表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/135

6.アスモさんの場合

 朝、隣でアスモさんが眠っていました。

 まあ、いつもの事なので今更驚きません。

 そりゃあ、最初の頃は驚きましたけど……慣れました。なんだかんだで慣れました。

 緩く抱き締められているので、起こさないように細心の注意を払って目覚まし時計を確認……まだボクが起きるような時間じゃない。

 どこぞのクリスさんじゃないけどまだボクが動くときは来てないからまだ二度寝……というわけにはいきません。

 とりあえず、こういう状態で早く起きたとき、まずいつもの流れを回避するためにやらなければならないことがあります。


 STEP1 素早くアスモさんを起こしましょう

「朝ですよーアスモさん」

「ん……あと五時間……」

 五時間も寝たまま放置しようものなら、ボクがルシフェルさんにしかられます。それに、早寝早起きを実践しない人には指導ですし。

「起ーきーてーくーだーさーいー!」

「ん〜っ! ……おやすみなさい、イズモさん」

「おはようございま……って、寝ないでくださいアスモさん」

 二度寝しようとするアスモさんの肩を掴んで、強引に揺すって起こす……際に、胸が凄い揺れた。

 ……流石は色欲のアスモさん……謎の誘惑が……

「ん〜! おはようございます〜イズモさぁん」

 寝癖のついた、ピンク色の髪を手櫛でさっと整えながら、にへら〜とした感じの笑みをボクに向けるアスモさん……正直美しいというより可愛い人(悪魔だけど)ですね。

 さて、アスモさんも起きた事ですし、早速次のSTEP2に……

「イズモさぁん〜いつもの……いいですかぁ〜?」

 いつもの……別に変な意味合いはありません。アスモさんがボクをベッドの上で座りながらハグハグギューッってするだけです。たかいたかいはありません。そしてボクは泣きません。エンディングでも泣きません。

「えへ〜イズモさぁん……」

 ボクの返事が聞くまでもないことを分かっているのか、アスモさんはボクを抱き締めた。

 ……こうしていると、なにか懐かしいような気持ちになります……ボクが幼い頃に亡くなられた母様の記憶が……蘇って……

 しんみりとしてしまいましたが、ボクの中でもうとっくに心の整理は済んでいる事です。それでも……

「イズモさぁん?」

「……何ですか?」

「イズモさん、悲しいような顔をしてましたけど……大丈夫ですかぁ?」

 この事でアスモさんに心配されるようじゃ、ボクはまだまだみたいです……

「悲しい事や困ったことがあったら、ちゃぁんと、わたし達に相談していてくださいね〜?」

「…………ありがとうございます」


 STEP2 アスモさんを自分の部屋にエスコートしましょう

 息を殺して、わずかに開いたドアの隙間から廊下の様子をうかがう……

 見える範囲では誰もいない。No Enemy。よし……

 手で合図を送って、アスモさんと一緒に廊下へと出て、そして……


「何をしているのかしら……イズモ? それにアスモデウス?」


 ドアから覗いた時の死角に立っていたルシフェルさんに見つかった。

「…………蛇の傭兵ごっこ……ですかね?」

「へぇ……じゃあ私にもやらせてもらえるかしら……拷問する兵士役を」

 ああ……やっぱり……今回は……いえ、今回もダメでしたよ……ルシフェルさんは姑息な手を使いますからね……


 拘束されてから30分後、無事に救助されました。ボクは無事でしたけど、アスモさんは……まあ、ルシフェルさんのことなので多分そんな酷いことはしていないと思います。救助されたアスモさんが両腕で胸を抱えていたのですけど、その件はノーコメントでお願いします。


レヴィのターン?いずれ来るさ、いずれな……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ