1話
「ここにもないか〜」
俺は無人となったコンビニへと入り店内を確認するが中には食料が1つもなかった。
「それじゃ次に行くか〜」
俺は再び食料を手に入れるために次なるコンビニへと向かう。
「ここら辺はもう全て取られた後のかもしれないな〜」
ここに来るまでにもいくつかのコンビニを回っていたがどこも食料や生活用品など店にあった物は全て無くなっていた。この辺りはほかの人が全て持ち去られた後なのかもしれない。そうなるとこのあたりのコンビニなどを回るんじゃなく少し遠いところにまで行った方が良いのかもしれない。
「次なかったらここは諦めようかなー?」
俺はこの場合での探索を諦めるか諦めないかを次のコンビニなどで判断することにした。
「あ、モンスターだ」
コンビニなどを探していると絶対に会いたくない存在、モンスターを見つけた。
「ゴブリンか……」
小さな身長で緑の肌をした汚れた腰布をしているモンスター、そうゴブリンだ。ゴブリンもおそらく俺と同じように食料を求めているのだろう、辺りをキョロキョロしながら歩いていた。
「うん、こっちは無理だな、諦めるか?」
俺は自慢じゃないが強くはない。最弱のモンスターと呼ばれているゴブリンだが、ゴブリンは最弱でもモンスターと呼ばれる存在なのだ。そんな存在が普通の一般的な学生である俺が勝てる通りはない。そもそも俺は誰かと争ったこと、喧嘩したこともないのだ。そんな俺がモンスターであるゴブリンと戦うなんて選択肢はないのだ。戦ってもすぐやられることはやらなくても分かることだ。
「もしかしたらこの辺りはゴブリン達が持ってなのかもしれないな〜」
モンスターと呼ばれるゴブリン達も人間と同じように食べ物を食べて生きていく存在だ。
「はぁ〜どうしょかな〜」
ゴブリン達は集団で行動するモンスターだ。今はあいつ1匹だけだが、だけどもしかしたら近くに他のゴブリンがいるかもしれない。仲間を呼ばれてしまえば退路を断たれ確実にやられてしまうだろう。
「バレなきゃいいんだよな、バレなきゃ!」
普通なら勝てない相手がいればすぐさま逃げるだろうけど俺はゴブリンに気付かれないようにこの辺りでの食料探索を継続することにした。
ゴブリンが何かを探しているってことはもしかしたらこの辺りはまだ手をつけていない場所があるかもしれないということだからだ。
「はぁ〜なんでこんな面倒で大変な世界になったんだろうな〜」
ほんの数日前までは今目の前にいるゴブリンって言うモンスターはこの世界にはいない存在だった。ゴブリンって言うのはゲームやアニメなどの空想上の生き物だった。だけどほんの数日前からは空想上の生き物ではなく現実に存在する生き物になってしまった。
「はぁ〜めんどうだ〜」
俺がなんで自分でこんなに食料探索などを行わなければならなくなった数日前の出来事を思い出した。