炎天下故の
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
イチャつくカップルの話しになりました。
今日は(作中で)沢山女の子泣かせたので、これくらい平和な会話が欲しくなりました。
炎天下の中を歩いた上での帰宅。背筋にじっとりと浮かんだ汗と、茹だる様な思考の中、家路に着いた。そんな中でも気にした様子もなく、ぴったりと女は寄り添っていた。片手に日傘へ、もう片方は俺の指へ。手汗も移っただろうに、素知らぬ顔。
「汗かいたろ、先にシャワー浴びてろ」
「うーん……。うん」
少し考えた様な間を置いて、顔を見て頷いた。手は離さない。離そうかと指を広げると、拒む様にしがみついて来た。それから徐に身体に手を回し、ぴったりと擦り寄る。
……こうして、俺が逃げられないように抱き着いて来るのは、不安がっているサイン。その証拠に離れる気は無いと言うように、顔を押し付けて来た。
「汗臭いぞ」
「そんな事ないよ。……汗臭いと思った事なんかないよ。あの……でも……その」
汗臭い、という言葉を聞いた途端、慌てて顔を上げて不安そうな顔をする。それから名残惜しそうに離れると、今度は湿気ったシャツを握り締める。
離れはした。けれども俺の事を話す気は微塵もない。逃がす気もない。逃げたらきっと壊れてしまう。そんな不安定な状態。
それから暫くの沈黙のあと、意を決した様に顔を上げた。
「私の方が汗臭かったかなって。ずっと手を握っていたし、腕が擦り寄る程にくっついてたし……。ウザったかったかなって」
「いや、別に。でも髪からは蜜の匂いがする」
あまり此奴の体臭を気にした事はない。常日頃、影ながら努力を重ねているのか、香るのは甘い蜜の香り。何かの制汗剤だろうか? 詳しくは無いから分からないが。
否定された返答に満足したらしい、またぴったりと腰に手を回し、顔を押し付けた。その場で深呼吸。
「私も一緒。汗臭いとか思った事ないよ。だからね、これ頂戴な。いい匂いだから」
「絶対却下」
どさくさに紛れ、要求が弾み上がっていた。元気になったのなら何より、ならばただ只管に甘やかすのも、良くは無いだろう。理性を試される此方の気持ちを汲んでくれ。
「……君がお風呂入ってるときだけだから」
「……終わったら洗濯機な」
何だかんだで甘いな。
「終わったら君にくっつくから大丈夫」
オマケ
「最近突発的に居なくはなるが、家の外に出る事は減ったな」
「雨降りだから、ぼんやりしちゃって」
体のいい言い訳と言う事にしておこう。もっと依存して欲しい。
珍しく話す事がない……( ˙꒳˙ )
しこたま暑くて、ずっと夏を感じてました。
そこから派生して、
日傘買う話とか、
露出度の高い服を着てる人見て不安になる話とか、
脱ぎ捨てたシャツを抱き締めてコロコロする話とか、
色々考えた結果、こうなりました。
久々に匂いフェチネタが書きたくなりました。変化球。
彼女ちゃんに言わせると、制汗剤の匂いがするそうな。
因みに彼氏さんが感じた蜜の匂いは、トリートメントですね。
汗と混ざってバサバサすると、花っぽい香りがします。
上手く作られてますね。