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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
59/75

連続死編1/?

何時にも増して文章が酷いです……

(こんなのっぺりとした戦闘シーン初めて見た、初めてが自分の文だった……)

戦闘シーン苦手かもですね、上手くならないかな、突然スパッと。

「死に晒せやぁ!」

 「ざっけんなっ!」

 妖多き魔性の森で二つの刃がそれぞれの主の命を奪おうと躍起になって輝く、片方は刃こぼれした斧、もう片方は細身の刀。それらは異様な雰囲気を撒き散らし、少しも休まずに輝き続ける──。

 この百戦錬磨の俺はこの小僧思ったより出来る……!と思った、しかしそれも最初だけ、多分兄弟の方が強いだろう。そういう評価を下す事になったのも一重に一撃の軽さである。

 「ちゃんと飯食ってっかぁ?もやしっ子!」

 「うるせぇな……!」

 さっきから押し合いになるのを避けた速さだけの攻撃ばかりだ、拍子抜けである。俺は全ての攻撃を軽く凌いで、飛びかかって一撃、これを繰り返しているだけ。流石に欠伸がでそう。それに奴は俺の攻撃を絶対に受けない、それなりに余裕のある間合いでもすぐに飛び退いて避ける、とんだ腰抜けだぜ。このままでも退屈だしここいらで一つ試してみるか。

 奴の攻撃の中から真っ直ぐに振られたものを見抜き、最大限に下がった時に思いっきり踏みつける。すると奴の刀はしっかり地に差し込まれた。

 「もらったぁ!」

 「ちょっ、待てって、おい、危なっ!?」

 その際に渾身の横振りで殺しにいくが、寸での所で避けられる。諦めずに連撃を繰り出すもあえなく避けられてしまう、らちが明かないな。まぁ得物はこちらが抑えた、決着か。

 「ほれほれ、どうすんだぁ、まだやるか?あぁ?」

 「糞野郎ぉ……!相棒から離れろっ!」

 「相棒だぁ……?へっ──痛いな~お前」

 言う事は格好いいが行動が伴っちゃいねぇ、こっちが少し振って見せるだけで怯みやがる。そうだ、目の前でこの『相棒』とやらをへし折ってやるか、我ながら面白い事を考えるものだ、兄弟には怒られそうだがな。そう思い立ち奴の相棒を引き抜こうとした時──。

 「離れろっつってんのが分からんのかよ!」

 奴がこっちに手をかざしたと思うが速いか周りの木々を震わす、強力な突風に襲われた、油断したが為に身構える間も無く、女の元まで飛ばされる。訳が分からないが何とも空気の読めない風だ。あぁ、取り戻されてしまったではないか!──って感じで嘆いてみても良いが、どうせ奴が得物を取り戻した所でたかが知れている。それにここなら奴に対し最大級の効果を発揮する挑発が使えるだろう。もう少し楽しんでからでも良かったのだが、飽きも早そうだし。

 立ち上がった俺はおもむろに女の元に赴き──女の頬を舌全体を効果的に使い、舐めて、舐めて、舐めた。

 「戦いで疲れたときゃあ、やっぱり美人が一番効くな、お前みたいな小僧には惜しいぜ、大人の味ってのは良いもんだなぁ、あぁーうめえ!」

 「お前っ──殺す……!切り刻んで殺す!、バラバラにして殺す!、何はともあれ絶対に殺してやるよ……!!」

 やはり効果は抜群だ、全身から怒りが伝わって来る。しかしながらちょっとした激怒に依る力任せなんかで勝てる戦いは無い。今度はしっかり身構えて奴の全力を受け止める。全力でも大したことは無いのだが。

 「何だよ~あんなので発情したのか、純愛派は損するぜ?なぁ兄弟?」

 「何──」

 奴が振り返る、それでも兄弟の居合い切りを防ぐには及ばず。奴は背を逆袈裟に斬り裂かれ地に伏した。

 「はっはぁ!兄弟って名乗っといて一人だと思ったのか間抜けぇ」

 「そう言ってやりますな兄上、奴の動きを見るからにまるっきり素人でございます」

 いやぁ、木の上に待機していた兄弟に気付かないとは、注意力散漫、相手にもならなかったぜ。まぁ素人に対して免許皆伝の腕を遠慮無く振るう兄弟も兄弟だけどな。

 「それにしても、腕は落ちてねぇなぁ兄弟」

 「兄上はちと動きが単調になりましたな」

 容赦無いな、最近は用心棒の仕事を受けていなかったから、少々久しぶりの戦闘だったのだが……分かっていたか。

 「しかし兄上、この仕事幾らで受けたんです?某を呼ぶぐらいに難しいモノでは無いように感じられますが……?」

 「それがな、聞いて驚け!破格の三・千・万、なんだよ!こんな小僧を殺るだけで三千万だぜ!?そりゃ殺るしかないだろ?」

 「騙されて無ければ良いですけど……」

 いや、騙されてはいないだろう、俺に依頼しに来た時の坊っちゃんの目、あれを見れば分かる。あの目にはちゃんと覚悟が据わっていた、しっかりとした男の目であった。もしあれが演技だとしたらそれだけで、富豪と呼ばれる奴の財産分位は簡単に稼げるだろう、そう感じさせるに充分な気迫、鬼気迫る表情!……気付けば俺は一も二も無く引き受けていた。

 「そういえば兄弟、こいつは死んだのか?」

 「手応えは有りましたが……」

 三千万の為だ、一応確かめるか。そう思って血に沈む小僧に近寄る、すると微かに呼吸音が聞こえた。

 「こいつ生きていやがるぞ!?」

 「某の居合いを受けて死なないとは、その辺の下手な旅人よりかは強いですね」

 じゃあトドメを差さないとな。斧を大上段に構えた。すると──。

 「……待ってくれ、冥土の土産って奴でさ……教えてくれないか?、確認……なんだけど、お前、誰の依頼を受けたんだ?そして……そいつはここに来るのか?」

 死ぬ間際の頼みとは思えんな、答える必要は無いのは分かっているが──これはちょっとした手心だ。

 「欲張るじゃねぇか、まぁ冥土の土産位は弾んでやるよ、俺に依頼してきた坊っちゃんの名前はクアロ、女の引き渡しがあるから多分来るぜ」

 「そうか……じゃあこんな所で死んでる訳にはいかんな」

 そう言うと奴の体は血溜まりの中からスルッと浮き上がった、何をしたのかは分からないが血がべっとり付いている筈の奴の服は綺麗なままだ。というかまだそんな余力が残っていたのか!?。

閲覧有難うございました。はぁ……精進しなきゃ。

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