87.何して遊ぼう? 泥の中を泳げるお兄ちゃんモルーとちーちゃん?
『ついに来たわよ!! 見てないさい!! 私の方が魅力的だって、アルフを私の虜にしちゃうんだから。そして私も家族にしてもらのよ』
『ふん、言ってなさいぃ! 絶対にあたしの方が魅力的なんだからぁ。アルフはきっとあたしの魅力で、ふにゃふにゃになっちゃうはずよぉ。そしてあたしを家族にしてくれるのよぉ』
『お前達、絶対にやり過ぎるなよ』
『そうだぞ。やり過ぎてまた揉めるような事があれば、怒られるのは俺達なんだからな。それに怪我人だらけになるんだからな』
『それと、もしもアルフがお前達に振り向かなくても、お前達に魅了されなくても、それで怒るんじゃないぞ。というかガックリして、俺達に当たるんじゃないぞ。絶対だ!!』
『嫌ねぇ、そんな事しないわよ。大体アルフが魅了されないなんて事はないわよ! すぐに魅了されちゃうんだから』
『そうよぉ、あたしの方がそっちよりも早く、魅了させちゃうんだからぁ』
『何よ!!』
『何よぉ!!』
『だからそれを止めろと言っているだろう!!』
ドスドスドスドスッ!! バシュバシュバシュバシュッ!!
『……殴りながら、キックしながらよく進めるな』
『グー』
『良いか、アルフにアピールするのは構わん。しかしアルフに迷惑をかける事だけはするなよ。もしもアルフに害が及ぶのなら、我は強制的にあの2匹を止めるぞ』
『分かっている。俺達もそのつもりだ』
『大体、家族の前に名前が先だろう。まったく、これだから考えるよりも先に動こうとする奴は。お前達ももっとしっかりしないか。これだけ頭数がいて2匹を止められないとは』
『それは本当にすまないと思っている』
『はぁ、本当にあの2匹がやる事で、アルフの目が毒されないと良いが』
*********
「なにしてあそびますかぁ?」
『みんなで遊べるやつ』
『赤ちゃんも大丈夫なやつ』
『赤ちゃんがいるもんね。駆けっことかはやめた方が良いかも。それから、押したり引いたりするやつ』
押したり引いたりする遊びは、子ヒットベアー達と子キックモンキー達が好きな遊び。タイヤが3つ付いてて、土とか石、色々な物を押したり引いたりして運べる。僕のカゴ車に似ている手押し車があって。
みんなはこの手押し車に物をいっぱい乗せて、競争するのが大好きなの。4つの組に分かれて、組が一緒になった子達と、一緒に押したり引いたりして、柵の中を1周。それで1番を決めるんだよ。1番の子達にはプレゼントがあるの。おやつに大きな木の実を食べて良いんだ。
でも競争はみんなが一斉に走って、それから物を運ぶから、赤ちゃんだと小さいから危ないでしょう? それにミル君やお兄ちゃんモルーは小さいから危ないし、ちーちゃんは赤ちゃんだし小さいしで危ない。だから今日は別の遊びをしようって。
『う~ん、泥のお団子、誰が1番大きなお団子作るか競争する?』
『うん、それが良いかも。2匹とも泥のお団子作れるもんね』
『うん! あたちちゅくれりゅ!!』
『あたちも!!』
『あ、でもそっちの小さい子と、赤ちゃんは泥のお団子できる?』
『ふん!! 僕を誰だと思ってるの! 僕はアルフと一緒に泥のお団子、良く作るんだからね。誰にも負けないよ!!』
うん、ミル君、僕よりも大きな泥のお団子作るもんね! でもお兄ちゃんモルーとちーちゃんは?
『僕達も大丈夫だよ。この前芋虫さんの泥の中を歩いたら、泥泳ぎが上手になったの!! それで泥泳ぎが上手になったら、泥のお団子も上手にできるようのなったの。ね、ちーちゃんも上手だよね』
『うん!! あたちもどろのおだんごできる!!』
泥泳ぎ? みんながどんなのか聞きます。えっとこの前お兄ちゃんモルー達は迷子になっちゃったでしょう? それで芋虫さんのくさ~い泥の中の入っちゃって。そのお話しを聞いた途端、子ヒットベアー達も子キックモンキー達も、とってもと~ても嫌なお顔になりました。
『あの泥の中に入ったの?』
『うえぇぇぇ』
『もしかしてまだ匂いする?』
みんながクンクン匂いを嗅ぎます。
『大丈夫。僕達綺麗にしてもらったから、今はミンの匂いだよ』
ミンっていう葉っぱがあって、擦り潰すととっても爽やか~な、良い匂いがするんだ。お兄ちゃんモルー達はこの頃、このミンの匂いを体に付けるのがお気に入り。小屋を綺麗にしてくれる人が来る日に、いつも付けてもらってるって。だから今日もお兄ちゃんモルー達は良い匂い。
『ふぅ、じゃあ大丈夫だね』
『ビックリしたぁ』
それでお兄ちゃんモルー達だけど。芋虫さんのくさ~い泥の中を歩いてから、何でか分からないけど、泥の中を進むのが上手になったんだって。それと泳ぐのが上手になったの。
少し前、雨が降った後、お外で遊んだモルー達。お外で遊んだ雨の後だったから、そこら中泥だらけで。その泥だらけの中に、ちょっと深い泥の場所があったんだって。そこに入っちゃったモルー達。
それでみんな泥の中で上手く進めなくて、働いている人に助けてもらったんだけど。でも迷子になったお兄ちゃんモルー達は違いました。
みんなスイスイ泥に中を歩けて、それから泳ぐ事もできたんだって。お兄ちゃんモルー達はビックリ。
でも泥の中でスイスイ動ける事が分かったから、お兄ちゃんモルー達は泥で遊ぶのが大好きになったんだ。それで泥団子も上手に作れるようになったみたい。
『もしかしたら……』
「コケコおじさん、なんですかぁ?」
『いや、もしかしたら芋虫の泥がドロドロだったから、そこに入ったモルー達は、他の普通の泥に入っても、あまりドロドロを感じなくなったのかもしれないな』
「ふつうのどろぉ?」
『また今度話してやる。今は遊ばなくて良いのか?』
そうだ! お話しよりも遊ばなくちゃ!! それに今日はグーちゃんとグリちゃんが居るから、あのふんわりの泥作ってもらえるかも!! 僕達は急いで、パパに泥を作ってもらって良いか聞きにいきました。
そうしたら柵の端の方に少しだったら作って良いって。それから遊んだ後はすぐに元に戻す事だって。僕達はすぐにグーちゃんにお願いしに行って、僕達みんなが入れるくらいの泥を作ってもらいました。
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