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ポーランド重騎兵復活

ポーランド重騎兵復活


日英仏は、ドイツのノルウェー・デンマーク侵攻作戦を潰した事に伴うドイツ領空での戦闘から、戦争が次の段階に入ったとして今後の展開を協議した。


日本はオランダ・ベルギー・フランスが戦場となる前に、ドイツへの空爆を実施すべきと説いた。

しかし英仏はやはり及び腰であり、戦争の拡大を避けたがっていた。


結果を知る日本としては、早めにドイツを叩いた方が戦争被害が小さく済むと分っているため、英仏の重い腰をどうにか上げさせたかった。

そこで日本は、対潜水艦技術の公開を見返りとして使う事にした。


艦載及び航空機搭載の水上電探、水中探信儀、航空機搭載の磁気探知機、多連装対潜迫撃砲の技術と引き換えに、ドイツ空爆を要請した。

日本は英仏に渋られ、対空電探の技術公開も約束したのだった。


対潜水艦技術に関しては、ポーランドへの支援船団を護衛する負担を減らしたいという思惑もあったため、日本としては惜しくはなかった。

多連装対潜迫撃砲は、四代目大鳳の世界のイギリスが開発したヘッジホッグであり、元々折を見て公開する予定であった。


対空電探の技術をおまけで付ける羽目になってしまったが、これでドイツを弱体化させる事ができ、対独戦争終結が早まると思われた。


ドイツ空爆は時を合わせて行う事となり、日英仏波の航空機が一斉にドイツ本土の生活基盤や工場地帯を襲う事になった。

生活基盤は鉄道・橋梁・道路・発電所などであり、工場地帯攻撃は陽動といえた。


生活基盤を狙うのは、四代目大鳳の世界のイタリア半島の戦いの戦訓であった。

防空態勢の整っている拠点を狙うより、そこへの補給経路を破壊するほうが被害も少なく容易だったからである。


1940年5月からドイツ本土空爆が行われ、生活基盤の破壊に成功していった。


爆撃隊はは中立国の領空を避けながらドイツへ侵入し、防空態勢が強固に敷かれていると思われる工業地帯へは、重防御の九七式襲撃機と護衛機が向かい、ドイツ空軍基地には戦闘機のみで攻撃を仕掛けた。

ドイツ空軍の迎撃機が重要拠点の防衛に忙殺されている間に、主力の爆撃隊と護衛機は生活基盤破壊を行った。


日本機動部隊も沿岸部から攻撃を行っていき、港湾施設には爆装した戦闘機を向かわせ、港湾施設に繋がる鉄道・橋梁・道路など生活基盤の破壊を戦爆連合が行っていった。

ポーランドからの攻撃は初回のみで、後は防衛に徹した。


ドイツも報復の空襲を行うが、迎撃機に撃退される事が多かった。

日本が陸上用対空電探を持ち込んでおり、効率的に迎撃を行っていたためである。


日英仏のドイツへ対する生活基盤破壊の空襲は続き、ドイツの生産能力は徐々に落ちていった。

ドイツも日英仏の目的は分ってはいるものの、どうしても軍事施設や工場地帯の護りを優先してしまうため、生活基盤は悉く破壊されてしまうのだった。


空の戦いは行われるものの、あいかわらずポーランド以外での地上戦は行われなかった。

むしろ、ドイツの迎撃能力が落ちてきた段階で、人造石油工場や化学工場、軍需工場、軍事施設も標的となっていき、日英仏の空襲は戦略爆撃も伴うようになって強化されていった。


ドイツは生活基盤の再建に忙殺されるようになり、ポーランドへの圧力は低下していった。

特にフランスに近い地域や沿岸部の被害が酷く、再建しては破壊され再建しては破壊されるという、まるで賽の河原のような状況が続き、ドイツ国民の戦意は下がる一方だった。


それでも英仏は地上戦を避けており、空爆でドイツが根を上げるのを待っていた。

しかし10月になり、イギリス首相が体調悪化を理由に辞任を表明し、海軍大臣が新たな首相となりドイツへの派兵を主張しだした。


イギリスがドイツ派兵の準備に入る中、11月に突如ポーランドがドイツに対し反転攻勢に出たのだった。

それまで徹底して守勢だったポーランドが突如攻勢に出たため、ドイツ軍にとっては奇襲となった。


しかも、百式中戦車を先頭に戦車隊が突撃を敢行し、ドイツ軍陣地を突破。後方へ回り込み包囲するまでに至ったのであった。

百式中戦車は、日本から供与された物やポーランドで生産された物もあり、まだそこまでの数ではなかったが、この一戦のために温存されていたため、強力な一撃をドイツ軍に与えたのだった。


今までにない状況に一時ドイツ軍は混乱するも、すぐに建て直し反撃に出て包囲の突破を図った。

しかし、百式中戦車を始めとするポーランド戦車隊は強力で、包囲したドイツ軍を中央突破し蹂躙したのであった。


もちろん航空支援あってこその戦果であったが、あまりにも華々しい戦いに有翼重騎兵フサリアの復活と称えられた。

ドイツ軍は頑強に抵抗するも、その抵抗は戦車の突撃により破壊されていった。


ドイツは、窮地に陥ったポーランド進攻軍を救援するために援軍を派遣するのだが、これまたポーランド戦車隊に蹂躙される事になった。

ポーランド戦車隊は九七式襲撃機の支援の下、ドイツ軍主力のⅣ号戦車を易々と撃破していった。


救援が断たれた事で包囲されていたドイツ軍は、降伏を決断するのであった。


12月。ドイツの敗勢を見て取ったフランスは、ようやくその重い腰を上げ、イギリスと共に陸軍を動かすのだった。

ただ、ドイツ国内は橋梁や道路を破壊しているため、英仏の進軍は遅くなる事になった。


ポーランドは前線を突破した後、ベルリンへ向け進撃を開始した。

ドイツ東部は生活基盤の破壊はあまりされておらず、ポーランド軍の進撃を妨げられる物はなかった。


1941年1月。ポーランド軍はベルリンを包囲した。

ベルリン市民の戦意は低く、ドイツ軍との戦闘が起きたもののこれを排除しベルリンを占領したのだった。


ドイツは降伏し、対独戦争は終結したのだった。


戦後処理が行われ、オーストリア・チェコは独立し、ポーランドはドイツ軍の兵器を接収し領土も拡大した。

ドイツは民間人の被害は少なかったが、生活基盤は破壊されており、立て直すのに相当の労力が掛かりそうであった。


対独戦は終了したが、日英はポーランドへの支援を継続した。

日英にとってポーランドは、共産主義の防波堤になっていたのである。


その頃ポーランド軍は、ソ連への反転攻勢に向け準備を進めていた。

現代のポーランド重騎兵である百式中戦車はさらに数を増しており、ドイツで接収・鹵獲した兵器も加え、ポーランド軍は強大な力を持つに至っていた。


泥濘期が過ぎた5月、ポーランドはソ連への反転攻勢を開始した。

制空権を確保し手厚い航空支援の下、百式中戦車を先頭にポーランド戦車隊はソ連軍に突撃していった。


ドイツが降伏していた事もあり、ソ連軍はポーランド軍の反転攻勢を警戒していた。

しかし、多数のドイツ製航空機を含む想定以上の大戦力を叩きつけられる事となり、ポーランド戦車隊によって縦深は突破され、包囲されてしまうのだった。


ソ連軍は抵抗をみせたものの、やがて降伏し、ポーランド軍はさらに進撃を続けていった。


ポーランド軍がウクライナの半ばまで進軍すると、独立運動を行っている勢力が接触をしてきた。

ポーランドはこれを支援し、共闘する事になった。


制空権を常に保ちつつポーランド軍の進撃は続き、ポーランド戦車隊はT-34中戦車の部隊を撃砕しながら前進していった。


ソ連の敗色を見て取ったソ連外縁の国家は、ソ連に対し宣戦を布告していった。


ポーランドはイギリスの提案により、ソ連の捕虜から自由ロシア軍を編成し、ソ連軍の離反を誘発させていった。

日本もこれに乗り、自由ロシア政府が立ち上がった。日本の北樺太以外の占領地もこれに加わった。


自由ロシア軍は見る見るうちに膨れ上がっていき、共産主義からの解放軍としてロシア人に受け入れられていった。

その連鎖反応は広がっていき、ソ連の崩壊が始まったのだった。


9月、自由ロシア政府は、モスクワにおいてロシア共和国建国を宣言。

日英仏波を中心とした国々がこれを支援し、共産主義を打倒していく事になるのだった。



日本はドイツの通商破壊が無くなってから、ソ連海軍を警戒する艦艇のみを残し艦隊を引き上げていった。

その艦艇も、ポーランドがソ連へ反転攻勢をかけ、ソ連海軍を警戒する必要が無くなってから帰還していった。


まさかポーランドが独ソに反転攻勢を仕掛けるまでになるとは、誰も予想だにしていなかった。

日本としては時間稼ぎのつもりのポーランド支援であったが、英仏がなかなか動かなかった事もあり、粘りに粘って力を付けたポーランドが独ソを打ち破る結果となってしまった。


結果はどうあれ対独戦争が早期に終結し、戦争被害を抑えることにも成功した。

日ソの戦いでも損害は抑えられており、傷病兵に対する医療対応も向上している事から、一連の戦乱による日本の死者は四代目大鳳の世界よりも格段に少なくなっていた。


日本の戦略は概ね成功し、これから来るであろう日本の飛躍に期待に胸を膨らませるのであった。


だが、しかし。

そこへ、アメリカが立ちはだかろうとしてきたのだった。

お読みいただきありがとうございます。

評価・リアクションありがとうございます。


初めてルビを使ってみましたが、旨くいってるのかよく分らないですねw

戦車突撃と勇ましい表現ですが、ちゃんと遠距離から停車して砲撃していますw

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― 新着の感想 ―
ルーズベルトが、ヒトラーとスターリンを横に並ばせて 私は大日本帝国の悪行を許さない!とか言って 自由ナチス、自由ソ連を支援宣言したら笑う。
ポーランドが突然イケイケになるところ、何故か分からないけど猫ミームが頭に浮かんできた
狂犬ポーランドが復活して最大領土主張してきそうでワクワクする
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