37話
カワイイ容姿が台なしになっていることは綴っておこう。かなりきつく険のある表情だ。
「わかったわよ」
スミレは山肌にある真ん中の大岩に歩み寄り唱えた。
「スクイズ!」
スミレの右腕が強化魔法で白く輝く。そして渾身の一撃が大岩を直撃した。その岩は小さなかけらに変わった。ばらばらになった大岩はほとんど吹っ飛んでいた。道が出来たので大岩に挟まれた道に歩を進める三人。
しばらく歩くと所々板が抜け落ちたぼろい橋に出くわした。トールは
「先頭は誰にする?」
女性陣二人はトールをじーっと見ていた。トールは渋々に
「はいはい、行きますよーだ!」
一歩一歩進んでいくトール達。トールは五歩目の板が踏むと抜け落ちた。そしてトールも下方に微かに見える曲がりくねった小川に転落ーー。
「よいしょっと! 危ないよトール」
間一髪のところでミーニャがトールの右手を両手で掴んだ。ミーニャとスミレに引き上げられたトールは戦々恐々としながら吊橋を渡った。トールはトラウマになるくらい恐怖していた。橋を渡り終えるとそこから土と岩の道を歩く。
すると白銀の鎧を着込んだ整った容姿の男がストレッチ運動していた。




