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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
62/75

連続死編4/?

あっ、サブタイトル変えました。

書き留めている時に気付いたのですが、これは再起までやると纏まりが悪くなるなぁと。

なので変えさせて頂きました。

ネーミングセンスェ……(再三)。

「話は聞いてくれんのね、じゃ、そのギラついた剣で殺ってみろよ」

 奴は無言で剣を構える、言わずもがなって感じだ、殺気が全面に出ている。しかし、俺がわざとらしく、ゆっくり触手を展開すると、奴の殺気は少し揺らいだ。まぁ分かるけど。

 「なんだその触手は……?に、人間じゃ無かったのか?」

 ビビってる、ビビってる♪そっちから吹っ掛けといて情けないなぁ。それでも恐怖に打ち克ったのか、奴は摺り足で距離を縮めてくる。牛歩戦術かな?みたいにボケてみようとも思ったがここは少し格好良く決めようか。

 「さぁ、来いよ三流、格の違いを──って奴だぜ」

 「──うおおおおおお!!」

 俺の挑発に応じて、奴は走り出す。剣を滅茶苦茶に構えたままに。素人丸出しではあるが油断はしない。

 「死ねっ!!」

 奴の全身全霊の一撃を触手で挟み込んで止める、真剣白刃取りだ。奴は触手を外そうと必死になってもがく、しかしながら力を込めた触手は微動だにしない。

 こうなれば後はこっちのものだ。奴のきらびやかな剣の最も輝かしい部分──巨大な紅玉の埋まった鍔を見据える。そこに斜めに差し込む為に相棒の位置を微調整、狙うは剣の破壊。技術的に壊せない事を考慮し、先に筋力を増強して集中する。

 「砕けろ!」

 俺の渾身の一撃は想定した角度通りに鍔に放たれた。紅玉は粉々に砕け、金製の鍔も衝撃に耐えきれず破片を飛び散らせる。そして衝撃はそれだけでは飽き足らず刀身に走ってヒビを残し──すぐに刀身の瓦解が始まった。俺の魔力の何割かを持っていき、腕に激痛がもたらされたが、その価値は有っただろう。

 「おっ、俺の剣が!?」

 「装飾過剰な剣は脆い、あの黒の剣士の言うとおりだな、アニメ見といて良かったぁ」

 まぁその剣士みたく技術で壊した訳じゃなく増強によるところが多いとは思うが。

 「んで、どうする?」

 奴は力無く座りこんでしまっているし、ろくに刃の残っていないその剣でまともに戦えるとは思えない。もうトドメでいいのか?。

 「まだだ……!まだ、終わって無い」

 無力な剣を向け、奴は立ち上がる。不屈の精神と言えば聞こえは良いが鬱陶しいだけだ。

 「手間かかるねぇ、はよ帰りたいだけど、ねぇ、咲夜さん?」

 同意を求め、俺は咲夜さんの居る筈の方向を向いた、視線がさ迷い、空を切る。

 「おい、咲夜さんどこ行ったか知ってる?」

 「……何処に行ったも何も無いだろう、咲夜ならそこに……」

 視線を如何に滑らせようとも姿は無い。お互いに顔を見合せ顔色の悪化と状況の悪化を伝えあう。そして沈黙が場を充たす。

 「「咲夜(さん)が居ない……!?」」

本末転倒な事甚だしいじゃないか、なんて間抜けな話だ!。もう争っている暇は無い。

 「一旦休戦だ、咲夜さんの捜索を優先する!」

 「仕方ないな、決着は後だ!」

 一瞬、こいつまだ諦めて無いのか、と呆れる。しかしそんな些細な事に気を取られる訳にはいかない。今の状況は最悪の運命に最も近い、その運命での咲夜さんが身を投げた大穴が近くにあるのか、はたまたそうではないのか。それは分からないがとにかく見付けなくては。

 最初で最後の俺とクアロの共同戦線による捜索が始まった。

閲覧有難うございました

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