っていう回とかって何で始めたんだろうねって自分でもよくわからなくなってきてるけどとりあえず別動隊の回(多分次回は別ヒロイン視点)
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和とアンジュがイチャついてる時から、時間はほんの少しだけ遡る。
「とは言っても…当てはあるの?」
「お任せください。お嬢様は和様を連れられて、既にお屋敷に戻られてますから。」
腕時計を見、眠らされてから相当時間が経ってしまっていた事を確認したアイナは眉を潜めた。
「…アンジュ…中々抜け目ない。結局のところ私たちは、彼女の執念を甘く見ていた」
「全くね。というか…そもそも何でアンジュのメイドなのにアンリが残されてるの?まさか置いてかれたとか?」
皮肉を混ぜた言葉をアンリに投げ掛けてみる奏。
そんな奏に対し、アンリは肩をすくめて見せた。
「そのまさかです、お二方。この場に無防備な状態で年ごろの女性を二人も取り残して行くと言うのは危険だと言うことでしたので。まぁ、それ以外にも個人的な理由はありますけど」
実のところ、この場に残っている彼女の心境はそれはもう穏やかではなかった。
できることなら眠らされてる二人を置いてアンジュの元へ駆け付けたい。あの唐変木を刻んでやりたい…そんなことを考えながら奏とアイナが起きるのを待っていたのだ。
そんな彼女の目を見てそれらのことを察した奏とアイナはとても微妙な表情になる。
何とも素直には喜べない、というか素直に引いている。
が、利害は一致している。
その事実だけで十分であるとばかりに、三人はアンジュの屋敷に向かうためその一歩を踏み出した。
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平静を装ってはいたが、お二方には私の中にある怒りに気づいてはいるようであった。
私のコレを怒り…というのは、違うかもしれない。
この感情は嫉妬と言うものだろう。
私はお嬢様と共に育ってきた。
それこそお嬢様が赤ん坊の頃も知っている。
だと言うのに…あの男はお嬢様からこれ以上ないほどの愛を拒んでいる節さえある。
そんな男にお嬢様を差し出せるか?
否だ。断じて否。
命令とはいえこの場に足止めされたのは、お嬢様も私の気持ちを察していたのかもしれない。
そうでなければ私は既に全力であの男を止めている。
「それで、どうやってここから帰るわけ?」
すっかり暗くなってしまった店の外で、奏様は私にそう聞いてくる。
遅い時間とあってかあまり周囲に人はいない。
軽く首を傾げながら、アイナ様が続ける。
「…先を急がなくちゃ。エルジュは?」
「あのヘリコプターならお嬢様が和様を連れていくときにお乗りになられて行きました。空路は使えません。…ですが…」
こうなった時のため、近くに車両を手配してある。
それを伝えると、奏が鼻を鳴らしながら皮肉げに笑う。
「ふぅん。随分と用意がいいのね。ということは?あなたもこのことについては知っていたと?まぁ、今さら別にどーでもいいけどね」
起きてからというもの、奏様はどうにも挑発的だ。
それだけ腹が立っているということか?
しかし、奏だけではなくアイナからも静かな怒気が漂ってきている。
それは私に対するモノか、それとも…。
…もしその怒りがお嬢様に向けられたもので、害のあるものだとしたならば…私はそれを全力で阻止しよう。
とりあえず和様は後で死刑にすることにするがとりあえず誰も責めず止めない事を祈るばかりだ。
その頃、未だ眠っていた和が突然の殺気に身震いしたことは………傍らで見つめ続けていたアンジュしか知らない。
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