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ヴルストっておいしいよねって賛同してくれる人どれくらいいるかなって回

急激に上昇したブクマ件数で満員電車の中なのにも関わらず変な咳が出てしまい周囲から変な目で見られました、私です。


やったぜぇええええええ!!有難うございます!有難うございます!!

「食事の美味しいお店でしたら、私にお任せください!!」


アンジュは元気にそう言った。


確かに、こっちに来たばかりの僕より、ずっとこっちに住んでいる彼女の方が詳しいだろう。


が、しかし。


「えー?アンジュに任せちゃって大丈夫なの?」


「…ここは私が選ぶべき…!!」


対抗心を燃やしているようで、三人の間で火花が散る。


周りの人たちの視線が痛いけど、止めようと思って止められる物ではない。


というか今僕はそれどころじゃなかった。


「わかっていますね?お嬢様に対して変な行動を1つでもしようとしてみなさい。ありとあらゆる手段と道具を用いて拷問と調教を施しその上で森に棲む狼の餌にしてやります。貴方はお嬢様のお側に居られることがどれだけ貴重で光栄なことなのかまるで理解されていない、愚鈍で無知蒙昧な貴方のために言っているのです。お嬢様に手を出すくらいなら他の二人に手を出した方が懸命ですよ。それなら私も手を汚さなくて済みますから。あぁ、いえ。貴方を始末できるという点ではむしろお嬢様の方に手を出して頂いても構いませんけどその場合ありとあらゆる手段と道具を(以下エンドレス)」


後ろから聞こえるメイドの呪詛を受け止めている僕に何かしろっていう方が酷っていうかなにこれ姿は見えないし気配もないのに声だけ聞こえるんだけど!?


さりげなく耳を塞いでも聞こえてくる怨嗟の声を極限まで無視して、まだ口喧嘩を続けている三人と歩いていくのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここですわ!!」


連れてこられた場所は、とても大きいレストランの前。中々洒落てて、高級感漂う作りになっている。


残念ながら、看板はドイツ語で書かれているので何の店かはわからないが。


「…あ、ここ、ヴルストがおいしいって評判のお店…」


「へぇー…アンジュ、いいとこ知ってるのね。さすが、伊達にお嬢様してないわ」


「伊達にってなんですか!伊達にって!!」


むぅ!と膨れるアンジュ。正直、可愛い。が、口には出さない。調子に乗るから。


「ヴルストって、ドイツのソーセージのことだよね?日本では売ってたことには売ってたけどあまり馴染みはなかったなあ」


「和様!ここのは他のお店とは違ってとーっても美味しくて有名なのですわ!連日満席なんて当たり前ですのよ!」


「…というか、アンジュ。ここ、あなたの家の系列でしょ。それは、ズルい…」


さすが大企業。飲食業までやってるとは。


アイナの言葉に、鼻を鳴らしながらどや顔を決めるアンジュ。


「おいしいのは事実ですもの!きっと、貴女達も気に入りますわよ?」


「…まぁ、嫌いじゃないけど…」


「私も、ヴルストは好きだから異議なーし」


「そ・れ・な・ら!決まりですわね!さあさ、お入りくださいまし!」


僕とアイナ、奏はアンジュに急かされるようにして店に入っていった。


だから、気がつかなかった。



「フフッ」


怪しく笑む、アンジュの姿に。



メイドが冥土で病みが闇になってしまっている気がする。

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