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降りてきたので書き上げました。お納めください!
さて、放課後の誰もいなくなった校舎から外れて…その陰には複数人の男子生徒が管を巻いていた。
「あぁ…くそっ!体がめちゃくちゃいてぇ…」
そう呟いたのは、奏に「撥ね飛ばされた」男子生徒。
このグループのリーダー格で、腕っぷしもあり、なにより親が権力者。
大抵の事は親が揉み消してくれるのをいいことに、やりたい放題している悪童だった。
カツアゲも暴力も◯◯も、なんだってする。
学校側も彼の事をもて余しぎみで、処分したいが親のせいでなかなか手を出せないし、証拠の隠滅が巧みで証拠も掴めない。
そして彼は今、和のことをどうしてやろうか仲間と共に画策していた。
「絶対許さねえ…あの野郎、上玉3人を独占しやがってよぉ…」
彼がそう言うと、周りの者も「そうだそうだ」と同調する。
一人は、
「校舎裏に連れ込んでボコボコにするか?」
また一人は、
「いや、夜道で襲ってから海沿いにあるコンテナでやろう」
そんな物騒な話をしているが、それを彼は鼻で笑う。
「バァカ、そんなことよりいい方法があんだろうよ」
少し勿体ぶった後、ニヤニヤしながら言う。
「いいか、お前らは知らないだろうがあの野郎はあの暴力女と同じくらいやべえって噂だ。迂闊に手を出すのは得策じゃねぇ。じゃあどうするか?」
ゴソゴソ、と彼は懐を探り、一つのモノを取り出した。
それは拳銃だった。
「コイツを使う」
周りの者は息を飲む。拳銃自体はいい。
だが、誰がやるのか?
凍りついた空気の中、ハハハと彼は笑う。
「誰がお前らにやらせるっつったよ?俺が直接殺るに決まってんだろ?あいつは俺が直接殺す。そうじゃなきゃ気がすまねぇからよ」
その言葉で凍りついた空気は幾分か溶けたが、それでも固いままだ。
その時。
「あら、その話…詳しく聞かせてくれませんかぁ?」
クスクスと、声が響く。
「「「!?」」」と、驚愕した彼らは周囲に視線を巡らせる。
すぐ側に、一人の少女が立っていた。
黒のブレザーに黒いスカート、真っ黒な瞳に漆を塗ったかのような艶やかな長髪。
整ったその顔立ちに、その姿に彼らは目を奪われていた。
最初に我に返ったのは、リーダー格の男だった。
「お前、いつの間にいたんだ?さっきまで居なかっただろう」
すると彼女は更にコロコロと笑い
「あらあらあらぁ?今さらそんなことを気にするなんて…小さい男ですねぇ?最初から最後まで漏らさず全て聞かせて貰ってたのにそれすら気づかずベラベラと無防備に堂々とバカみたいにひけらかすようにみせつけるように話していたらだれか一人くらいは聞いているものですよぉ?日本には壁に耳あり障子にメアリー(目あり)ということわざもあるくらいですからそれくらい考えないとだめなんですよぉ?アホなんですかぁバカなんですかぁ人を殺すとかボコボコにするとかただ力を見せつけるだけの愚物ごときがぁ?そんな程度でよく今まで生きてこれましたねぇあぁパパのお力ですかぁわぁすごぉい強い強ぉい!素晴らしいと思いますぅ!」
ペラペラと、そう言った。
最初は呆然としていた彼らも、最後の言葉を聞くまでに一人残さず逆上していた。
「このアマ…黙って聞いてりゃ…」
一人が近づこうとしたとき、リーダー格の男はその仲間を止めた。
「お前…それ、本気で言ってるのか?」
静かにそう聞くが、額には青筋が浮かんでおり、ぶちギレているのは確実だった。
「…?そんなことも言わなければわからないバカなんですかぁ?」
その一言で限界だった。
「…よく見りゃ上玉じゃねえか」
やれ、と指示をすると、周りの者も動き出す。
「あらぁ…?いいんですかねぇ…?」
薄暗くなってきた校舎、その背景を背に
彼女の口が三日月のように、嗤った
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「うふふふふふぅ…」
クスクス、クスクスと笑い声が響く。
楽しそうに、楽しそうに響いていく。
静かな闇に、静かな風が吹くように。
校舎の方角には警察車両や救急車のサイレンと思われる光。
誰もいない歩道でクルリと回る。
そして、口を三日月に歪ませて
「もう少しで会えるねぇ…」
___お兄ちゃん?___
そう呟いた。
TwitterID置いておきます!@KjvbjvKnjAk3RG6
これからもよろしくお願いします




