翌日っ!!
久々の更新
あの状況にも関わらず、僕は眠ってしまったようだ。
目が覚めると、いつの間にかベッドに横になって、毛布まで掛けられていた。
起き上がって見回してみるに、彼女たちももう起き出しているようだ。僕以外に誰もいない。
なんていうか、こう、アンジュがいないだけで凄く静かに感じるな。
目を瞑って感慨に耽る。
ほーんの少ししか経っていないのに、長い時間彼女と過ごしてきたような感覚にいる。
…彼女は僕のことを昔から知っている風だったけど、それもあるのかな?
僕の記憶に、彼女らしき姿はない。
アイナだってそうだ。あんな子が身近にいたら記憶に残らない筈がない。
奏は…うん。小学生の頃バチバチ闘りあった仲だ。流石に忘れない。
当時は男っぽい格好しかしてなかったから女の子なんて微塵も思わなかったけどね!
…いや、待てよ。彼女、奏と鍛練していたのは小学校低学年の頃からだ。
…その前は?
もっと幼い頃は?
…うん。覚えてない。
というか、1つくらいは幼少の頃の思い出があっても良いはずだけど、それもない。
…んん~…?
まるで霧がかかったかのように、思い出せない。
………すんごい違和感。
僕は、小さい頃はどんなんだったっけ?
分からない。
が、なんとなく、朧気だけど…アンジュやアイナとは別に女の子が居たような、居なかったような。
意識の奥底へ、潜っていく。そして。
ーーーごめんね、和ーーー
…そんな声が、聞こえた気がした。
…彼女は、誰だ?
そのとき。
バァンッ!!と、扉が勢いよく開いてアンジュ達三人が雪崩れ込んできた。
「和様!!朝食の準備ができましたわ!!」
「アンジュあんたっ!!抜け駆けすんなって言ったでしょ!!和!ご飯よ!寝てないで早く起きなさい!!」
「…二人は五月蝿い。和が困る。ほら、和。ひっくり返ってないではやく起きる。ご飯。」
ひっくり返ってるのは君たちのせいなんですけどね?
思考の海に潜っていたところを強制的に引き戻された僕は、びっくりしすぎてベッドに逆戻りしてしまった。勘弁してくれ。
「あー、はいはい。朝ごはんね。今着替えるから待っててくれよ。」
「お早めにお願いしますわね?なにせ、今日は私が朝食を作りましたのよ!」
「ちょっ。私もつくったわよ!」
「…私も。」
…なんと。今日はこの三人が朝食を作ったと。
上着を脱ぎながら少し驚いた。
それなら早くいかなくちゃな。…というか。
「あの、何で見てるの?」
気にせず着替え始めた僕も僕だけど、上半身裸なのでジロジロ見られると相当落ち着かない。
「い、いえ…和様のお体が意外と、その…」
「随分逞しくなって…」
「…せくしー」
顔を赤らめて恥じらいでるとこ悪いけど出てってもらってよろしいでしょうかね?
朝から疲れるとか、全く勘弁してほしいと思う僕だった。…いつものことだけどね!!




