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12.ジェニーとイズモと……

 いつも行くようにして『教団』の本部へと出向き、いつものように着替えていると、見慣れたようで見慣れない、謎の模様が壁に目立たないようにして書かれているのが目に入った……

 目を凝らして確認しないと見えないけど、確かに何かの紋章のようなものがかかれている……

 でも、一体だれがこんな事を……?

「イズモ様……どうなされましたか?」

「あ、いえ、ちょっと落書きらしきものが目に入って……」

「落書き……ですか……?」

「はい……念のために聞きますけど、ジェニーさんじゃありませんよね?」

「ま、まさか、私がそんなことするわけないじゃないですか」

「そうですよね……だとしたら、外部犯でしょうかね……?」

「あー……あり得るとしたら、ゾルダ様が招いた外部の人間でしょうかね……教団にこのような魔法陣を書く人間がいるとは思えませんし……」

 似たような魔法陣を書く人間はここにいます、とは口が裂けてもいえません。教団の教祖の立場から、間違っても悪魔と同居していることなんて言えない。

 それはそれとして……なんでジェニーさんはボクが紋章っていった落書きを『魔法陣』って言ったんでしょうか?


 ほぼいつも通りの過程を終えて帰ってきた直後、玄関にてまっていたレヴィさんに肩を掴まれ、壁に押さえつけられた……

「イズモ……あっしの言うことに、正直に答えてほしいッス……」

 下手に逆らわない方が良さそうだ……

 だって、目が本気の目だから……いつものようにボクに斬りかかってくるゾルダ派の信者のように、相手を殺す気の……

「イズモ、アンタはどこに行っていたッスか? 別に具体的な場所まで言わなくても大丈夫ッスよ? あっしがケルベロスを連れてきて跡を追うッスから」

「ボクは……ちょっと……詠様から受け継いだ組織……『教団』の会合みたいなのに……」

「へぇ、『教団』ッスか……その目は本当のことを言ってる目ッスけど……まさか、あっしら以外の悪魔や邪神を崇拝している宗教団体じゃないッスよね?」

「いえ、違います……そもそも、『教団』は悪魔の存在を……」

「悪魔を認めてない、そうッスか……」

 そこで一瞬迷う素振りを見せた後、ボクにこう告げた。

「じゃあ……イズモからあっしら以外の悪魔の匂い、そして同じぐらいに女の匂いがするのは何故ッスか?」

 ボクとジェニーさんを含む一部の人間しか入りえない場所に魔法陣が書かれていたこと……ジェニーさんが紋章を魔法陣と呼んだこと……そして、今のレヴィさんの一言……

「……っ!」

「ぁっ!」

 すぐに行かなければ……問いつめなければならないと思い、ボクはレヴィさんを押しのけて外へと向かった……


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