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79.赤ちゃん2匹とお友達

「よし、掃除を始めるぞ!! まずはゴミを片付ける。ライアンとブルーノとアイラはキックモンキーの方へ。俺とライアンとトロイはヒットベアーの方へ。アルフはみんなのゴミを運んでくれるか?」


「うん!!」


 荷物を運び終わったから、まずはゴミのお片付けから開始!! 僕はみんなのゴミを運ぶ係りだよ。ゴミを集めている間、ヒットベアーさん達とキックモンキーさん達は柵の方へ行ってもらって、遊んでいてもらいます。


 みんな大きな体で、いっぱいいるから小屋が広いし、ご飯をいっぱい食べるから。ご飯のゴミが色々な場所に、いっぱい落ちてて。それに藁のゴミもいっぱいだから、1つの荷馬車がゴミでいっぱいになっちゃうの。


 でも全部が捨てるゴミじゃなくて。そのままゴミ捨て場に持って行くゴミと、肥料にするゴミで分けて荷馬車に乗せます。それで帰りにゴミは捨てて帰るの。

 肥料になるゴミは、別の場所に運びます。馬車に乗せる時はいっぱいなのに、肥料になると、きゅう~ってしぼんじゃって、少ししかできないんだ。そのままなら、いっぱい肥料が撒けるのにね。


 僕はゴミが集まってくるまで、カゴ車を持って待ちます。でも待っている時に、柵の方から、子ヒットベアーさん達と子キックモンキーさん達の、僕を呼ぶ声が聞こえて。僕はすぐのそっちに行きました。


「どしましたかぁ!」


『アルフ、初めましてこんにちわ、する?』


『ゴミまだ集まらないでしょう?』


『僕達の妹』


『可愛い妹、こんにちはして、お友達になろ?』


『それで後で中で一緒に遊ぼ?』


 わあぁぁぁ!! 新しい可愛い赤ちゃん!! みんながこんにちはして、お友達になって良いって。


 赤ちゃんをおんぶしているお兄ちゃん達が、僕の前に出てきてくれて、赤ちゃんがするりと背中かから降りたら、お兄ちゃんにペタッてくっ付いたよ。

 

 えとママは、初めてのお赤ちゃんは僕を知らなくて、初めてでとってもドキドキ。少しだけ遊んでも、やっぱり僕のことをあんまり知らなくてドキドキ。

 それでいっぱいドキドキで怖くなって、僕のことや他の人達のことを嫌いになっちゃうかもしれないって。


 だから怖いってならないように、そっとそっと。僕から近づくんじゃなくて、赤ちゃんが近づいて来てくれて、こんにちはしてくれるまで、ずっと待ってあげてねって言ってた。


 2匹の赤ちゃん、僕は会うの初めて。だからママに教えてもらった通り、じっと待たなくちゃ。だって、嫌い!! って言われたら嫌だもん。僕は今いる所から動かないで、こんにちはをしました。


「こんにちは!! ぼくアルフです!! よろしくおねがいです!!」


『僕はミル君だよ!! よろしくね!!』


 ご挨拶した後、僕は怖くないよ、勝手に近づかないよって。赤ちゃんを見ないように、あっちを見たり、そっちを見たり。ちょっと鼻歌を歌ってみたり。


 パパがママに怒られそうになると、何にもしていませんよ、何も言ってませんよって、鼻歌を歌うの。だから僕も真似してみました。

 でももしかしたら近づいてくれるかもしれないから、お顔を赤ちゃんの方にしないで、目だけで頑張ってチラチラ見てみて。ちょっと目が疲れちゃったよ。


 ダメかなぁ、お友達ダメ? こんにちはもダメかなぁ。なかなか動いてくれない赤ちゃん。あのね、もしダメでも、僕良いんだ。だって無理やりはダメダメだもん。

 ママは最初ダメで、その後もダメでも、いつかご挨拶できるって。それにお友達にもなれるかもしれないって。だから僕いつでも良いんだ。


 待った僕。赤ちゃん達はやっぱりダメみたいです。僕はまた今度ねをして、パパの所へ戻ろうとしました。

 でもその時赤ちゃん達が、お互いを見てからお手々を繋いだんだ。それでお兄ちゃん達ともお手々を繋いで、ゆっくりゆっくり前に歩いてきてくれたの。


 僕はもう別の方を見ないで、赤ちゃんの方をしっかりと見ます。ご挨拶してくれる? 僕はドキドキしながら待ちます。


 ゆっくりゆっくり歩いてきてくれた赤ちゃん達。柵のところで止まった後、またお兄ちゃんの手に抱きついて。


『はじめまちて』


『こんちゃ』


 わぁ! わあぁぁぁ!! ご挨拶してくれた!! 赤ちゃんがご挨拶してくれたよ。でもでも、ここで慌てちゃダメ。挨拶が終わっても、わっ!! って近づいちゃいけないってお母さんが。

 喜んで、わっ!! っと近づくのも。それが怖くて、やっぱり離れちゃうかもしれないの。


「こんにちは」


『ほら、アルフはグイグイこないから怖くないでしょう? あのなんか変な髪の毛がぴよんってなってる人は、グイグイ、それからとっても煩かったけそ。アルフパパも、ちょっと煩い……、けっこう煩いけど』


『うん、僕達の言ってる事と、まったく違う事を言うし』


『でも、お掃除して、僕達のお怪我を治してくれるし、怖い人間じゃない。煩いだけ』


『アルフのことはみんな大好き』


『だからお兄ちゃん達は、みんなアルフのお友達なんだよ』


『おちょもだち?』


『だいしゅき?』


『うん!』


『みんなお友達で、大好きなんだ!!』


『あたちも、おちょもだち?』


『だいしゅきなりゅ?』


『『『ぜったい!!』』』


『あたち! おちょもだち、なりゅ!!』


『だいしゅきなりゅ!!』


『じゃあ、大好きはお友達になれるように、こんにちはのお手々繋ごう!!』


 赤ちゃん2匹が、柵から小さな小さなお手々を出してくれました。僕はそっとそっと、赤ちゃんのお手々を握ります。わわっ!! プニプニ、柔らかい!!


『僕も!!』


 ミル君が僕の頭から降りたから、僕はそっと赤ちゃん達から手を離して、ミル君が順番に握手します。それで赤ちゃんは握手が終わった後、じっと自分のお手々を見ていたんだけど。その後にっこり笑ってくれたんだ。


『おちょもだちと、だいしゅき』


『うれちいねぇ』


『『『ねぇ!!』』』


「ねぇ!!」


 みんなで、ねぇってやります。良かったぁ、ご挨拶とお友達できたよ。でもママに教えてもらった通り、まだまだ色々いきなりはダメ。ゆっくりゆっくり怖くならないように気をつけなくちゃ。

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