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さすがに拉致られすぎだよなって思い始める回

あぁー!やっと書き終わった!!いつもより長いっす!!出来は中々だと思うっす!!


願わくば!!ブックマーク及び感想とポイント評価!!


応援のほどを!よろしくお願いします!!

和様。覚えていますか?


あの日、私は救われました。


あなたが、支えになってくれました。


だから、今の私がここにいる。


あなたと離ればなれになると知ったときは、一晩中泣きました。


悲しくて悲しくて、あなたを連れ去ってしまおうとも考えました。


でも、気づいたんです。


でも、あなたと私には「繋がり」があるって。


アイナさんや奏さんなんかよりも強い、繋がりが。


だから大丈夫。


あなたはずっとワタシノモノ。


ずっと甘やかして、ドロドロに溶けあう。


それが、愛するということだと思うのです。


いえ、愛なんて安っぽい言葉ではとても言い表せません。


口で伝えるより、身体で伝えることにします。


だから、もう少し待っててくださいませ。


あなたはもう 私のモノなのですから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

眠る、という感覚。


それは、粘性を持った水の中に絡め取られるような…そんな感覚。


僕は、この感覚がわりと好きだ。


まぁそれも…こんな状況じゃなければだが。


「……ん……ここは……」


目を覚ますと、薄暗い部屋だった。その部屋に唯一あるベッドの上に寝かされていたらしい。


…さっきまで他の三人と一緒だった筈なのだが、今は僕一人しかいない。


明らかに非常事態ではあるものの、原因は分かっている。アンジュが酒に何か入れてたのだろう。


いや、まぁ変だなとは思ったけどさ。


少し、頭が痛い。


「…あー、もう。ここまでするとは全く思ってなかったなぁ…」


本当ならもっと慌てなくてはならないのかもしれないのだろうが…相手はあのアンジュだ。


さすがに手荒なことはしないだろう。


恐らくだが、アイナと奏も同じように薬を盛られたのではないだろうか?


あの二人なら、この状況を許さないはず。


それならアンジュは邪魔されなように隔離するだろう。


しかし、アンジュは立場上二人に危害は加えられない。


同じ学校だし、仮にも友人だ。


そこまで手荒には…しないだろう。うん。


だから大丈夫。


ここを乗り切ればなんとかなる。


…そんなことを考えてたら、頭痛が増したような気がした。


じわじわとした痛みが、次第に強く響いてくる。


…呑気と思われるかも知れないが…少し、眠ろう。


今ここには僕一人。この静かな部屋に彼女が入ってきたら流石に分かるだろうし。


アンジュが何をしでかすか分からないのが滅茶苦茶怖いが。


胸に大きな不安を抱えつつ、僕は眠りに落ちる。


深い水底に沈むように…。


暗い闇に、囚われるように…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


雨が、降っていた。


どこかで見た風景。記憶の奥底に、いつの間にか消えてしまっていたモノ。


なぜ、消えてしまっていたのかはわからない。


だけど、なぜか胸が痛む。


痛い。痛い。痛い。


苦しい。苦しい。苦しい。


視点がとても低いことから、子供の頃の夢だと分かった。


一人で寂しく歩く僕の胸には、形容しがたい叫びで張り裂けそうだった。


なぜ。どうして。なんで僕だけ。


前を見ているようで見ていない僕の瞳。


何処かを目指してさ迷う体。


しばらくして僕は、1つの公園へと入っていった。


よく――――と一緒に遊びに来た公園。


今は、僕以外誰もいない。


そこでまた僕は泣きそうになる。


ふと、気づく。すぐには気づかなかったが、一人だけ先客がいた。


片隅で蹲っている女の子。からだ中泥と水でぐちゃぐちゃで、キレイな髪の毛も汚れてしまっている。


静かに、その子の元へと近づいていく。


見れば見るほど、キレイな髪をした子だった。


―――なぜ、この子は泣いているのだろうか。


汚れているとはいえ、服も良いものだとわかる。


それを見て僕は彼女が、どこかのお姫様だと思った。


声を掛けるのを一瞬躊躇ってしまう程の美しさ。


顔は伏せられていて、その表情は見えないのに僕は彼女に見とれていたのだ。


そして僕は勇気をだして…


「…ねぇ、君。大丈夫?」


そして彼女は顔を上げた―――


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


意識が急速に浮上する。


忘れていたことを思い出したその衝撃と、現実世界で誰かの気配を間近に感じたことの衝撃で、だ。


「―――あら、和様。もう起きてしまわれましたの?」


「………アンジュ………」


僕に馬乗りになったアンジュが、妖艶な目をしながら下着姿でそこにいた。


「さ、始めましょう和様。夜はまだまだ長いのですから」


…僕は少し、覚悟を決めなければならないようだな。


僕のために、なにより、彼女のためにも―――。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「………ううん………はっ!?ここは!!」


「……むぅ、奏。起きるの遅い。ずっと呼び掛けたり揺すったりしてあげてたのに」


「なによ、別に私悪くないでしょこれ!」


「…そんなことより。和が拐われた」


「…はぁ!?なにそれどういうことよ!てかどうするのよ!?手がかりは!?」


「…わからない。私たちをここに残して、どこかに行ったみたい。…アンジュ、策士」


「…それなら私にお任せを」


「ア、アンリ!?」


「…アンジュのメイドが、なんで?」


「これは私の望む所ではないからです。お嬢様は和様に執着していますが、このような結ばれ方では上手く行きはしないでしょう。だからこそ、です」


「…なるほど、あんたには当てがあるわけね」


「…それなら、利用しない手はない」


「「連れていきなさい、二人のところまで!」」



続く

さて!お嬢様ルートはもう少しで完結…するといいな!ちなみにbadエンドはあまり考えては居ませんが…需要あります?

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