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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
56/75

激情編6/?

多分ここらへんから文章が安定しなくなってきますね。

「どう?分かったでしょ、どう足掻いてもお前向けの運命なんてありゃしないの」

 「希望は有りましたがね、という事で、咲夜さんは俺が連れ戻します」

 しかし。

 「えぇ!?自分の立場分かってんの!?お前に何が出来る!今出ていっても妖怪達の餌になるだけよ!」

 うえぇ……猛反対。予想通りだが堪えるなぁ、咲夜さんを見殺しになんか出来る訳無いのに。

 「大丈夫ですよ、僕には『創造』がありますから、魔力さえ保てば全て解決ですよ」

 「能力を持ったからって調子に乗るなよ……!お前は只の人間なんだぞ?」

 「それでは先輩の咲夜さんはどうでしょう?只の人間なのにお嬢様に尽くし続けたと存じておりますが」

 俺の調子に乗った言葉にお嬢様の苛つきも最高潮だ。もう殺気だってると言っても差し支えない。

 「屁理屈言うんじゃない!咲夜が特別なのはお前も知ってるだろう!?」

 「その『特別』に『普通』の幸せねぇ──っとこりゃ流石にまずいか」

 言い過ぎた気がする、能力を使って部屋に逃げよう。どうせ深夜の幻想郷は危険な訳だし、ついでに相棒を持ってお嬢様の元に戻る。するとお嬢様の怒りが数段飛ばしで上がった様に思える、舐めた真似をし過ぎたか。

 「その刀……どうしても行くんだな?だったら、私を倒してから行くがいい!」

 まさかリアルでこんなシーンを体験する事になるとは──幻想郷入りした時には思いもよらなかったなぁ、しかし懐古に浸ってる暇は無い。お嬢様の実力は幻想郷トップクラスだと聞くどう考えても最大の敵だ。

 「くっ……勝てる気せんわ!」

 それでも通してくれる訳では無いし、かといって立ち向かった所で瞬殺されるのは目に見えている。色々格好つけた割には呆気ないものだ、スタートから万事休すとは。

 「来ないのか?その程度で何を助けるつもりなんだ」

 ゆっくり、ゆっくりと距離を詰めて来るお嬢様。その姿にはもう怒りは感じられないが、明らかに死の予感がする、全細胞からあれに近付くなと──あれから逃げろと、震えにより教えられる。勿論教えられなくても分かっていた事だ、お嬢様が強い事ぐらい。しかし決意してしまった以上意思は進もうとする。肝心の肉体は震えるだけで一向に進みはしない、決意が無ければすごすごと逃げていることだろう。その食い違いが行動を阻害する、結果俺は冷や汗をかきながら無様に震えていた。

 「私は丸腰よ、その刀を振るうだけで良いでしょう?」

 お嬢様はそう言うが、吸血鬼の力が人間のそれを軽く凌駕していることを俺は知っている。お嬢様の言うとおりにしても、刀身を握られへし折られるか、軽々と避けた後の一撃で伸されるか、この二択しかなかろう。もう選択するしか無いか。

 「うわあぁぁぁぁぁぁ!」

 俺は奇声を挙げて突っ込む事を選んだ。走り寄ってお嬢様を射程距離に捉え、滅茶苦茶に相棒を振り回す。

 「言ってる事の割には醜いわね、呆れるわ」

 案の定、錯乱した俺の斬撃は掠りもしない、これは後者。きっとこの後お嬢様の一撃で俺の細やかな反抗は鎮圧されるのだろう。

 「これで終わりに──えっ?何よこれ!?」

 諦めがよぎっても尚、攻撃を止めず前進する俺に対しお嬢様は一歩後ろに大きく下がったのだが、お嬢様が着地した地点を囲う様に水が湧く。やがて水は球状に纏まりお嬢様を閉じ込める檻と化した。

 「はい、レミィ確保、これは消去法により石橋の勝ちね」

閲覧有難うございました。

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