誤字とブーメラン
「愛してるよ」って わたしだけじゃないの?
「君だけだよ」って わたし信じてたのに。
薄っぺらな言葉を どれだけ並べるの?
そんなのに 価値はない なんて、
知ってるでしょ?
わたしが投擲した 鋭利なブーメラン。
「愛してるわ」って あなただけじゃないのよ。
「あなただけよ」って 他の人に言ったわ。
薄っぺらな言葉を どれだけ並べるか。
そんなのに 理由はない なんて、
分かってるのよ。
キレイな 表だけの 物よ。
こんな 底辺な わたし達は 言葉を 交わして、
交わして 交わして 交わして、
膝をついて 吐きたくなって。
交わせば 交わすほどに、
わたし――あなた 離れてくの。
交わして 交わして 交わして、
意味 失くなって。
言葉の頁が 紙魚に食い潰されて、
聴こえなくなるの。
「別れよう」なんて わたし 聞きたくないわ。
「君は変わった」って わたし 変わってないわ。
冷たい科白回し どれだけ使ったの?
そんなのに 可知はない なんて、
判ってるでしょう?
恐いな 裏に 潜む者よ。
それでも 愚かね。
わたしは 言葉を 躱して、
躱して 躱して 躱して、
嘘を吐いて 泣きたくなって。
躱せば 躱すほどに、
痛みと快感 混ざってくの。
躱して 躱して 躱して、
見え亡くなって。
心の文章が 墨に塗り潰されて、
出会えなくなるの。
汚い 私々の関係は、
もう 戻らないの? 戻れないの?
―――………そう。
嘘には もう疲れてるの。
もう 憑かれているの。
交わして 交わして 交わして 交わして 言葉を、
為替て 為替て 為替て、
帰依 なくなって。
瞳が 光で白く濁されて 理解ら啼く為るの。
変わして 変わして 変わして、
過夜半 無くなって。
愛が 千切れて 草臥れて もうお別れね。
―――嗚呼 尸んで終え!
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