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彼の受難はまだまだ続く~濃いキャラも必要だよねって話~

何やら周りが騒がしい。


飛び交う言語は日本語じゃない。もっぱらドイツ語や英語である。しかし、僕は生粋の日本人。


当然外国語なんてわかるはずもなく。


しかし。これだけは言える。


確実に嫉妬とかそういうガヤと視線だよなって。


「…お嬢様、アイナ。そろそろ離れてくれません?」


「あら和様。先程はアンジュとお呼びしてくださったではありませんか。ちゃんと、名前を、アンジュって呼んでくださいまし!」


むぅ!と口を尖らせるアンジュ。


「…アンジュが離れたら、考える。」


相変わらず何を考えているのかわからない表情のアイナ。


二人はそんな事を言ってさらに強く腕に抱きついてくる。


周囲のざわめきも比例して増えた。


またしても精神が細かくシャリシャリされていくのを感じる。


周囲からしたら両手に花なのだろうが、気分的に両手に有刺鉄線を巻いている気分である。


しかし腕に触れる二つずつ、計四つの膨らみは最高に最高であるってアホか僕は。


この状況に頭がショートしているのだろう。


…無意識に現実逃避しているとも言えるが。


時刻は12時を回ったところだ。なので僕たちは食堂に向かうことにした。


「次の授業は一時に始まりますわ。」


「…それまで一緒に過ごす。」


さて、食堂にやって来た。ここは食券を買うタイプの食堂らしい。学園らしっちゃらしいけど。


ここで驚いたのは、券売機が日本語にも対応したデジタル式のものだったことだ。


…素晴らしい。文明の利器、万歳。


とりあえず適当に買うことにする。


そして料理の乗ったトレーを受け取り、席へ。


僕を真ん中にして、左にアンジュ、右にアイナとなった。いや、そこまではいい。


少し目を離した隙にトレーに乗っていたスプーンとフォークが無くなっていた。


「…二人とも。これはどういうことかいね?」


両隣には僕の口元に件のフォークとスプーン。


それぞれ僕の皿の料理が乗っている。


僕これ知ってる!あーんってやつでしょ!!


「?なにとは?」


「…和に食べさせてあげようとしている。」


僕が聞きたいのはそういうことじゃないんだよなぁ。


心なしか視線が集まっている気がする。


あ、舌打ちまで聞こえた。


「…僕が知ってる食事はこんなに殺伐としているものじゃなかったんだけどなぁ…」


「何をいいますの?周りは周り、私たちは私たちですわ!!」


「…その通り。私たちが和といちゃいち…和をちやほやするのは当然」


そうか。とうぜんか。ナラシカタナイナ(思考の停止)


そして僕は差し出された料理をーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


気がついたら教室でした。


あっれぇー。おかしいなー。さっきまで食堂にいたはずなんだけどなぁー。


「今日は皆に、転校生を紹介する。

三上和君だ。皆、仲良くするんだぞ!」


パラパラと拍手が起こる。後ろの窓際に座っているアンジュとアイナは全力で拍手していたが見なかったことにする。


クラス中の生徒が二人を見て驚愕してたし触れない方がいい気がした。


傍らに立つ担任らしき男は、ボディービルダーのごとき筋肉をタンクトップで惜しげもなく晒しており…って教師がそれでいいのかと思うが体育会系ってことで気にしないことにする。


触らぬ神に祟りなし。最近やっとわかってきた。


「さ、和君!自己紹介をしようか!」


そう言って彼は僕の尻をポンって…あ、ヤバいこ

の人。僕の中にレッドアラートが鳴り響いている。さっきから彼に見られる度に背筋に氷が流し込まれるような冷たさを覚える。


はよ退散しなくては。


「ど、どうも。三上和です。これから、どうぞよろしく。」


「さぁ、質問タイムと行きたいところだが、時間が押している。君は、アンジュ君とアイナ君との間の席だ。…あと和君はあとで俺のところで来るように(ボソリ)」


最後だけ僕に聞こえるように先生はそう言った。





誰が行くか!!!!!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんな中。僕は、僕に対して向いていた幾つかの視線に気づくことはなかった。













「ーーーやっと、見つけたーーー!!」

ホモォ

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