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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
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再起編2/?

文章力ェ……

急に浮遊感が無くなり、地面までの距離も変わらなくなった。一体何が起こっているのやら。そう思って音源の方を向いた。

 「何でお前ら抱きついてるんだ?」

 「ほんとほんと、まだ春だけど暑苦しいわよ、いい加減離れたら?」

 逆さまの霊夢と魔理沙が俺達を抱え込んでいる、死ななくても良くなったみたいだな。

 「何でここが分かったんですか!?」

 結構重要な質問だと思って言ったが、霊夢は気だるそうに、魔理沙はウキウキした様子で教えてくれた。

 「紅魔館の小悪魔達に頼まれてね」

 「そうそうっ、それで森を捜してー、お前が山賊と斬り合ってる所を見つけてー、上空から見守ってたって訳さっ」

 明らかにウキウキしたまま言う事では無い、それに何でウキウキしているんだか。

 「何で助けてくれなかったのですか!?危うく死にかけた──と言うかほとんど死んでましたよ俺!」

 「まぁまぁ、落ち着いて、積もる話は地上でやろうぜ──ここは湿り気が多くていやだ」

 見事に矛先をずらされてしまった、まぁ何時までも穴の中に甘んじる、というのも大分危険ではある。もう死ぬ必要も無いからな。

 「えーっと……石橋だっけ?まぁそいつはあんたが箒に乗せなさいよ、私咲夜担ぐから」

 「了解、じゃ、こんな場所からはさっさとおさらばしようぜっ!」

 荷物の交換を果たした二人は空を目指し高度を上げる、いきなりのトップスピードに引き剥がされそうになるも、必死にしがみついて耐える。彼女は大丈夫か!?ただ担がれているだけなら相当危険な状態にあるんじゃ──と思ったが霊夢が抱き抱える様にしていた為大丈夫だろう。謎の安心感。

 しばらく経って顔を上げて見たら、俺達の遥か先に一粒の光が。

 「ラストスパートだー!」

 それを確認した魔理沙は更に速度を上げる、霊夢ですら着いてくるのがやっとのようだ。顔にえげつない圧力を受けることになるが、俺はなんとなく前を向いたままでいた。さっきよりも勢いを増して光が大きくなる、やがて光は俺達の目の前に──。

 「いやっほーう♪」

 歓声を挙げ、猛烈な風を巻き起こして夜空に舞う。えらく久々な気がする。やっぱり只の暗闇より夜闇の方が素敵だ。

 「あっ、すいません、一旦その辺に降ろしてもらっても良いですか?忘れ物があるので」

 「分かった」

 承諾を経て急降下、地に足を着ける。お目当ての忘れ物は以前と同じ位置に収まっており、発見するのに時間は掛からなかった。

 「忘れ物って言うのは?」

 「相棒です、別にこいつを地下に捨てるつもりは無かったので置いてたんですよ」

 魔理沙は「あぁ、成る程」と呟いて箒から降りた、霊夢の方もゆっくり降りて来ている。

 「ねぇ魔理沙、急ぎすぎじゃない?そんなに急いでどうするのよ」

 こいついつも呆れてんな、まぁ魔理沙の急ぎ様については一理あるが。

 「悪い悪い、ちょっとばかしテンション上がってるんだ」

 そうは言ってもあんまり悪びれた様子は無い。

 「さて、これからどうする?一先ずは咲夜を安全な場所に運ぼうと思うけど」

 「じゃあ紅魔館だな、ちゃっちゃと行こうぜ」

 その名を聞いた彼女は元々悪い顔色を更に悪化させた。

 「帰りたく無いの?」

 これを受けて彼女は深々と項垂れる。困ったな……。

 「咲夜が帰りたく無いなら──どうする?神社行くか?」

 確かに一度休憩を挟んだ方が良いかもしれない。しかし、この問題を解決する手段としては根本と向き合う必要が有る。

 「いえ──紅魔館に向かいましょう、それしかありません」

 彼女は懇願するようにこちらを見上げ、その視線に気付いた魔理沙は言う。

 「──本当に良いのか?嫌がってるみたいだけど……」

 「今更ですよ、いいですか?お嬢様を我々三人で説得するのです、大丈夫、きっと出来ます、それにぶっちゃけ貴女方二人ならお嬢様相手に実力行使と言うのも充分視野に入れられるでしょう?」

 「うーん……それはそうかもだけど……おしっ、分かった、覚悟決めようぜ」

閲覧有難うございました

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