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城に着くとある人に話しかける。クラフトの代わりに団長になった人だ。
「ご苦労様です。ビス君。」
「ああ、フロワさんか。お疲れ様です。」
俺の目の前に立っている人はメガネをかけ、髪の毛を後ろで一つ結びにしている。言ってしまえば、クラフトとは真逆の人だ。性別も性格も。
聞いた話だと、本当はディグニがなるはずだったらしいけど、断ったみたいだ。
一人で行動している方が性に合っていると。
それでこのフロワが団長になったというわけだ。
俺はこの人がちょっと苦手だった。何というかちょっとフィロに似ている。
違うところと言えば努力でここまでのし上がってきたということだ。
あの悲劇では、ルトさんの次に活躍したらしい。この見た目で腕の方も立つのだ。
一度手合わせさせてもらったが全然歯が立たなかった。もちろん魔法は使わずに。
そして相手にも自分にも厳しく、周りをよく見ているということだ。
ちょっと厳しすぎるのではないかと思うぐらいに。
「今日は一日中、外で仕事ではなかったのか?」
「そうだったんですが、なんというか。
城での用事が出来まして、午後は城に滞在する予定です。」
フロワは左右に振って頭を抱えていた。
「はあ、そういうことは早く言ってください。
もう何でこんなに勝手な人達がいるんですか。あなたと言い、ディグニと言い。
英雄だからと言って勝手が過ぎます。なぜ王様はこれを許しているのでしょうか。それにクラフトさんが甘すぎたのがいけないんですよ。・・・」
フロワの愚痴が止まらない。
こうなったら止まることなく、永遠に愚痴を言い続けるだろう。
だが、なぜかその愚痴が止まる。何か気付いたのか、鼻をひくつかせている。
「ちょっと待って、このにおい、あなたまさか‼」
フロワは俺の荷物を一瞥し、俺に視線を戻す。
これはまずいな。最悪没収されてしまう。それがあの人の命令だとしても。
「今度から気をつけます。
すみません、約束の時間が迫ってますので失礼します。」
俺は、逃げるように言い放って、その場を後にする。
「あっ。ちょっと待ちなさい。話は終わってませんよ。」
何か言っているが気にせず進む。厄介なことに巻き込まれたくない。




