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71.仲良しウササから家族のミル君

「とりあえず用意した物だから、気に入らないかもしれないけれど。お店に行くまで我慢してね」


『ううん、大丈夫!! ありがとう、アルフママ!!』


「ママ、ミルくんがママにありがとだって」


「そう? でも今度、あなたが気にいる物を、しっかり買いにいきましょうね」


『うん!! ありがとう!!』


「ママ、もう1かい、ありがとだって」


 ママがニコッて笑います。僕もミル君もニコニコ。


「よし、みんな用意は良いか? そろそろ出発するぞ!!」


「ミルくん、いこ!!」


『うん!!』


 ミル君がピョンッ!! ってジャンプして、僕の頭の上に乗ります。


「ミルくん、うごいてだいじょぶ?」


『いいよぉ!!』


「にばしゃまでいきまーす!! おちないよに、きをつけてくださーい!」


『は~い!!』


 僕は自分のカバンを首からかけて、玄関に向かいます。ミル君を頭に乗せて歩いているから、階段はいつもよりもゆっくり。いつもも1段ずつ下りてるけど、それをもっとゆっくり下りるの。


 だって頭にミル君を乗せて階段を下りるのは、昨日が初めてだったんだもん。動いてない時や、少し動くだけは今までやったけど、階段は昨日が初めて。だからゆっくり下りて、ミル君を落とさないように気をつけてるんだよ。


「ミルくん、だいじょぶ?」


『うん、いつもと変わらないよ。大丈夫!!』


「もり、いっしょ、うれしいねぇ」


『うん! 嬉しいねぇ!!』


 ミル君を頭から落とさないで、全部の階段を下りられました。ふぅ、ドキドキしたぁ。後はいつもと一緒、そのまま歩けば大丈夫。僕は玄関に向かってちょっと早歩きで歩き始めます。


 でもその途中で、僕は躓いちゃって、おっとっとってなっちゃったんだ。べしゃって転ばなかったけど、僕が急に斜めになったから、ミル君が頭から落ちちゃって。ミル君は2回転しながら地面に降りました。


「ミルくん!! だいじょぶ!?」


『これくらいぜんぜん平気だよ!! 僕はもっと高いところから降りられるもん』


「でも、きゅうはあぶない、ごめんなさい」


『うん!』


「おっ、しっかりバンダナを巻いたな。良いか、取るんじゃないぞ」


『絶対取らないよ、大事なバンダナだもん!』


「ミルくん、ぜったいにとらないって」


「そうか。そのバンダナが一応家族って印だからな」


『印~♪』


 ミル君。僕とパパとママの家族。あのねミル君は、ミル君だよ。仲良しウササのミル君。昨日僕とミル君は家族のなったの!!


 えと、昨日ミル君は、プレゼントのお願い、お友達のお友達になりたいって、お願いだったでしょう。それから家族の友達って。


 あれは僕と一緒に僕のお家で、パパやママ、僕と一緒に暮らしたいって事で。僕達と家族になりたいって事だったんだ。前の僕と同じ。地球でおじいちゃんおばあちゃんと暮らしてて、他にも家族が。犬のゴン太も僕達の家族で。


 ミル君のお願いは、僕達と家族になりたい、ってお願いだったんだ。僕、最初お友達って言われたから、よく分からなかったの。でもパパ達はすぐに分かって、それでちょっと困っていたんだ。


 家族のことをパパ達が説明してくれて、僕はとっても嬉しかったんだけど、パパ達は困るって。何で? って聞いたら。僕が小さいからだったんだ。

 あのね、パパもママも、僕がもう少し大きくなってから。もしも家族になりたいって魔獣さんがいたら、家族になっても良いって思っていたんだって。


 でも昨日ミル君が、家族になりたいって言ったから、ちょっと困ったんだ。だって、僕は魔獣さん達の小屋の掃除をし始めたばかり。それからきちんとご飯を用意したのも、お掃除と同じ時。

 ミル君が家族になったら、ミル君のお世話はみんなでするけど、僕は慣れていないから大変かも。だからパパ達は困っていたんだ。


 それを聞いて、やっぱりダメって、しょんぼりしちゃったミル君。僕はしょんぼりミル君を見て、パパとママとお話し合いをしました。


 あのね、ミル君の後ろで他のウササ達が、昨日のミル君のお話しをしてくれたんだけど。ミル君は前の日からずっとドキドキしていて、本当は言うのはとっても怖かったけど。でも頑張ってお願いしたって。


 それから、家族になれたら、僕と一緒にいっぱい遊びたい。色々な場所へ一緒に行きたい。朝から夜まで、ずっと一緒って。とっても楽しみのしていたって、教えてくれたの。


 僕もミル君のこと大好きで、ずっと一緒にいたくて。ミルくん頑張ってお話ししてくれたでしょう? だから僕も頑張らなくちゃって思ったんだ。それでミル君と、絶対の家族になるんだって。


 いっぱいいっぱい、お話し合いをした僕とパパとママ。そしてお約束しました。絶対にミル君と一緒にいる。とっても大変な事があっても、途中で家族をやめるって絶対に言わない事。ちゃんとパパとママと僕、みんなでミル君のお世話をする事。


 どんな事があってもミル君を傷つけてない、意地悪しない事。勝手に2人だけでどこかに行かないこと。パパとママ、みんなの言うことをよく聞こ事。えと、それから他にも色々お約束をして。


 お約束の後は、パパ達がもう1回ミル君に聞きました。本当に家族になりたいかって。ミル君はそれまでずっとしょんぼり。僕が抱っこしていたんだけど。

 でもその時は地面に降りて、背筋を伸ばしてしっかりとチンチンの格好をして。うんっ!! ってお返事をしたよ。


 そうして僕達は昨日、家族になったんだ。僕もミル君もとっても嬉しくて、小屋の中を走りそうになって、ママに怒られちゃいました。

 

 それでね家族になったから、ニックネームじゃなくて、本当の名前を付けなくちゃって。名前は僕が考えたんだよ。毛の色が真っ白ミルク色だから、ミルクのミル君!! ミル君、とっても喜んでくれました。


 それから僕の家族ってみんなが分かるように、ママがミル君にバンダナを巻いてくれたの。ママが今度お店で、ミルくんの好きなバンダナを買ってくれるって。パパが取るなよって言ったのはバンダナのこと。


「よし、じゃあ、荷馬車に乗って出発だ!!」


 ミル君と初めての森に、これから出発です。

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