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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
72/75

オワリハジマリ編2/?

いつの間に総合pvが8000を突破したんですかー!?前回確かめた時点では5000ぐらいだったと思うんですけど!?。

──珍しい来訪に気付いたのは三杯目の紅茶の時だった。

 「お嬢様、お客様です」

 はて、今日は何の約束も取り決めて無いのだが。まぁこういった場合は大体面倒くさい厄介事が転がり込んでくるのだ、例えばいつもは寝てばっかりのスキマ妖怪が『紅茶ばかりでよく飽きないわね』なんて……。

 「ごきげんようお嬢さん、いつも紅茶ばかりでよく飽きないわね」

 振り返れば居た、胡散臭くて面倒くさい厄介事が。運命なぞ見なくともこの手の嫌な予感は嫌に当たるものである。

 「あんたが直々にとは珍しい、幻想郷の危機か何か?」

 「まぁそんなとこかしら、隣、失礼するわよ」

 そう言うと紫は一つだけ空いていた椅子に腰を降ろした。

 「お連れの方は?」

 「あぁ、別に大丈夫よ、話はそう長くならないし──ほら、執事さん?紅茶をお願いできるかしら?」

 「か、かしこまりました」

 石橋は日頃から血色が悪いのだが、今日はいつもに増して顔色が悪かった。大方紫にちょっかいを出されたのだろう、そう深刻なものではあるまい。

 「人払いも出来たし、本題に入ろうかしらね」

 一息吐いて気を引き締めた。さて、今回はどんな話が飛び出すのか。

 「話ってのは彼の事よ、彼の能力について」

 石橋の能力──確か『想造する程度の能力』だったか。多少便利なだけのなんて事無い能力ではないか、わざわざ改めて話す事も無いだろうに。

 「まぁ、好きな時に好きな物を出せるというのは便利そうだけどね、それがどうかした?」

 それを聞いて紫は露骨に面倒くさそうな顔をした、面倒なのはお前だろと言いたくて仕方がない。しかしこんなしょうもない事でやりあえる相手じゃないのも事実、ここは内心を押さえ付けて話に戻る。

 「その程度の認知だったとはね……呆れた」

 「えぇ?」

 私が見たのはその様な場合だけだったが……別の側面が有るというのか。

 「彼の能力は考えを具現化できるって能力、物を造る事なんか初歩の初歩に過ぎないわ、人間の、いや、彼の想像の及ぶ事全てが現実と化すの、ちょっと考えただけで天地を好きな様に弄び、命を消し、世界を滅ぼす事のできる無二の力よ」

 大体、そうだとして紫はどこでそれを知ったのだろう。本人の主人である私でさえ思いもよらなかったことなのだが。

 「で、仮にそうだとして、何であんたがそんな事を知っているのかしら?」

 「彼を見張ってた、初めて会った時からね」

 何と周到な、というよりその執念に驚くばかりだ。手掛かりの無い中ピンポイントで石橋に目を付けたというならその勘にも驚かねばなるまい。全く、底知れない妖怪である。

 「大した勘ね、驚くを通り越して呆れるわ」

 その時はまだ石橋は人間と同じぐらいの少量の魔力しか無かった筈だ。能力は基本的に自己申告制、虚偽の申告だって当然可能。

 「何で見張ろうと思ったのよ、あの時はって、まぁ今もだけど、あいつは普通の人間の男と特に変わらないわよ?私が連れて来たりして多少目立ったってだけで」

 紫はまたも大きなため息を漏らす、人前でかくも堂々とため息ばかり吐けるのにも驚いた方が良いんだろうか。本人にその気が有るかはともかく、お客様と呼ばれた以上お客様と呼ばれるに値する最低限の礼節は示して欲しいものだ。親しき仲にも礼儀あり、仲が良くなければ尚更だろう。

 「貴女ねぇ……彼の魔力を感じて正常だと思う方が無理な話よ、異質過ぎる」

 だがこの世に同じ魔力は有り得ない、異質で当然。少し考えれば分かるだろうに。

 「でも魔力は本質的に同じものは存在しない、異質で当然でしょ?」

 「それを差し引いてもよ、そうでなくとも彼の能力の発動を見れば誰でも不審に思うわよ」

 発動か、確か想像する事自体がトリガーだった筈だ。当初は暴発の機会も多かったのだが……発動をしっかり確認した事は無いな、何せ物が造り出されるのは一瞬の事であったし気付いたら石橋の魔力が減っていたとしか言えない。

 「明確に発動した瞬間ってのは観測した事無いかしらね……?」

 「……まぁ、貴女の無用心っぷりは置いとくとして、彼は物を造る時に魔力をイメージ通りに配置してそれを置き換えてるの、例えば──じゃあコップを造るとしましょう、そうだとしたら、魔力をコップ状に出力すればそれがそのまま実物になっているって感じかしら」

 魔力をまんま置き換えてるという訳か、だとしたらあの魔力消費にも納得だが……。

 「だとしたら速すぎないかしら」

 「私が言ったのはあくまでも仕組みの話よ、あれは全てが彼のイメージに依存してるんだから感知するのは無理じゃない?理解位なら出来てもね」

 そうか、聞けば聞く程に凄まじい能力だ。今の所は真面目に仕えてくれているし心配は無いだろうが。

 「それにね、彼は既に事象の具現化に成功しているのよ、何故あの時執事服のみ斬られた様に破れていたか分かる?斬られた後に彼は自らの傷を癒したの、跡形も無く、大分深い切り傷だったと思うのだけどね」

 それは単純にそういうイメージに依るものだろうか、それとも失った血液や皮膚を補ったとか?咲夜の事ばかりで疑問には思わなかった。

 「そして彼はこの力を使って二人を殺害した、随分悪質で猟奇的なものだったわ」

 「クアロの差し金……?」

 「そうみたいね、兄弟で傭兵みたいな事をしていたらしいけど、兄はバラバラに、弟は兄の肉体を散々食べさせられた挙げ句首を斬られた……、正気の沙汰じゃ無いわね」

 一瞬何を言われたのか分からなかった、石橋が?そんな馬鹿な、言葉が出ない──何故?どうしてそこまで?何が原因だったの?現世であいつに何か?──。

 「いい感じに困惑した?彼の異常性も分かって貰えただろうし、今度は私の目的についてだけど、非常な力を持った異常な彼を──適切に処理する、今日の目的はこれ、協力して貰えるかしら」

 ……なるほど、理解はできる。確かに我が身可愛さでは済まない問題で、それこそ世界規模の問題だ。解決策も非常にシンプル、原因を取り除くだけ。なのに。

 「納……得できないわね、第一、あいつは幻想郷を好いてる、滅ぼそうなんて考えないわよ」

 「何と甘い……、貴女は分かってない、分かってないわ、分かってないのよ!」

 紫はテーブルを拳で強く叩き、勢い良く立ち上がった。

いやぁ~驚きましたねぇ、でも驚いてるぐらいなら続きを書かないと!。せめて前のペースぐらいでは出したいのでね、はい、頑張ります!。それでは、閲覧ありがとうございました。

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