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迫真!青春部  作者: フービィ


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迫真!青春部

淫夢注意

 「まずうちさぁ、屋上あんだけど焼いてかない?」


世にも珍しい淫夢厨の女友達の遠野が、部活帰りに誘って来た。


これは一緒にスタバに行こうと言う誘い文句だ。ずっと一緒に行ってる。

僕は答えた。


「じゃけん。夜いきましょうね。」

と。

聞いた彼女は大口を開けて笑った。

下駄箱に差し込む夕日がアイスティーの様に輝いていた。

 注文したドリンクをテーブルに運び、

「アイスティーしかなかったけどいいかな?」

って言いながら手渡す。

彼女は、優しい顔で微笑んで


「優しスギィィィィ。」


と言った。

同時に隣のテーブルの大学生が目を丸くしてこちらを見て来たので、二人顔を赤くしてキャラメルドリンクをすすった。


 駅まで一緒に淫夢のモノマネをしながら送ってもらった。

「明日も行こうね?」いつも獣みたく荒々しい遠野からなよっちいメス臭い台詞セリフが放たれて少し戸惑ったけど、

すかさず。

「おっそうだな。」

と返した。

ちょっと物言いたげな目で見つめて来たけど、電車が来そうだったのでホームへ駆け出した。


 僕は童貞だし、彼女も(もちろん彼氏も)いた事が無い。だから女心は分からない。

 遠野とは中学の頃から学校は同じだったけど、ちゃんと話したのは今年になってからだ。

淫夢厨だなんて知ってたらもっと前から遊んでいたのにな。と思った。


 僕が淫夢コンテンツに初めて触れたのは、YoutubeでAIによって曲が作られた頃からだ。

クラスの陰キャフレンズと語録を飛ばしあってゲタゲタ笑ってた風景が思い出されて、ちょっとだけ寂しくなった。


 家に帰って机に向かう。三十分ほどワークに取り組むと——。

僕のテントが張った。


 スマホを使って治めようとバッグを漁るも、見つからない。きっと学校に置いてきてしまった。部屋にあった中学校のアルバムに手を伸ばした。べっぴんではないが、意外と素人ルックスでも抜ける。勝手に人の写真で抜く人に言われたくはないだろうけど、マジでアルバムの写真ってだけでなんか抜ける。勢い余って、アルバムにぶっかけてしまった。賢者タイムと共に、汁を拭おうとティッシュを握る。汁のかかった場所を見ると。


それは遠野だった。(デデドン)


この瞬間ときまで意識していなかったが、白濁とした液の間から見える、自信に満ちた顔。たまらなく唆そそる。気づけば野獣せんぱいの様に右手は動き出していた。


 お風呂に入っていてふと、さっきの事と、あのなよっちい台詞セリフを思い出した。

都合の良い解釈ばっかりしてしまう僕の脳は、遠野は俺の事を誘ってるんじゃないかと思い始めた。

そう思いたかった。

「淫夢厨のことを好きなやつなんていないよな」


と落ち着きながらもバスタオルで腰を隠したまま自分の部屋に逃げ帰った。


 翌日、学校には遠野が先にいた。珍しい。いつも朝学活の始まる四十分も前から教室にいる僕より先に人がいることなんて滅多にないのに。僕の机にガニ股で座って。スマホを触っていた。

ンア!僕のスマホだ。

気づくと、彼女は笑いながら、

「忘れるなんてまずいですよ!」

と渡してくれた。

「あれ!稲荷スマホが入ってないんだけど!」

と、受け取る。

 保健の授業中、こっそり見てたスマホに通知が来た。

遠野だ。

「勃ってる?」

だって。

何言ってんだとつっ込みつつ、

「お前はどうなんだよ。」

と返す。

 授業の終わり際、

「今日も行くよな?」

と一件。


先生に指名されそうな気がしたから、既読スルーした。


 お昼休憩中、人の来ない中庭のトイレで治めていたら、急にテレビ電話をかけて来た。


中断したかったが、達する手前だったので、その訳にもいかなかった。


ちょっと気になってる相手からの電話も切るのがもったいなくて緑の受話器ボタンを押してしまった。


うまく上半身だけが映る様にして。遠野も上半身だけが映る様にしていた。

めっちゃどうでも良い話だった。

でも、声を聞きながらも、一度動き出した右手は止まることを知らなかった。

急に遠野が、

「今どこに居るか知りたい?」

と言ってきた。


頷いた。


トイレの古いドアがきしむ音がした。

ビクッとした。

電話がハウリングし始めた。電話が切られるのと同時に、トイレの入り口の鍵が閉まった音がした。「お!開いてんじゃーん」小悪魔やじゅう的な声が聞こえた。

スライド式の鍵だったので、僕の居た個室は外から強引に開けられてしまった。


勢いよく開く戸のきしむ音と共に、シャッター音が狭い部屋に響いた。


頭が追いつかなかった。

訳がわからなかった。

トイレで治めていたらオカズにしていた女子が目の前でカメラを構えて自分を収めているあり得ない状況に。

 僕が一言言い訳しようとする前に、スマホをこちらに見せ、


「稲荷作ろっか」


と不敵に笑みを浮かべる。

勝ち誇った様に彼女は続ける。


「ずーっと君のことが大好きだったの。やっと君の趣味を理解して、君とだけ遊んできた。」


スカートをたくし上げて僕の足に跨がる。


「なのに、全然私の気持ちに気づいてくれないから悲しかった。でも、昨日私の思いが通じたの。君がスマホをスタバにおき忘れた。すぐにバッグに隠して家でパスワードの解読をした。パスワードが〇六つなんて危なすぎるよ。すぐにわかっちゃった。そして、位置情報を登録して、君のよく見ているオカズを見たの。強い女性にいいようにされるシチュエーションばっかり見てた。これって私にこうされたかったってことでしょう。だからここに居る君を見つけて、追い詰めて私だけのモノにしたの。」


「どう?嬉しいよね?チラチラ見てたんでしょ?」


震えながら僕は遠野に言った。


「いつも、親友として側で笑ってくれてたお前の話し方、声、顔、身体——。」





「お前のことが、好きだったんだよぉ!」


二人は笑いながら強く抱き合った。遠野の鼓動をすぐ側で感じる、自らの鼓動と重なり合い、加速する。


 新春、僕らは高校を退学した。


 でも一切の後悔はない——。


新しい生命いのちと共に、


いい世来いよ。

いいよこいよ。他の作品も見てね。カクヨムに原作あり

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