表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/23

第二次マリアナ沖海戦

第二次マリアナ沖開戦


日独はソ連を追い詰め、講和交渉を行うところまできていた。


しかし、ドイツはソ連に注力するあまりフランスが手薄になっており、1944年6月に米英がノルマンディーに上陸してしまうと、一挙に内陸へ進攻されフランスの防衛は間に合いそうになかった。


ソ連は踏みとどまる事を決意しかけるが、マリアナ諸島で米艦隊が敗北してしまい、ソ連は日独との講和交渉を続けた。


そうこうしている内にフランスは失陥してしまい、日独はソ連に譲歩する事になり、7月に講和を成立させた。


ドイツはフランスを失陥した事からマダガスカル島駐留軍を使い島を占領し、インド洋の制海権を維持した。


日独はソ連との戦争が終わり、後は米英との講和を成立させるだけになった。


しかし米英は渋り、日独にとって過大な要求を突きつけてきたのだった。


日独は講和の条件を熟慮した結果、呑む事ができなかった。

つまり、戦争継続であった。


ドイツはソ連と講和した事から西部戦線に注力するため、ソ連の勢力圏内の生活基盤を破壊しながら兵を引き上げていった。

講和したとはいえ、ソ連を信用していなかったのであった。

ソ連は1年間は軍事行動が取れない損害を受け、復旧に追われる事になった。


日本は北樺太と満州の東部に領土を得てしまったが、北樺太は併合し、対岸の新領土は満州同様に傀儡政権を立てる事にした。


日本政府は米英と講和する事ができず、戦争継続となってしまったため、内閣は総辞職し新体制へと改められた。


日本は米潜水艦による通商破壊を受けていたが、航空機搭載の電探と磁気探知機を大々的に導入していき、米潜水艦を駆逐していった。

これにより通商路が安定し、徐々に物資不足が解消されていった。


太平洋の島嶼ではB-29の空襲を受け迎撃機との戦闘が発生し、島嶼にも被害を受けていたが、ジェット戦闘機閃電が投入されてからは撃退に成功していった。


欧州も太平洋も、戦線は膠着していた。

インド洋では、セイロン島やマダガスカル島をめぐる戦いが起こったが、防衛に成功していた。


米英の陸軍はドイツとの戦闘にかかりきりとなり、多大な損害を被っていた。

厭戦気運が高まっていたが、アメリカ大統領選挙は現職が再選し戦争は継続された。



1945年6月。再びマリアナ諸島へ米艦隊が来寇した。

海戦は、マリアナ諸島の迎撃機と米機動部隊の艦上戦闘機の、戦闘機掃討戦から始まった。


性能が向上していた局地戦闘機雷電と、新型艦上戦闘機F8FやF4Uが制空権をめぐり戦った。

その他の戦闘機も交え空戦は続き、日本軍は地の利を生かし米軍は物量で戦った。


マリアナ諸島の飛行場に損害が出始める頃に日本機動部隊は到着し、作戦行動を開始した。

第一次マリアナ沖海戦の戦訓から戦闘機の割合をさらに増しており、後方からの戦闘機補充も準備されていた。


索敵で詳細を把握していた米機動部隊へ向け、日本機動部隊は艦上戦闘機烈風のみの攻撃隊を送り出した。

米偵察機も日本の機動部隊を発見し、米機動部隊は攻撃隊を差し向けた。


日本機動部隊は米機動部隊に戦闘機掃討戦を仕掛け、近接信管搭載の噴進弾を用いる等して、米迎撃機を撃退していった。

そこへマリアナ諸島からの攻撃隊が米機動部隊に襲い掛かり、赤外線や電波を追尾する誘導弾が投下され、米機動部隊の艦艇を撃破し空母に損傷を与えていった。


日本機動部隊に来襲した米攻撃隊は、多数の烈風の迎撃を受けるも護衛戦闘機の割合が多く、艦爆艦攻は迎撃の網を突破し日本機動部隊へと攻撃を開始した。

日本機動部隊は今海戦で初めてまともな輪形陣を組み、多数の対空駆逐艦による対空射撃で米艦爆艦攻を迎え撃った。


高角砲弾には近接信管こそ入っていないが、効果的に対空戦闘を行っていった。

艦容の大きな翔鶴型空母が集中的に狙われ、やはり翔鶴は損傷し離着艦能力を失い退避していくのだった。


日本機動部隊は攻撃隊を編成し、今度は流星も参加し進発した。

米機動部隊も前回同様に、攻撃隊を送り出した。


日本の攻撃隊は烈風が米迎撃機を引き付けている間に、流星が噴進弾を発射し米機動部隊を攻撃。後に続いたマリアナ諸島の攻撃隊も、激しい対空砲火を受けながら米機動部隊を攻撃し、複数の空母を撃沈または損傷を与えた。

米攻撃隊も日本機動部隊に対し攻撃を行い、輪形陣をかいくぐり複数の空母を離着艦不能にしていった。


日米双方が空母を潰し合い、徐々に戦力が低下していく展開が続いていった。

マリアナ諸島の航空隊も、度重なる出撃で機動部隊の航空機同様にその数を減らしていった。

日米の機動部隊は態勢を立て直すため一旦下がり、戦艦同士の艦隊決戦が再び起こる事になった。


アメリカは新型戦艦モンタナ級を6隻投入してきており、日本は大和型戦艦3隻、長門型戦艦2隻、伊勢型戦艦2隻、金剛型戦艦4隻の11隻の戦艦をぶつける事になった。

戦艦の数こそ日本の方が多いが、米新型戦艦はアイオワ級戦艦を超える戦艦であり、まともにぶつかれば大和型戦艦を有していても危うく感じられた。


艦隊決戦は、まず超甲巡率いる高速艦隊が米護衛艦隊との戦闘を開始するところから始まった。

超甲巡らが露払いを行っている間に、日本戦艦部隊は米戦艦部隊へと肉薄していき金剛型戦艦の射程圏内まで距離を詰めていった。

射程の長いモンタナ級戦艦は砲撃を開始するが、日本戦艦部隊は狙いを定めさせないため僅かに蛇行しながら接近していった。


十分距離を詰めたところで日本戦艦部隊は一斉回頭し、単従陣となり同航戦に持ち込み砲撃を開始していった。

徐々に距離が縮まっていく同航戦であり、双方夾叉は同じ頃合で出始めた。


大和型戦艦3隻はそれぞれモンタナ級戦艦1番艦から3番艦を狙い、長門型戦艦は2隻で4番艦を攻撃。伊勢型戦艦と金剛型戦艦の6隻は、3隻で1組となりモンタナ級戦艦5・6番艦を狙い攻撃していった。

モンタナ級戦艦は、日本戦艦部隊の先頭から順に1隻ずつ割り振っていき、戦艦大和・武蔵・信濃・長門・陸奥・伊勢を攻撃した。


日本戦艦部隊は水中弾を狙う事でモンタナ級戦艦に対抗し、特に伊勢型戦艦と金剛型戦艦は攻撃力も防御力も劣っており、撃破される前に手数で勝負を決めたいところであった。

戦艦伊勢・日向・金剛の組は、32門の手数により砲弾の雨を降らせ、モンタナ級戦艦5番艦に複数の水中弾を発生させたが、6番艦の攻撃により伊勢が沈み、次いで日向が、そして金剛が沈んでいった。


モンタナ級6番艦は金剛型戦艦3隻の24門の砲撃を受け続けていたが、戦艦金剛を沈めた後、戦艦比叡・榛名・霧島と砲戦を行い、比叡・榛名を沈めたところで力尽き沈んでいったのだった。

霧島はモンタナ級5番艦へ砲撃を開始し、戦艦長門・陸奥は長門が沈むが道連れに4番艦を撃沈し、陸奥は5番艦に沈められるのだった。

モンタナ級5番艦も限界に達しており、霧島との砲戦で相打ちとなり双方沈没していった。


大和型戦艦3隻とモンタナ級戦艦3隻の砲戦が続き、大和型戦艦はその防御力で凌ぎつつモンタナ級戦艦に水中弾を多数発生させ、ついに沈める事に成功するのだった。

大和型は第一次マリアナ沖海戦での損傷修理の際、重要防御区画の防御力をさらに高める改装を行っていたため、今海戦に勝利できたといえた。

しかし大和型戦艦の損傷は激しく、これ以上の戦闘行動は避けられた。


艦隊決戦には勝利したものの、機動部隊同士の航空戦は再びお互いの戦力が磨り減るまで行われた。

日米の機動部隊は離着艦可能な空母をほぼ失ったが、米艦隊には上陸船団が控えており、マリアナ諸島攻略作戦は続行された。


超甲巡率いる高速艦隊は補給を終え、米上陸船団へと突入していった。

迎え撃ったのは米上陸船団を護衛する艦隊で、旧式戦艦も含まれていた。

米艦隊は数が多かったが、雷撃により互角の砲撃戦へと持ち込み、痛み分けとなった。


日本の残存艦隊は撤退を決定し、捲土重来を図るのであった。


米艦隊は上陸船団と後方の護衛空母を集め態勢を立て直し、マリアナ諸島攻略を開始していった。

さしあたってマリアナ諸島の飛行場破壊を優先し、艦砲射撃や空爆を行っていった。


マリアナ諸島は、第一次マリアナ沖海戦以来陣地構築を行ってきており、その防衛陣地は生半可な砲爆撃では破壊できなかった。

そんなマリアナ諸島に上陸作戦が決行され、米上陸部隊は多大な損害を出しながら攻略を続け、攻略作戦は長期化していくのだった。

お読みいただきありがとうございます。

評価・リアクション嬉しく思います。ありがとうございます。


IFルート。講和が成立していた場合、ドイツは東方生存権を失い、アフリカやマダガスカル島から撤退する。日本は占領した東南アジアから撤退し、傀儡国家を手放した。米英はこれ以上損害を出さずに済んだ。アメリカの軍事的影響力が低い戦後となる。連合国=国際連合ではなく国際連盟のままか、また違う形になるかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
有効打の打てない金剛型を使うぐらいなら、長門型大和型を囮に水雷戦隊突っ込ませた方が良さそうなものだけど そしてこの世界のアメリカ、史実より劣勢な欧州を支えつつ、護衛空母軽空母を日本の機動艦隊と殴り合え…
英帝の政権交代はないのだろうか? そろそろ英帝が根を上げそうなんだけどなぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ