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紅魔の館の拾われ執事  作者: 夜に生きる中途半端
壱章~十六夜咲夜の消失~
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慣れと部下と首切り編6/?

去って行く咲夜さんを見送り、机に向かう、書くことは配慮が足りなかった事への謝罪とこれからの事だ。

 無論そんな事に十分も掛かる筈も無く、汚い文字でだが要旨は書き終わった。では次、咲夜さんの下まで行く事。時間的にもそんなに急がなくともどうにかなるが、ここは一つ贅沢をしようじゃないか。館内の魔力をまとめて探知し咲夜さんのものを捉える、そしてその側に降り立つ自分をしっかりイメージする。これで──

 「おわっ!?あんたどっから来たのよ!?」

 「すいませんお嬢様、あー、準備が出来ましたので」

 「そうなのね……もう」

 お嬢様が居るなんて露程も思っていなかった、しかし手間が省けたと言っても良いだろう。

 「何処から来たのよ……書き置きは済んだの?」

 「はい、手短に済ませておきました」

 部屋より顔を覗かせた咲夜さんも既に準備を終えた様子である、もう出発出来そうだ。

 「なんだ、皆準備は終わっているのね、私はまだだから少し待ってもらえる?」

 そう言って返答を待たずに飛んで行くお嬢様。そういえば宴会に参加する際にどんな準備が必要なんだ?咲夜さんの格好はいつも通りだし、何か手荷物がある風でも無い。まぁ適当に準備は済んだなんて言ってしまった手前、特別なものが必要だと言われても困るが。

 「ごめんごめん、それじゃあ行きましょうか、まだ少し早いけどね」

 戻って来たお嬢様を眺めても特段変わった様子は無い。

 「今回はどうやって行きますか?」

 「パチェはもう魔方陣を展開して待ってるわよ、多分ね」

 それからは特に意見も無く、問題も無く、図書室まで普通に歩いて向かう。

 「パチェー、今回も宜しくねー」

 「はい、出来てるわよー」

 床には特大サイズの魔方陣がひっそりと主人の指示を待っていた、前回と変わらずこの辺はやたらとスムーズだ。しかし何処からかドタバタと足音が聞こえる。誰だか知らないが邪魔されては堪らない、魔力を突き止めるか。そう思ってまた館内を探る──どうもこの魔力は覚えがあるぞ……。

閲覧有難うございました。


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