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薄暗い部屋の中。誰かが話をしている。
一人は椅子に座り、一人は片膝立ちをしていた。
「~~~~。報告は以上です。」
「そうか。わかった。」
「想像以上にひどい状況になっています。」
「あいつはちょっとやりすぎるところがあるからな。
ただ、許容の範囲内だ。いっそもっと暴れてしまっても構わないのだがな。」
「それは・・・」
「冗談だよ。そんな真面目に捉えるな。」
「申し訳ありません。」
「・・・謝ることでもないのだが。はあ、まあいい、引き続き監視の程頼むぞ。」
「はっ。仰せのままに。」
一人がシュッと音を出して消えた。
「はあ、仕事はよくできる奴なんだがな。肩に力が入りすぎだ。あいつは。」
溜息をつき、遠くを眺めている。
「着々に進んでいる。もう少しだ。もう少しで完成する。理想の世界が。」
その老人の両手には力が籠っていた。
そこに新たな男性が現れる。
「今、戻りました。」
「ああ、戻ったか。記憶は戻ったのだな。」
「はい。最近ですが。」
「では、お前の役割はわかるな。」
「ええ、役割は完璧にこなしますよ。それしか私にはできないですから。」
男性は淡々と答える。
「ああ、頼むぞ。それとここまでの道中疲れただろう。お前の部屋も残してある。そこで休むといい。」
「お心遣い感謝します。お言葉の通りにさせていただきます。では。」
男性は身を翻し、部屋を去っていく。
「済まないな。俺の理想に巻き込んで。ただ、もう後戻りはできないのだ。
突き進むしかない。それに時間がもうない。早く理想の世界を見てみたいものだな。」
そう老人は呟いて自室に戻っていった。
~ 第一部 完 ~




