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ヒレイスト物語  作者: 瑛
第4章 ”不変”と
104/176

28-3

部屋に着いて荷物を整理しているとドイボの声が聞こえてきた。



「ビスさん、夕食をお持ちしました。」



「今開けます。」



ドアを開けるとそこには豪華な料理を持っているドイボの姿があった。



「どうぞ。」



思っていたよりも豪華で尻込みしてしまう。お金を払った方がいいのではないかと思うほどだ。



「あ、ありがとうございます。・・・本当にいいんですか?」



「ん?何がですか?それよりほかの人のところにも運ばないといけませんので、これで失礼します。」



そう言って今度はモルテの部屋へと向かっていった。俺はドアを閉めて料理をテーブルに置き考え込む。そんなことをしていると大きな声が聞こえてくる。どうやらモルテも同じことを思ったらしい。


まあ、深く考えても始まらないと思い料理へと手を伸ばした。というかあの人は本当に村長なのだろうか。その一点だけが気になった。




夕食も食べ終え、寝る仕度も終えた時誰かがドアをノックして来る。



「モルテです。ちょっと話しませんか?」



ノックの主はモルテだった。ドアに向かいモルテを迎え入れる。



「どうした?寂しくなったか?」



モルテはこれでもかと最大級の蔑みの視線を俺に向けてきた。



「ぶん殴りますよ。」



「冗談だって。で、どうしたんだ?」



「はあ。・・・どう思いますか?」



「どうって何が?」



「あの夕食といい。あの二人組といい。おかしなことだらけですよ。」



「まあ、怪しいことだらけだな。」



「でしょう。・・・っていうか夕食食べたんですか?」



テーブルに置かれた皿を見てモルテはそう言った。



「食べたが、それがどうかしたか?」



「どうかしたかってビスさんは 不用心過ぎますよ。毒とか入ってたらどうするんですか⁉」



「なんだ。そんなことか。あの人はそんなことしないよ。」



「何でそんなことが言えるんですが?」



「うーん。何でだろうな。・・・”勘”かな。」



俺の言葉にモルテは目を丸くしていた。まあ、そうなるだろうな。俺ですら驚いているのだから。



「それだけですか?」



「ああ、それだけだ。それに何か食べないと持たないぞ。」



「わかってますよ。僕は携帯食を食べたから大丈夫です。」



「そうか。旨いのにな。あれを食べてから体が楽になった気がする。食べないなら俺にくれ。」



俺は何かを訴えかけるようにモルテを見つめる。モルテはそれを察してくれたようだ。



「はあ、わかりましたよ。部屋に戻ったら食べますよ。食べればいいんでしょ。」



この件はこれで終わりだ。ただ、もう一件の方が問題だ。



「モルテそれよりもあの二人には気をつけろよ。」



「それも”勘”ですか?」



「わかってるじゃないか。」



「はあ、ぼくたちの運命はビスさんの”勘”頼りなんですね。よくわかりました。」



そう言うとモルテは部屋を出ていこうとする。



「いいのか。ここで寝なくて?」



「ぶん殴りますよ。」




モルテは振り返らずにその言葉をはき捨て部屋を出ていった。そのあとベッドに入り眠りにつく。


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