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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
68/75

再起編5/?

ちょっと遅れちゃいましたね……許し((殴

それに少しばかし短いですかねぇ……

※追記です、総合アクセスが5000を越えましたぁぁぁぁ!!

なのに最近のこの体たらく……どうにかせねば……!

それでもあの人は、掠れた声でぽつりぽつりと願いを語った。霊夢は大きく頷き、魔理沙は微かに笑みを浮かべる。それだけで少しだけ場の雰囲気が和んだ──かもしれない。

 「ほら、咲夜もああ言ってることだし、与えてあげれば良いじゃない、何でもない日常って奴を、それに関してはあんた以上の適任は居ないわよ」

 その言葉でお嬢様はゆっくりと顔を上げた、ついつい凝視してしまう。気高き吸血鬼の泣き顔なんてそうそう見るチャンスは無いだろうし。出来るならこれ一度っきりにしたい。

 「 許して……くれるの……?」

 お嬢様の視線があの人に注がれ──。

 「許して……下さいますか……?」

 あの人もまた視線をぶつけ、視線が交錯する。俺にはそれが絆が再築された瞬間にしか見えなかった。こういうシーンはちょっとだけ羨ましいかも。

 「おいで──『咲夜』」

 今なお流れ続ける涙を拭おうともしない二人、お嬢様から発せられた凛とした声に導かれ咲夜さんはふらつきながら歩み寄る。頬を離れた涙が絨毯に染みを作っても構うことは無い。

 そして二人の距離はもはや数メートルまで縮まり、咲夜さんはそこで躊躇する様に立ち止まる。恐らく俺、魔理沙、霊夢は同じように疑問を持った筈だ、この状態のどこにそんな事をする理由が有るんだ!?と。だが、どうやらそんな杞憂はお嬢様には通用しなかった。

 立ち止まった咲夜さんをお嬢様が思い切り抱き寄せる。咲夜さんの華奢な背からすると、折れてしまうのではないかという、別の心配が浮き上がる程強く──愛を込めて。

 これには観客と化した俺ら三人にも「やれやれだぜ」って感じのにやついた笑みが現れる。しかし、それもつかの間の事、霊夢は音と気配を消し、これまた音を発てないように扉を開けて出ていった。魔理沙もそれに習い部屋を出る。一瞬どうしようかと迷ったが、抱き合う二人を見ていると気の回らない俺でも二人きりにするべきだと思えた。

 結局俺は終始場違いな関係者に過ぎなかったということだ。細心の注意を払って扉を開け、するりと廊下に出て扉を閉めた、元執事長はクールに去るぜ。それでもちょっとだけ感傷に浸って、二人を追う。

 二人は足早に歩いていただけなのですぐに追い付けた。魔理沙の横に付くと怪訝そうな顔をされる、そこに含まれた意味は分からず、取り敢えず付いていった。二人が足を止めたのはエントランス。

 「何でお前が出てきたんだぜ?別に居ても良かっただろ?」

 「いや、さすがの俺もあれは空気読みますよ」

 やはり気を遣って出た訳か、俺も従っておいて正解だったな。

 「あー、これで異変解決ね、異変と呼ぶには些か規模が小さいけれど」

 「いやいや、あいつらの仲違いなんて立派な異変もんだろ、今までにそんな傾向は見えなかったしな」

 俺が来る以前も変わらず仲が良かった訳か、なんて変なタイミングで雇われたんだ。

 「さてと──これからどうしようかな?正直なところ帰って寝るってのは気に食わねぇし、第一眠気も無い、って事で神社行こうぜ?」

 「仕方ないわね、まぁ私も眠く無いし、別に良いけど」

 うーむ、俺も付いていきたい。少々の夜更かし程度で明日の業務に支障が出るとも思えないしなぁ、決定!。

 「あのっ!俺も一緒に行きたいんですけど、良いですか?」

 「え?あんたも来るの?何で?」

 真顔で聞かれても困る。

 「あんなシーン見た後に、俺はどういう顔すれば良いんですか?ちょっとばかし見当が付かないと言うか……気まずく無い?と言うか……」

 「あぁ……分からないでも無いような気がする」

閲覧有難うございました、もう少しちゃんとせねば……。

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