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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
序章~幻想入り~
8/75

就職編1/?

新章(笑)突入です!

寝起きの少年が見たのは自室の白い天井ではなく一面の鮮やかな赤であった。

 「どこだよここ……」

 喋りつつ起き上がるが返事を返す者は居ない。体に異常は無いがベッドから見た部屋に見覚えも無い。謎だ、監禁された訳ではなさそうだが──

 「わっ」

 少年に独り言を言う余裕が無くなんとなく出来上がっていた沈黙を、黒い機器が発する音に驚いた少女が壊す。この声には聞き覚えがあるぞ。

 「……何故俺のPSvitaを?」

 少年が起きた事に気付いた少女の顔にまた驚きが浮かぶ、しかしPSvitaを持ったまま直ぐに表情を戻し、告げる。

 「今から部屋を離れるけど、待機していて」

 少年からすれば指示を受ける筋合いは無いのだが何も分かっていないので変に動くのは危険だろう。それに少年は化け物を次々殺していく少女を鮮明に覚えている。これから何が起きようとも無傷で草原を出られたのだ。あれ以上ヤバい事は早々起きないだろうと思う少年は、少女によって危うく化け物に捕まりかけていた事や、空中で千切れかけていた事を知らない。

 少年は少女に持って行かれたPSvitaを心配しながらベッドに腰掛ける。落ち着いて見渡すと部屋の色は見事なまでの赤で染まっていて、第一印象としては少々珍妙に思える。

 「これからどうすっかねぇ……気になる事しかねぇや」

 あの少女はメイド服を着ていたし、コスプレでなければあの少女の主人が建てたのだろうか。とにかく今は何を考えても謎が謎を呼ぶだけで分かりそうもない。やがて独り言を言う気にもならず沈黙に耐えかねた少年は考える事を止めた。

 何も起きず温かな陽に照らされてうとうとし始めた少年の鼓膜をノックが叩いた。ずっと代わり映えしなかった扉が開き、少年の正面に足音が響く。

 「お前、何処から来た?」

 少女を三歩後ろに従えて、幼さを感じさせる声で話し掛けて来た者は全身を赤系統の配色のドレスに身を包んでいて、見るからにカリスマが感じられるものの、声の通り年端もいかぬ幼女であり、背には悪魔の様な、間違えなく幼女に付いている筈のない羽が確認できた。その見た目から新たな情報を求め少年はじろじろと幼女を見る。

 「何故答えないの」

 予想とは違う幼女の尊大な態度に少々焦りながら答える。

 「はいっ、日本の熊本から来ました」

 「クマモト?それって何処のこと?咲夜分かる?」

 「申し訳ありませんお嬢様、存じておりません」

 やはりあの幼女が少女の主人なのか、熊本を知らないらしい幼女が尊大な態度を崩さず少女に聞いている。それにしても疑問は尽きないようでまた幼女からの質問が飛ぶ。

 「名前は?」

 「石橋と言います」

 「歳は?」

 「六月に十八になります」

 「ふぅん、どうでも良いわね」

 なら聞くなよ、と思うが口に出す勇気は少年には無い。

 「こっちに来たばかりで何もわからないでしょう、質問するだけではあれだし何か質問は無い?、一応答えてあげるわ」

 いったい何から聞けば良いのか、ジリジリとした緊張した空気感の中数秒間たっぷり迷ったがとにかく今聞きたい事を優先させる事に決めた。

 「ここってどこなんですか」

 「幻想郷にある紅魔館よ」

 「あなた方の名前は?」

 「私はレミリア・スカーレット、こっちは咲夜」

 異世界感丸出しの横文字の名前だ。まぁ貴族の様な部屋の内装からこれは予想が付いたが。

 「何故ここに連れて来たんですか」

 「それはね……この館で執事を雇うためよ」

やっと紅魔館だせましたぁ、閲覧有難うございました!

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