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彼女たちの本気度を軽くみてはいけなかったかもしれない話。

過言最高なのではなかろうか!ちょっと長めです!めちゃくちゃ甘いかもしれませんが好きだって方はコメント、ポイントによる評価をお願いします!


あなたの好きなキャラクターが返信してくれるかも?



そうしてリビングでセバスさんの淹れてくれたコーヒーを嗜んでいると。


「もう、和様!先に目覚めていらしたなら私を手籠めにしてくださってもよろしかったですのに!!」


アンジュ、リビングに入ってきたと思ったら開口一番にこの言いぐさである。


というか仮にもお嬢様が手籠めとか言うものではないと思う。


それはそうとしてアンジュ、頬を膨らませ、私、怒ってます!と言いたげな顔だ。


続いて入ってきたアイナは、


「…アンジュは日頃の行いがダメなんだと思う。もう少し、見直した方がいい。」


ジト目で自分を棚に上げた事を言うのはやめなさい。


内心呆れ半分、苦笑い半分の僕は平常心を装ってコーヒーを啜る。


「んなっ!!そういうアイナさんだって私の真似をしていらしたではありませんの!」


「…真似をしたつもりはない。そもそも昨夜は、私の方が先に来ていた筈。」


その発言に、軽く咳き込みそうになる。


普段アンジュしか来ないものだから、アンジュが来てからアイナの順番で僕の布団に潜り込んできていたものだと思っていたからだ。


「むっ…ぬ、抜け駆けは卑怯だと思いませんか?アイナさん」


「…普段から抜け駆けしてるのは、アンジュの方。」


「いや、そもそも僕の布団に潜り込んでくる時点で僕としてはどうかと思うんだけど」


立ったまま睨み合う両者…雰囲気は段々修羅場になってきていたため、たまらなくなって口を挟む。


「でも和様?和様も、まんざらではないと感じているようでしたが…違いましたか?」


「…アンジュの言う通り。けっきょく和も男の子。」


おっと藪蛇だったか。このままだとどう追い詰められるか分かったものではない。


へへっ…それを考えたら体が震えて来やがったぜ…。こんなとこまで貞操が掛かってるなんてな…。


更に平常心を装って、静かにカップを受け皿に置く。


「ははっ、何を言ってるんだよ二人とも。僕はこう言うのもなんだけど節操がある人間なんだ。少くとも僕はそう思ってるよ」


「私の添い寝を許している時点で節操のあるなしはあまり関係無くなってきているのではないかと私は思いますわよ?和様?」


おっと目が怖いですよアンジュさん。


漫画やアニメでたまに見るヤンデレ顔になってきている彼女に冷や汗が流れ始める。


「…和はいつ堕とされるかわからない。だからその前に私が…」


段々声音が冷たくなってきてますよアイナさん?


…いや、ちょっと待てよ。


「あの、でもさ。僕扉につっかえ棒したり鍵を掛けたり普段からしてるんだけどそれを突破してるのは…」


そう言うと二人は勢いよく目を逸らす。


「和様、それは…違うんです!」


何が違うと言うのかねアンジュさん。


「…和の気のせい。つっかえ棒なんてなかったし、鍵は開いてた。」


つっかえ棒真っ二つだったし鍵は二重だったんですけどねアイナさん?


「そそそそんなことより和様!早く食事にしましょう!今日は学校ですわ!遅れるわけにも行きませんですもの!」


目を泳がせながら僕の隣に座ってくるアンジュ。


それに合わせて、反対側にアイナが腰かける。


しまった、挟まれた。横長のソファーだったし、一人で贅沢に使おうと思って真ん中に座っていたのが間違いだったか。


「アンリ!給仕を!」


「はい、お嬢様。」


だがまぁ、話題は逸らせたし、さっきまで二人が纏っていた闇の波動を感じさせる雰囲気は無くなっていたし結果オーライではあるだろう。


内心ホッとしてると、アイナが静かなことに気づく。


目を向けてみると、静かにぴったりと僕に寄り添っている。体を完全に僕に預けているが、すこし小柄なためか、重さは然程感じない。


がしかし、超弩級の美少女であるため、僕の心臓と理性に直接働き掛けてくる。


「あぁっ!アイナさん!抜け駆けはダメと言っておいてご自分はそのようなことをなさいますのね!?それなら私もっ!!」


感化されたのか、対抗心をメラメラと燃やすアンジュ。


その勢いとは裏腹に、優しくもたれ掛かってくる。


いつもならそのままの勢いで来るはずなので、虚を突かれた気分になる。というか……


……これは、危ない。


当たってる。どこがとは言わないが当たってる。


ただでさえモデル並みのプロポーションなのだ。しかもアイナと甲乙付けがたいほど、評価するのもバカらしくなるほどの美少女っぷり。


…確信した。この二人、僕を仕留めにきていやがるっ!


いいや違う…!最初から狙いは僕だった…!!


ポーカーフェイスを装いながらも戦慄する僕。


この二人…なんて恐ろしい…!!


「…アンジュ、和が困ってる。あなたのせい。今すぐ離すことを勧める。」


「そう言うアイナさんこそ!和様は私のような包容力を求めていますのよ?貴女にはあるのかしらね!」


さりげなく僕を挟んで開戦しないで頂けますかねお二人さん!?


やいのやいの始める二人を止めることはできなかった。


なんでかって?分かるだろ。下手に止めたら僕に飛び火する。


「「和(様)、どっちが上か決めて(下さいませ)!!」」


ほら、こんな風にね?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…こんな感じでいいかしら?」


寮に備え付けてあるキッチンにて、お弁当の出来を確認する。


味付けは和の好みに合わせてあるし、彼の好きな肉系を数種類入れた。野菜も忘れず、彩りを添えてある。


このお弁当に、死角はない!


「Kanade?|Schon fertig《もう終わった》?」


寮母さんが呼び掛けてくる。


彼女はいい人だ。材料も、器具も使っていいと快く了承してくれた。


笑顔の彼女にお礼を言いつつ、お弁当を包む。


「…|Bist du ein Freund?《彼氏君にかい?》」


その作業を見ていた彼女にそう言われ、ドキッとする。


「Hahaha!!|Du musst es nicht verstecken《隠さなくてもいいのよ》!!|Das verstehe ich sehr《それくらい分かるわ》!」


笑いながらそう言われ、内心むっとしてしまう。


だが彼女は、


「|Alles klar. Ich bin mir sicher, dass es gut funktioniert. Ich werde garantieren《大丈夫、きっと上手くいくわ。私が保証してあげる。》」


優しく撫でながら、そう言ってくれた。


その言葉で、内心抱えていた不安なんか吹き飛んでしまった。


「|Außerdem war mein Mann auf ähnliche Weise eifersüchtig! !《それに私の旦那も、似たような手段で堕としたからね!!》」


その言葉に思わず笑ってしまったが、元気が出た。


二人でひとしきり笑ったあと。私は、


「|Danke, Schlafsaal《ありがとう、寮母さん》」


彼女は満足そうに頷いた。

手抜きはないと断言致します。

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