表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/90

砂漠に住む魔物~13~

 刺すような日射しが俺に降り注ぐ。

 背中にかついだ荷物は氷のように冷たく感じた。

 一歩、歩くごとに荷物が重くなるようなのは変わらず、首を絞められているような錯覚もまた、消えない。

 冷たい手が俺の首を絞める。

 後ろから寄りかかるように、抱きつくように、人魚が俺を殺そうとしている。

 そんな妄想に俺は取りつかれていた。



 地下神殿を出てから7日経っている。

 その間に2つほど街を通ったが、俺が目指す街はまだ先だ。

 本当なら今頃はもう着いているはずだった。

 予定よりも大幅に時間がかかってしまっている。

 早く、ラストに会いたい。

 彼女は今どうしているだろうか。

 彼女との過去を思い出しながら、彼女との未来に想いをせる。



 あの日、ラストは何故俺を生かしたのだろうか?

 俺が彼女の立場だったら殺している。

 自分が助かるために俺が嘘をついているかもしれない状況だった。

 あの場を離れてから、俺が衛兵を呼ぶ可能性があった。

 そうしたら、彼女は殺されていたかもしれない。

 なのに、彼女は俺を信じてくれた。

 きっと今まで散々裏切られてきただろうに、俺のことを信じて待っていてくれた。

 そう思うと胸が熱くなる。

 だから俺も彼女を信じてやらなきゃ。

 彼女を守ってやらなきゃ。


 どれほど、悪夢にうなされようとも。

 命の重さに押し潰されそうになったとしても。

 彼女の為に。

 そして、自分自身の為に。

 俺は必ずラストを助ける。

 ラスト共に生きる。


 人魚の肉さえあれば、彼女と共に生きることが出来るのだ。


 背中の重みが彼女との未来を繋ぐ希望。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ