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[書籍化]もふつよ魔獣さん達といっぱい遊んで事件解決!! 〜ぼくのお家は魔獣園!!〜  作者: ありぽん


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81.ゴミのお山、グーちゃんとグリちゃん

 パパの集めたゴミを1つはカゴ車に乗せて。もう1つは僕がズルズル引っ張って。それから引っ張ってる方は、ミル君が後ろから蹴って、運ぶのをお手伝いしてくれて。どんどん荷馬車までゴミを運んでいきます。

 荷馬車の方にトロイが来てくれて、トロイが荷馬車の方に来て、僕達やみんなが運んできたゴミを、どんどん荷馬車に乗せてくれてるよ。パパはそのままゴミのお掃除。


 それでね僕、一生懸命運んでたんだけど、でも途中からパパが集めたゴミがどんどんゴミが重なっちゃって、ゴミがお山みたいになっちゃったんだ。にパパ達も時々運んでくれたけど、でもゴミのお山ができちゃったの。


 だから今度は僕が2つゴミを運んで、1つをミル君が1匹で蹴って運んでくれて。3つ運ぶようにしたんだけど……。なかなかゴミのお山は小さくなりません。


「ミルくん、ゴミたいへんねぇ」


『ウササの小屋と、ゴミの量がぜんぜん違うよ。なんでこんなにゴミが多いの』


「おおきいまじゅうさんだから、ゴミ、いっぱ~い」


『それにしたって多すぎだよ、もう少しどうにかできないの? まったく体が大きいからって、ちゃんとこういう時の事を考えて、丁寧に動かなくちゃ。しかもアルフのことばっかり考えてるから出遅れてるし。まぁ、僕には関係ないけどね』


「ミルくん、なぁに?」


『ううん、何でもないよ』


 それからもどんどんゴミを運んだ僕達。やっとゴミのお山が半分になって。僕、ちょっと運ぶのが、早くなったんだ。だから引っ張っていたカゴ車の紐を首と肩に引っ掛ければ、もう片方の手でもゴミを運べると思って。

 初めてゴミを3つ運んでみました。ゴミの中身は藁だったから、軽くて持てると思ったし。でも……。


「おちょちょちょちょ!?」


『アルフ!?』


 ちょっと大きな石に躓いちゃって、僕はおっとっとって転びそうになっちゃいました。それで転ぶって思って、ギュッと目を瞑った僕。


『まったくお前は、また我が咥えなければいけないではないか』


 ん? 転んでない? 転んだら痛いはず。それに今、グーちゃんの声が聞こえた気がしたよ。


 今ねぇ、ブルーノおじいちゃんが、グーちゃんとグリちゃんの所へ行っているんだ。お掃除をしていたら、グリちゃんがブルーノおじいちゃんを呼んだの。グーちゃん達の小屋からの声だったから、とっても大きな声だったよ。


 それでブルーノおじいちゃんが、掃除中だから静かに待っていなさいって、グーちゃんに言いに行ったの。だからグーちゃんとグリちゃんは、小屋にいるはずで? ん?


 僕はそっと目を開けました。そうしたら僕の体はぶらぶら揺れていて、足の下でミルくんが、心配そうに僕を見ていました。


『アルフ、大丈夫!? 転ぶ前だったから大丈夫だと思うけど』


「ぼく、ころばなかった。でもぶらぶらぁ」


『グーちゃんが助けてくれんだよ』


 お話ししていたら、ブラブラの僕の体が、そっと下に降りて。すぐに後ろを見たら、グーちゃんとグリちゃんが立っていたんだ。


「グーちゃん!! グリちゃん!!」


 僕はグリちゃんのお腹に抱きつきます。抱きつく? グーちゃん大きいからギュッて抱きしめられなくて、ベタッて張り付く感じ。


「どしてグーちゃんと、グリちゃん、ここにいるのぉ?」


『アルフこそ、無理をして転びそうになって。我がいなければ転んでいたではないか。まったく、やはり来て良かったな』


「アルフ」


 僕は顔をお腹から離します。あれ? ママの声? 首を伸ばしてママの声が聞こえた方を見ようとしたんだけど。グーちゃんの大きなお腹で見えなかったよ。


「もう、そんな所から見えないわよ」


 今度はママが、グーちゃんの横から出てきました。


「ママ!!」


 今度はママに抱きつきます。何でみんないるの? ママはもっと後から来るって言ってたよね? それにグーちゃん達はどうして小屋から出てるの?

 

 パパが急いで、僕達の方へ早歩きで歩いてきました。それでママに、こんなに早く来てどうしたんだ? って。それからブルーノおじいちゃんに、グーちゃん達がここに居るのは何でだ? って聞きます。ママから離れて反対側を見たら、ブルーノおじいちゃんもいました。


「それが、注意をしに行ったのですが…… 」


 トロイが僕達の所に来て、パパとママとブルーノおじいちゃんは3人で、僕達からちょっと離れた所でお話しします。


「私の用事が予定よりも早く終わったのよ。だから早めにここへこようとしたら、グーちゃん達の大きな声が聞こえたでしょう? それで何かあったのかと思って、グーちゃん達の小屋へ行ったのよ。そうしたら」


「グー達がどうしても坊っちゃまの所へ行くと。このままだと色々問題が起きるかもしれないと、そう言われまして」


「問題?」


「はい。坊っちゃまの家族魔獣のことで。下手をしたら暴動が起きるかもしれないと。そしてそれを止められるのは自分だけだと」


「家族魔獣問題……。あ~、もしかして昨日のこいつらの問題は」


「昨日はヒットベアーもキックモンキーも興奮していて、とりあえずは叱ったものの、詳しくは理由を聞けずに。魅力がどうのと、よく分からないことを言っていましたので、今日改めて詳しく話しを聞く予定でいたのです。ですがグー達によると、どうもアルフ様の家族魔獣が元凶だったらしく。ですのでグー達の言う通り、何かあった場合グー達がいた方が良いと思い、連れてきました」


「はぁ、そうだったのか。それは確かにそうだな。お前の判断は正しい」


「ありがとうございます。ですが……」


「その後にも問題があったのよね」


「今度は何だ?」


「実はね、小さい子達も暴動を起こしそうで。特にあの子達は、また問題になる可能性があって」


「だから何だ?」


 パパ達は少しして戻ってきました。あんまり長いお話し合いじゃなかったよ。それからパパは戻ってきたら、なんかちょっとだガックリしていました。


「パパ、ママ、おはなしおわりぃ?」


「ええ、もう終わったわよ。それから今日はね、グーちゃん達がアルフのお掃除を見にきてくれたわ。アルフの頑張っている姿を見たいんですって。それとアルフを手伝ってくれるみたいよ」


『奴らの掃除のための動きたくはないが、アルフを手伝うのは別だからな。これからは我がアルフの手伝いをしてやる』


 わわ!! グーちゃん達もお手伝いに来てくれたんだって。ありがとう!!


「えとね、えとね、いまはゴミを運んでてぇ」


『待て待て、手伝いに来たというか、邪魔をしに来たというか。他にもここへ来ている者達がいるのだ』


 他にも誰か来たの? 僕は周りを見てみます。でも誰もいません。まだ来てないの?

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