日常(非日常)編4/?
すいません、非常に(僕にとって)大切な事を書き忘れていました!
「おーい、石橋──って誰か居たの?」
階段から顔を覗かせるお嬢様、魔力を察知したとかだろうか。
「ルーミアと名乗る者が居ましたが……何かありましたか?」
お嬢様は聞くや否やルーミアが居た辺りに厳しい目線を向ける、力を大分溜めていたし案外残り香の様に残るものかも知れない、やはり気になるよな。
「奴にしては……まぁ気のせいでしょ、そうそう風呂入って無いよね?私は終わったから入っても良いわよ」
前半部分がちょっとばかし気になるが、しかし風呂の前には些細な事だ。──風呂、それは男の夢、一糸纏えぬ桃源郷。俺は楽園を拝む為命を投げ売った漢達の勇姿を幾つも見届けてきた……と言ってもその勇姿は全てフィクション上のものだったし漢達が目指していたものは風呂は風呂でも女風呂だが。
そうは言っても女子だらけのこの館、漢達にとっては夢としても俺には実際問題である。職場でのラッキースケベに夢も何も有ったもんじゃない、仮にメイド長にでも知られてしまえば昼間に添えられたナイフが今度は俺の首の無事を赦さないだろう。
「もう誰も風呂には入らないんですよね?」
意図を察し損ねた様で頭上に三点リーダーを浮かばせるお嬢様、再起動にはたっぷり六秒掛かった。
「ああ……そういうこと、基本的に私が最後よ、あなたが期待──あるいは危惧している様な事には残念だろうけどならないと思うわ」
その言い方には多少の悪意が有ったが真意は分かってくれた様で安心する、現世みたいに男子というだけで変態扱いされては堪らない。まぁ危険ではあるが入るしか無い──のだろうな、覚悟を決めよう、もしそうなっても直ぐに土下座の姿勢をとれる様に。
ちゃっちゃと部屋に戻り手頃なタオルと着替えを取って一階に向かう。人里で下着等の買い物を済ませておいて良かった、流石に現世から着っぱなしというのはまずいからな。あー、それにしてもこういう館の風呂ってのはどういう物なんだろう、意外と想像が付かないものだ、風呂と言うからには和風なのか?。それとも案外古代ローマの浴場みたいな感じなのかな。
「怖えなぁ、頼むから誰も居らんといてくれよ……」
風呂の前にまで行っておきながら未だにそんな思いが沸き上がってくる、もうどうしようも無いと言うのに。扉に手を掛ける一歩、この一歩が地味に辛い。もう考えても考えても嫌な妄想ばかり湧いて出てしまう。しっかりしろ!と頬を叩いて己を叱責する、古典的だしそもそも風呂前にやることじゃないにしても、扉でおろおろしている訳にもいかない。いざ鎌倉!。
なんとこのシリーズの総合閲覧数が1000回を越えました!!(35部目でこれってどうなんでしょう)
こんな妄想をそのまま書きなぐった様な物を読んで頂き、誠に有難うございます!
もし宜しければこれからもお付き合い下さい。




