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52話
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スバリスを殺したカルトはスバリスの館で休息をとっていた。カルトが居間で鉄製の椅子に腰かけていると頭が禿げた三十代の使用人がやって来て
「カルト様、お手紙です。銀髪の美しい方に手渡されました」
カルトは表情を歪め尋ねる。
「その女はなんと名乗っていた?」
「ナ、ナリスと言っておりました」
「ナリス! 奴か!」
カルトは手紙の封をきり白い便箋を取り出し目で読み上げる。内容は以下の通りだ。
『カルトへ
話がある。明日ミラド遺跡の赤の塔の三階で待つ
ナリスより』
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トール達はベルガジにあるカフェに来ていた。この店は国内屈指のおいしいケーキが食べられるスポットだ。チョコレートケーキをぱくつくトールはスミレに質問する。
「スミレちゃん、そんなに食べるの!?」
「ええ、もちろんよ」
スミレの前のテーブルには二十個の様々なケーキがずらりと並べれていた。どれもおいしそうだ。しかしこんなに食べれるのだろうかという量である。
「スミレ、チーズケーキ一つ分けて」
ミーニャの懇願をスミレはかわいらしく――
「いや!」
――なかった。
「スミレのケチー!」




