激情編1/?
これぐらい安定した量にしたいんですけどねぇ……
きっと冗談だろう、きっとドッキリだろう。計り知れない程の忠誠でお嬢様に連れ添ってきた、紅魔館の住民全てを完璧に支えてきた、あの咲夜さんがクビ?。
「ちょっとレミリア!冗談でもやり過ぎよ!?」
霊夢がすぐに飛んできて咎めるも、お嬢様は一切動じない様に見える。
「そうだぜ!何があったんだよ、確かに咲夜もちょっとやり過ぎてたけどさ!そんな事でこんな酷い事言うなよ!」
原因である魔理沙も焦り気味に宥めにかかる、しかし今のお嬢様には何も届いていないだろう。
「まだ居たの?雨に打たれて……無様ね、目障りなのよ、早く消えなさいな」
お嬢様は止まらない、本気なのか。
「ごめんね皆、変な空気にしちゃって、私達はもう、帰るから……」
そう言って、お嬢様は振り返る。悲しそうな素振りは欠片も見せない、あくまでも無表情のまま、先生に帰還の準備を頼む。
「……した」
何か呟いて咲夜さんは立ち上がる。こんな所で終わりだなんて、無力な俺にも言葉はある、出来る事が有る、まだ間に合う筈だ……!。
「咲夜さんっ!!待ってください!俺はまだ──」
「これ以上は行かせないわ」
咲夜さんの元に駆け出そうする俺、しかし先生が放つ魔法が俺の行く手を阻む。先生の回りにはカラフルな結晶が浮いている、あれは賢者の石!?。それだけ先生も本気という事か。
「……先生、それは命令ですか」
「命令だし──お願いよ、レミィにも考えがあるの、邪魔しないであげて」
俺が食い止められている間にも咲夜さんはおぼつかない足取りで進む。そしてその姿が地平線に消えゆくまで見ている事しか出来なかった……また、何も出来なかった。
「ほら、帰るわよ」
そう言われても座り込んだまま、動く気になれず、咲夜さんを呑み込んだ地平線を眺め続けた。こんなに呆気なく絆は消えてしまうのか?たった一つのミスで?これではまるで──現世の様ではないか、幻想も何もあったものじゃない。と言っても今の俺には先生を押し退けて後を追う勇気も無い、どうしてこうなんだ……。
「どうしたの、置いてくわよ?」
俺の魔力では転送魔法は安定しない。それにしても──力が有ったら救えただろうか。信用が有れば救えただろうか、俺はどうすべきだったんだ。好きな人一人救えない俺は。
「いつまでそうしているの、いい加減置いてくわよ!……咲夜の事ならあなた一人の責任じゃない、気に病む位ならこの後の事を考えて、もうメイド長は居ないのだから……」
「はい、そうですね……」
俺はまだ咲夜さんの様に完璧では無い、他のメイド達との関係も悪いと言って差し支えない。でもやらなくては、立場というものがある。鈴君には負担を掛けるかも知れないな。
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