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なろうラジオ大賞3

童話警察24時! お菓子の家に家宅捜索!

 ここは深い森の中にある、お菓子の家。

 子供を食べる老婆が住んでいる。


「すみませーん! すみませーん!」


 乱暴に扉がノックされ、クッキーの扉に穴が開く。

 そこからスーツを着たガタイの良い男が入って来た。


「なんだい⁉ 人の家を壊さないでおくれ!」

「童話警察です!

 こちらに男の子と女の子がいますね?

 隠しても無駄です」

「ちょ! 勝手に入るんじゃないよ!」


 遠慮なく地下室へ向かう男。

 牢に入れられた男の子と、その世話をする女の子がいた。


「見つけましたよ」

「この子たちは私の胃袋に収まるんだよ!

 人の食料に手を出さないでおくれ」

「あなたに用はありません。

 私が会いに来たのは……」


 男は兄妹に令状を見せる。


「君たちはこの老婆を竈に入れて焼き殺そうとしたね?」

「「はい」」

「えええええええっ⁉」


 兄妹の告白に白目をむく老婆。


「だめだよ……最近は描写に厳しい世の中だから。

 もっとソフトに殺してあげないと」


 身をかがめて女の子に視線を合わせ、優しく微笑む男。


「でも……どうやって?」

「例えば毎日の食事に塩をたくさん入れて、塩分過多で殺すとか。

 脳血管障害を引き起こすリスクが跳ね上がるし、

 老婆を葬り去るにはもってこいだよ」

「なんて恐ろしいことを教えてるんだい!」


 さすがに我慢ならない老婆は文句を言う。


「今時、竈に入れて焼き殺す話なんて子供に見せられませんよ。

 でも死因が塩分過多であれば、

 実在するリスクを子供たちに教えることもできます」

「私が殺されるのは前提なのかい⁉」

「ええ、だってこれ、そう言う話ですから」


 真顔でそう答える男に、老婆はうそ寒いものを感じる。


「あっ! いいことを思いつきました!

 不摂生の危険性を啓蒙する話にしてはいかがでしょうか?

 あなたがお菓子を延々と食べ続ければいいんですよ!」

「ええっ……」

「決まりですね」


 それから男は老婆を椅子に縛り付け、動けなくした。


「これからお菓子の家を全てあなたに食べてもらいます。

 体調を崩し、通院を余儀なくされる様子を物語にしましょう」

「こんな話、童話じゃないよ! サイコホラーだよ!」

「何をいってるんですか?

 人を食べたり、焼き殺したりする話の方がずっとサイコです。

 童話としてはこちらの方が適切です。

 ではさっそく……あーん!」

「嫌だあああああ!」




 老婆はお菓子を無理やり食べさせられ、体調を崩して入院しました。


 偏った食生活を続けると生活習慣病にも繋がります。

 食事は三食にわけ、バランスよくとりましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 発想が素晴らしいです! 展開も巧みで、面白く読めました。 食生活の不摂生はいけませんね^^;
[良い点]  勢いが良いと思いました。 [気になる点]  それは本当に警察ですか(●´ω`●)?
[一言] あとは運動不足と歯磨きしない、も付け足しましょうかね。_φ(・_・
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