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剣と魔法と超能力  作者: てきさすじたーばぐ
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第4話 旅立ち

目の前には、橙色の髪をした少女がいた。


知らない顔だが、その少女が見せる笑顔には不思議な安心感がある。


「私の名前はチコリ。あなたは?」


自分の名前を言おうとする…が、突然視界が暗転してしまう。





(…新しい予知夢…かな…?)


幸太郎はもやもやした気分で目が覚める。内容が不明瞭でなんのことかわかるまで頭がすっきりしないので、幸太郎は予知夢が苦手だった。


「目が覚めてる!?みなさーん!コウタロウさんが目を覚ましましたー!」


視界の中に若いシスターの姿があった。知らない人が、自分の名を呼んでいることに困惑する。


「俺の名前…?ってかここは?」


「ルナエ城の休憩室です!3日も眠りっぱなしで皆心配してたんですよ?」


「???…皆ってどゆこと?」


「あなたとカガミさんはルナエ王国を救った英雄なんですから、当然ですよ!」


どうやら寝てる間に英雄になったらしい。

撤退させただけだから根本的な問題は解決していないだろうに、と思う幸太郎。


「さあ、国王陛下があなたに話があるそうですよ!」


玉座の広間へ行くよう指示をされる。休憩室を出ると兵士の待機場があった。

そこでは、加賀美が優雅にお茶を飲んでいた。


「3日ぶりだな、幸太郎」


「加賀美さん!傷は大丈夫なんですか?」


「俺は副隊長だぞ。あれくらいの傷、大したことない。回復魔法のおかげで1日寝たら全快したさ。魔法は偉大だな、ファンタジー侮れん」


「加賀美さんの体が1番ファンタジーだと思うんだけど!…あっそうだ、加賀美さんも王様に呼ばれたんですか?」


「俺は呼ばれていない」


「そっか…」


(じゃあ王の話って何についてのことなんだろう。超能力のことかな…?)


「ミルクティー飲むか?」


「もう行くんでいいです」


加賀美は相変わらずマイペースで、幸太郎は安心する。このまま続けると延々と話してしまいそうなので、仕方なく話を打ち切り玉座の広間に向かう。





玉座の広間


「そなたの活躍はわしのこの目に焼き付いておる。そこで、わしから頼みがある」


幸太郎が広間に着くと、挨拶の余地もなくルナエ王が本題について話し始めた。


「…勇者を探し出してここに連れてきて欲しい」


「勇者?」


「そう、勇者じゃ。もう魔王軍に対抗するには勇者に頼るほかない。しかし、国を守る兵士をこれ以上減らす訳にもいかぬ。そこでじゃ!勇者捜索の任をそなたに頼みたい!このとおりじゃ!頼む!!」


ルナエ王は頭を下げる。その姿からは必死さが滲み出ていた。


「頭なんて下げないでください」


「では…!」


「引き受けますよ。魔人将軍とかいうやつに因縁つけられて俺ももう無関係じゃないですしね!いや、それに関してはほんと困ったなー!」


軽く笑い飛ばす幸太郎。しかし幸太郎は自分がそんな軽い身の上ではないことをまだ知らない。




一方その頃。

魔人将軍ケルビスの根城、地下古代城


「ケルビス…魔人将軍ケルビスよ…聞こえているか…」


ケルビスの頭に直接声が響く。


「魔団総長様!」


「両目を負傷したようだな…」


「……くっ、申し訳ない…」


「構わん。両目の傷が回復次第、ルナエを潰せ。それと……お前の顔に傷を負わせたのはどんな者だ?後々大魔王様の脅威となる可能性もある。場合によっては今すぐ排除せねば…」


「栗色の髪で碧色の眼の小僧だった。魔法ではない特殊な技を使ってきた…。どうか、奴の抹殺はオレにお任せを!この手で殺さねばオレの気が晴れない!」


「ルナエ攻略が先だ。その小僧のことは他の幹部にも伝えておく。自分の手で殺したいのであれば、早く傷を治しルナエを制圧することだな」


魔団総長との交信が途絶えたことを確認したケルビスは、拳を床に叩きつける。


「くそッ!ルナエ攻略など悪魔共だけでどうにかなる!両目が治ったら真っ先に殺してやるぞ!!小僧!!」


怒りに燃えるケルビスの叫びは、部下の悪魔をも震え上がらせた。




場所は戻り、玉座の広間


「そういえば、加賀美さんにはもうこの話したんですか?」


「カガミ殿には、兵士と連携してこの国を守ってもらう。そなたは一人でいくのじゃ」


「あの人がいるならこの国もなんとかなりそうだなぁ…」


加賀美の強さに信頼をおく幸太郎。勇者を連れてくる必要があるのか少し疑う。


「…ところで王様。俺はたしかに魔人将軍を撤退させたけど、このままじゃ確実に力不足だと思うんです。だから剣とか魔法とか扱えるようになって、俺は強くならなくちゃいけない。剣や魔法を指導してくれる人を紹介してくれませんか」


「剣と魔法…か。そうだ、これからそなたに向かってもらうサフランの街には魔術師を教育する学校がある。そこに行けば魔法が習得できるであろう」


「よーし!超能力と魔法があれば恐いもんなし!楽しくなってきたなー!」


魔法が後からでも習得できるということを知り、はしゃぐ幸太郎。国王の前だということを忘れそうになる。


「そなたには、今日中に出発してもらいたい」


「わかりました。荷物も何も無いんで、すぐ出発できますよ」


「頼むぞ。この国の未来はお主にかかっておる」


「王様こそ、あんな騎士もどきに負けないでくださいね!」


「では、武運を祈る。さらばじゃ!」


「希望を持ち帰ることを約束します。さよなら、王様」


幸太郎は最後まで笑顔を崩さず謁見を終える。これからのことに不安が付きまとっていたが、それはルナエ王だって同じこと。幸太郎の胸には強い覚悟が既にあった。




王から資金を受け取り出発の準備が整った幸太郎は、加賀美がいる兵士の待機場を訪れていた。


「…聞いたぞ。今日中に出発するそうだな」


「一通り別れの言葉は済ませたんで、もう行きます。その前に礼を言っておきたくて」


「…………」


「短い間だったけど、楽しかったです。ありがとうございました」


「…ああ、俺も楽しかった。…そうだ。せっかく異世界に来たのに観光できないのが心残りでな。帰ってきたら旅の話を聞かせてくれるか」


「…はい、もちろんです!じゃあ、お元気で!」


「元気でな」


一緒にいたのは一日にも満たないが、二人には不思議な絆が芽生えていた。

たくさん旅の話を持って帰ろう。そう思いながら加賀美に背を向け歩き出す。



城の外に出ると馬車が待機していた。

御者の指示に従い馬車に乗る。馬車なんて見るのも初めてで、幸太郎の胸は高鳴っていた。

イレギュラーとも言える少年の、希望を探す冒険が始まる。

読んでいただきありがとうございます!

強すぎて正直手に負えない加賀美は一旦ここでお別れになります。

次回からようやく冒険です。

幸太郎の物語をどうかこれからもよろしくお願いいたします(_ _)

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