勇者RADIO
「はい、始まりました勇者RADIO、王国全土の三次元から二次元、そして一次元にまで発信していくこの番組! パーソナリティは私、元勇者ジュリエットがお送りします。今回はゲストの方に来ていただいております――現在はシンガーソングライターとしてご活躍中の元魔王! ロミオさんです! 本日はお互い過去の遺恨などは忘れて楽しく過ごしていけたらな、と思っております、どうぞよろしくお願いします」
「はい、どうも! ご紹介頂きましたロミオです、本日はよろしくお願いします」
「ロミオさん私のラジオ聴いたことありますか?」
「勿論ですよ! 第一回から欠かさず聴いてます! 大ファンです!」
「まさか元魔王にそう言って頂けるとは――ありがとうございます!」
「僕境遇がアレじゃないですか、だからお誘いが来た時は本当に嬉しくて……」
「私もディレクターに『ゲストでどうだ?』 って言われた時には驚きましたよ! 二つ返事でOKしましたけけど‼︎ はい、それでは早速お便りのコーナーです! ラジオネーム、人造商人16号さんからのお便りです、『ジュリエットさんロミオさんこんにちは、馬車に乗りながらいつも聞かせて頂いてます、私は商人をやっていて、この前久々に発注ミスをしてしまいました。商品の在庫に頭を抱えています。そこでお二人にお聞きしたいのですがお二人は頭を抱えた失敗をしたことはありますか? お話くだされば幸いです』とのお便りでした――発注ミス……うーん、桁とか間違っちゃったのかな? それとも別の商品発注しちゃったとか? なんにせよドンマイ! 人造商人16号さん! さてトークテーマは『頭を抱えた失敗』ですが、ロミオさんは何かありますか?」
「いやいや、もう二十五年も生きてればね、そんなもん掃いて捨てるほどありますよ」
「あんまりなさそうなイメージですけど……例えばどんなお話が?」
「そうですね、今パッと思い出したのは子供の頃失敗ですかね? 結構大きな一軒家に両親と暮らしてたんですが大魔法の詠唱ミスして家を吹き飛ばしたことがあります、けが人がいないのが幸いでしたね」
「えええ⁉︎ 大事じゃないですか!」
「仕事から帰ってきたら家がなくなっているって凄い恐怖ですよね、両親は顔を引きつらせて柱一本残ってない跡地を見てました」
「そ、その後は?」
「家が建つまでは三人でワンルームの部屋を借りて生活してましたよ、建った家のローンも私が払うことになってて、まだ支払い終わってないんですよねぇ……」
「魔王とは思えない壮絶な生い立ちですね、もっと裕福な暮らしをしてるものかと」
「いやいやトイレットペーパーも一回三十センチまでですよ、ではジュリエットさんの『頭を抱えた失敗』は?」
「えぇ……私この話の後に話すんですか……ハードル高くありません?」
「そう言わずほらなんかあるでしょう? ジュリエットさんも」
「そうですね……月並みですがロミオさんを倒してしまったことでしょうか……平和になって勇者廃業することになりましたし、あ、いや後悔はないんですけど……今のパーソナリティの仕事に落ち着くまで中々大変だったので」
「あー分かります、僕も魔王廃業してから大変でしたし……とは言っても僕も倒されて後悔はないんですよね。ジュリエットさん! 次のお便りお願いします!」
「はい、ラジオネーム、次期勇者候補生さんからのお便りです。『ジュリエットさんロミオさんこんにちは、いつも楽しいラジオありがとうございます、僕は来月に騎士の登用試験を受けることになり不安でいっぱいです。聞けばジュリエットさんは登用試験を受けたことがおありだとか? アドバイスがあったらお願いします! なければエールだけでもお願いします!』とのお便りでした」
「ジュリエットさん、騎士免許持ってらっしゃるんですか?」
「持ってるだけで使う機会は全くありませんでしたけどね……アドバイスですか……これは私も先輩から教えて貰ったんですけど、実技の方は生存能力を見るテストなのでとにかく教官の攻撃を避けることを考えてください。当たると減点ですから」
「『剣を持っていない気分でやれ』ってきいたことありますね」
「そうですね、本当に手が空いた時に攻撃でいいと思います。努力は裏切りません! 自分を信じてください! 」
「緊張する時は深呼吸をするといいですよ」
「それではここで一曲入れたいと思います、ロミオさんのファーストアルバムより『Love』です、どうぞ」
〜曲〜
「はい、ロミオさんのファーストアルバムより『Love』でした。デスメタルでも歌いそうな肩書き持ちのロミオさんですが、しっとりとした歌詞と歌声が特徴ですよね、素敵です!」
「この曲は世界への平和と愛を歌った曲です! 良かったらCD買ってくださいね!」
「続いては『勇者Rush』のコーナーです。『勇者Rush』とは元勇者の私が10の質問を連続でしていきゲストの方には10秒以内で答えて頂くという勇者の連撃をイメージしたコーナーです。視聴者の皆さんから質問を頂いておりますよー私の連撃、ロミオさんは耐えることができるのでしょうか?」
「はっはっは、どんとこいです」
「おお、頼もしい限りですね! ではさっそく『勇者Rush』開始です!—— 好きな食べ物は?」
「鮭のおにぎり!」
「趣味は?」
「最近だとボルダリング!」
「来世は何になりたい?」
「来世!?——え、えーと犬!」
「尊敬してる人は?」
「りょ、両親かな?」
「特技は?」
「家事全般!」
「今、何問目?」
「はい⁉︎——えっと……分かりません!」
「気になっている異性は?」
「いません!」
「今年の抱負は?」
「抱負……とにかく楽しく!」
「自分の短所は?」
「飽きっぽいとこ!」
「最後にファンに向けて一言」
「えーと、これからも応援よろしく!」
「以上です、ロミオさんお疲れ様でした」
「お疲れ様でした、いやぁ、来るだろう質問の答え用意してたんですけどね……」
「ふふふ、案外うちの視聴者さん鬼畜な人多いですからね、それではここでもう一曲——」
「――ちょっと待った」
「え? なんですかロミオさん」
「――始まりました、『魔王Rush』のコーナー、このコーナーではいつもゲストを質問攻めしていい気になっているジュリエットさんに元魔王の僕が『勇者Rush』をやり返し、報復するというコーナーです」
「えっと、私の原稿ではロミオさんの曲紹介になってるんですが……」
「ジュリエットさん、向こうみてください、向こう」
「えーと……ラジオの向こうの視聴者さんに説明しますとですね……ディレクターとスタッフが大爆笑してます……もしかして知らなかったの私だけですか⁉︎ これ!」
「そうですよ、観念してください」
「いやいやいや、待ってください! 私、心の準備が!」
「問答無用です、それでは『魔王Rush』スタートです! 好きな食べ物は?」
「しゅ、シュークリーム!」
「スリーサイズは?」
「7……じゃない! シークレット! シークレット!」
「ハマっていることは?」
「えー、おかし作り!」
「子供のころのあだ名は?」
「えーと、多分無い!」
「性感帯は?」
「性!?――言えるか!」
「最近買った高額商品は?」
「えーと……オーブントースターかな?」
「付き合ってる人は?」
「い、いません!」
「まだ剣は握ることはありますか?」
「たまにあります! 以前ほどじゃありません!」
「ペットは飼ってたことある?」
「ないです、でも飼ってみたい!」
「視聴者に向けて一言」
「いつも聞いてくれてありがとうございます!」
「はい、ジュリエットさんお疲れ様でした」
「質問ってスタッフの方で吟味するよね? スリーサイズと性感帯入れたスタッフ! 光の剣でぶった切るから出てきて!」
「番組ツイスターでは『やはり貧乳であったか……』、『いや、バスト700台の可能性が微レ存』、『知ってた』などのつぶやきが届いてますね、まあ、僕と戦ったときから成長してませんもんね!」
「ロミオさん? 3年前の決戦の続きをここで今始めてもいいんですよ?」
「あははは、ジュリエットさん、目が怖いです」
「というかまずそんな質問を送ってくるのがおかしいでしょ! 送ってきた人のラジオネームわかりますか⁉︎」
「はい、キヌサヨさんって方と双玉さんって方からですね」
「おい、キヌサヨ! 双玉! 聞いてるか! 名前覚えたからな!」
「はははは、怒らせてしまいましたねー」
「当たり前です! 番組ぐっちゃぐちゃですけどここで一旦cmはいります、この番組は『あなたにご加護と安心を』僧侶ガス協会と『素材の剥ぎ取りから製造まで』戦士工業の提供でお送りしております!」
〜cm〜
「cm開けて番組も折り返しに入ります、ここで一通お便りの紹介です。ラジオネーム匿名希望さんからのお便りです。『ロミジュリさんこんにちは! 今度母の誕生日に何か贈り物をしたいと思っています。でも何が喜んでくれるか分かりません、何なら喜んでくれると思いますか? お力添えお願いします』というお便りですね――匿名希望さんの送ってくれたものなら何でも喜んでくれると思うんですけどね、私は花束を送りました、ロミオさんはどうでしょうか? 何送りました?」
「僕は肩たたき券でしたよ」
「間違いなくそれ家吹き飛ばした後ですよね?」
「まあ、誕生日プレゼントではないんですけど安定して稼げるようになってからは僕は時計を送りました、匿名希望さん大事なのはあなたのその祝う気持ちですよ」
「その通りです」
「あと懐具合」
「ロミオさん、台無しです……さて気を取直して最後のコーナーに入ります!『勇者商品開発部』、このコーナーではこんな商品あったらいいなというものをお便りで頂き、ゲストの方にこれだというものを戦士工業社長のギルバートに送りつけるというコーナーです」
「どんな商品案が届いてるんでしょうね?」
「気になりますよね? それではラジオネーム、ワンワンナイトさんの商品案は――『目覚まし機能付きケルベロスの抱き枕』です!」
「抱き枕……ですか」
「その名の通りのケルベロス抱き枕です、可愛らしくデフォルメされたケルベロスのイラストが描かれていますね。ワンワンナイトさんのコメントは『犬好きな私が欲しい商品、時刻をセットすると鳴き声で起こしてくれます。商品化したら絶対買います!』だそうです」
「抱き枕としての寝心地を阻害させずに目覚まし機能をつけるのが大変そうですね」
「まあ、その辺はギルバートが何とかしてくれるでしょう」
「ギルバートさん中々可哀想ですね」
「コーナーの案を出したスタッフが悪いんですよ、次行きますラジオネーム、匿名希望さんからの商品案です。『転送機能付き買い物袋』、最近マキノ博士によって発明された転送技術の応用した商品ですね。匿名希望さんのコメントは『買い物袋からそのまま家に転送してくれたらすっごく楽です! 是非!』だそうです」
「うーん、転送装置の小型化が課題になりそうですね」
「この部屋ぐらいのサイズはありましたからね、あの転送装置……これは流石に難しいかもしれません、次いきます、ラジオネームゆるりと異世界生活さんの商品案です。『自動車』だそうです」
「ジドウシャ? 聞いたことないですね、馬車に近いもの何でしょうか?」
「えーと、異世界の乗り物らしいですね、『セキユ』と言うものを燃料に走るそうです。この方の話では馬車の何倍もの速度で走ることができるんだとか、イラストがカッコイイです」
「へー異世界ってそんな便利なものがあるんですか」
「ゆるりと異世界生活さんのコメントは『こちらに来て生活を満喫していますが、やっぱり車が無いのは辛いところです。できたら開発を!』とのことでした」
「さっきの買い物袋より難しいかもしれないですね」
「私もそう思います、ロミオさんこれまでの三つの商品案で一番だと思うのはどれでしょう?」
「まあ、実現すればジドウシャが一番良さそうな気がしますが、ここは一番現実的なケルベロスの抱き枕にさせて頂きます、僕犬好きですし」
「来世は犬って言ってましたしね……それではこのお便りはスタッフの方にギルバートに届けてもらいます、お願いしますね。さてそろそろお別れのお時間が近づいてまいりました。バックにはロミオさんで『誓い』を流させて頂いております。ロミオさん私のラジオに出ての感想はありますか?」
「とても楽しかったです。また来たいですね」
「私も是非また来て欲しいですね。今回してやられましたし、仕返しがしたいです」
「あはは、怖いですね」
「私結構根に持つ方なんですよ? お相手は元勇者であるジュリエットと――」
「――元魔王でシンガソングライター、ロミオでした」
「この番組は『あなたにご加護と安心を』僧侶ガスと『素材の剥ぎ取りから製造まで』戦士工業の提供でお送りしました。また明日この時間にお会いしましょう! バイバイ!」
会話形式の小説ならラジオもいけんじゃね? 思い作成。番組ということで思ったより二人がふざけてない。




