3話‣ 我々が「テンプレ」としてる作品について
二人の関係性の深堀パート
3話‣ 我々が「テンプレ」としてる作品について
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あー、早速タイトルからメタいのだが、
俺たちが「ラブコメのテンプレ」とみなす別の世界の物語について
(要するに作者が影響を受けている作品について)
りえさんと語ってゆくぞ。
「まず私のりえって名前が、双葉と宮本の名前の影響もろに受けてるよね」
「かーなり直球に来ましたねーりえさん」
「お前の達哉って名前もかなりテンプレじみてるだろ」
「いやでも「達哉」ってサブキャラいそうでいないんだよな」
「マジじゃん、全然グーグル引っかからない」
「意外だろ」
「意外」
…
ちなみに、今現在はりえの部屋で緑茶を飲みながら二人で話している。
本編の二人をくっつける努力は?って思うかもしんないけど
序盤は結構やること少ないんだよ。
まぁそれでも今は作戦会議後の雑談、って感じだけど。
「思ったんだけど、お前みたいなやつが物語の中心にいる時点で、
結構頭脳派な作品に影響されてそうだね」
「あ、それは思った。
そうだなー...●ブタの国見辺りとか。俺に似てない?」
「...あいつは違うだろ...」
「そうだよなぁ、あいつはヒロインが好きなやつだから
違うよなぁ...」
「ん?、お前今なんて?」
「ん?」
「ん?」
…
暇つぶし感覚で主役たち(涼、千恵、桃花)のTL監視を始めた。
りえは作戦ノートをちょっと見返してるようだ。
「そういえばさぁ。
序盤から死人を出させてくるあたり、ダークファンタジーっぽいね。この世界」
「そうか?俺的には
そう見せかけるが逆にそうでもないコメディー
って感じがするけど。
逸材のラブコメには
必ずと言っていいほどシリアスな展開があるから、
そのテンプレに乗っただけじゃね?」
「達哉、考え方卑屈だねー」
「そうか?」
「作者の耳が痛そう」
…
ちょっと沈黙が続いてる。
りえがずれた眼鏡をかけなおしたのをちらっとみて、ふと気になった事を言ってみた。
「りえ、眼鏡なしでの視力は?」
「最後に検査した時は0.1」
「うん、それ絶対眼鏡なくすイベント起こるわ」
「そのイベントのためだけに私はメガネで生まれたんだろうことは予測ついてる。
眼鏡キャラはどの作品でも定着しているから、
そこから親友設定を結びつけるために眼鏡要素入れたんだろうね。むかつく」
「いや、それは単純にそれは作者の好みじゃね?」
「いや、なぜそう思う」
「いや、おれも眼鏡っ子好きだからさぁ」
「...お前よくもまぁ、さらっと小っぱずかしいこと言うなぁ」
「恥ずかしいか?なんで?」
「お前が考えろ」
ええ...
どういう意味だ...?
…
うーん。
この状況で恥ずかしいといえば”りえが俺に好意を抱いてる状況”しかないとおもうが...
あのりえがねぇ...
まずそれはないし...
っ!
まさか”俺がりえに好意を抱いてる”ことを理解した上で
おれが恥ずかしいと見越して...!?
「...りえさん、あなたまさか...」
「...え?」
「俺の好意に気付いてたなんて...」
「......」
「何も答えないってことは...やっぱり...」
「作者はよっぽど生徒会に影響されてるのね」
「(こんなことを言われたって事は)生徒会会計の思い上がりほど俺は滑稽だというのか...」
「ズズーッ(お茶をすする音)」
「ああ...」
まぁ今に始まったことじゃないけど、
俺の想いはバレてるんだよなぁ。
まぁ腐れ縁だし別にバレても大丈夫だろうけど
りえには、どう思われてるんだろうなぁ...
…
はいはーい。ここはりえの頭の中から語ってるよ。
どうせ今「ドウオモワレテルンダロー」みたいな
くっだらない言葉が達哉視点から流れてたと思うけど、
その答えは、まぁ、見れば分かるよね。
じゃあなんでその気持ちを伝えないかというと、
ま、それも察しが付くか。
そもそも今やってることが彼女彼氏みたいなものだから
必要ないと感じてるのが本音だし、「付き合う」なんてすると、
千恵といる時間が短くなるだろうしね。
ただ、さぁ。
あんな不意打ち言われるとさすがに困るよ。
「いや、おれも眼鏡っ子好きだからさぁ」を
好きな眼鏡っ子の前で言うとか、尊敬するほどよ。
まったく、TLなんて見てなかったら
私の赤面見て気持ちぐらい暴けただろうに。
ー
(ちなみにさっきの会話は本当はこんなん)
「...りえさん、あなたまさか...」
「...え?(やっとこのバカ気付いたのか?)」
「俺の好意に気付いてたなんて...」
「...(やっぱキャラ通りバカなんだなこいつは)...」
「何も答えないってことは...やっぱり...」
「(これだけ作者が両片思いが好きってことは)作者はよっぽど生徒会たちに影響されてるのね」
鈍くはないけどバカなやつだよまったく。