


 最低で、ふざけた連中による事件が。

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