閑話休題
疲れた(´・ω・`)
「いやぁ、和君が編入してきてくれてよかったよ!アンジュ君とアイナ君が見違えるようだった!」
「…はぁ、それは、なんというか…」
「はっはっは!!謙遜しなくていいぞ、和君!君はまだ誰も解くことの出来ていない難題をいとも容易く解こうとしているのだから!!」
ここは生徒指導室。時刻は放課後。僕は担任と向かい合って座っていた。
「あぁ、まだ俺の名前を言ってなかったな。うっかりしていた!俺はゲイル=ホモヴィス!これから一年、君の担任を勤めさせてもらう。相談事があったなら、迷わず相談するように!」
「はあ。」
なんか危なそうな名前してるなこの人!
学生の頃なんかは苛められたりしなかったのだろうか。
っていうか、最初に抱いていた寒気とかももう感じないような?
「はっはっは!何か勘違いしているようだが、俺はちゃんと女性が好きだ!男には興味がない!」
よかったちゃんとマトモだこの人!!
「だというのに、何故か初対面の男性からは最初から凄い距離を置かれる。謎だ。」
多分そういうか何かが出てるのでは…?と思ったが口には出さない。やぶ蛇は避けるべきだと思ったからだ。
さて。本題に戻ろう。
「それで、あの二人がなにか…?」
「…ああ。あの子達はな、他人に対して心を開くことがなかったんだ。クラスメイトにも、担任である俺にも。過去に何かあったらしいんだが、誰も触れられない。実際あの二人は、生徒会の会長と、書記を勤めているもので成績も評判もいい。追及することも、出来なかったんだ。」
ちなみに会長がアンジュで書記がアイナらしい。
…アイナはともかくアンジュは信じられない。
「はっはっは。君の前では笑顔でも、アンジュ君やアイナ君はいつもだったらずっと無表情で、ともすれば怒っていると誤解されることもあったくらいだからな。…初めてだ。あんなに楽しそうなのは。」
…むぅ…そう言われると、なんだかなあ。あの二人に対して、もう少し優しくしてもいい気がしてくる。
そんななか、クックッと笑うゲイル先生。
「しかし、和君。聞いたぞ?ここに来るまでに相当な苦労をしたそうじゃないか。」
多分、アンジュにお持ち帰りされてからここに至るまでの経緯のことだろう。
…そういえば確かに、めちゃくちゃ大変だった。
わけもわからぬままにどこか遠くへ連れ出されるというのは、出来ればもう二度と味わいたくない。なぜって、心臓お精神衛生上すこぶる悪いから。
「ああ、先生。わかってくれます?いきなり気を失ったと思って目が覚めたらお城の中ですよ?どこのファンタジー世界に迷い混んだかと思いました。」
「それはまた衝撃的な。」
「しかもこれ、2日前の話です。」
「…え゛。えっらく最近じゃないか!それにしては凄く馴染んでるような…?」
「濃すぎたんですよ、色々と。」
「ほうほう、それでーーーーーー」
ー…先生とのお話は大いに弾みましたとさ…ー
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一方その頃。
「…あいつ!どこにいるのよっ!!」
理不尽な怒りに身を染めて彼、三上和を探す少女が一人。発した声は、周囲の人間が驚くのに十分なものでーーー。
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「…うっ、なんか寒気が。」
「大丈夫かい和君。毛布持ってこようか。」
「あ、すいません。大丈夫です。」
続く