36話
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カルトは草原を歩いていた。背中辺りまである銀髪を揺らしながら。彼が探しているのはノルテの一人スバリス。そいつは人を育てるのが楽しみだという。
噂では才能ある子供をさらい魔法教育を施すのだそうだ。強くなりたい。そして親の仇をとるんだとカルトは思った。そして膝までの高さの緑色の草を踏み分け進む。
力を手に入れるために。奴を殺すために。ああ憎い。なんと憎たらしいんだろう。カルトは美しい顔を歪ませながら草地を歩む。
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トール達はルーシア国の南部にある赤虎の里を目指し歩みを進めていた。しかし中々進まない。息もしにくい。何故ならここはスーザン山。この山を越えなければ目的地にはたどり着けない。
「ハーハー」と荒い息をしながらトール達三人は坂を登る。かなりきつい傾斜だ。先頭を行くトールは立ち止まった。
「トールどうしたの?」
スミレの問い掛けにトールは
「スミレちゃんの出番だよ!」
「え、容姿端麗な私の出番というと絵のモデルとかかしら?」
トールは苦笑し道を塞いでいる三つの大岩を指差して
「いや、えと、岩を粉砕してほしいんだけど……」
ギロリとスミレがトールを睨む。「ヒー!」とトール。




